十九階に上がった四人は、そこで信じられない物を見た。それは 金色に輝く、一体の物凄く巨大な龍であった。 その大きさは全長百m以上はあるだろうと思われた。見た瞬間、 四人はその圧倒的な姿に魅了され、息を呑んだ。 (良く、ここまで来たな。いったい、おぬしたちは何を求めて、こ の塔に挑んだのだ? 何も無いこの塔を……?) と、金龍の言葉が四人の頭の中に響いてきた。 「俺はこの塔に住んでいるという、人物に会いに来た」一歩前に出 て、ジルファーが言う。 (なぜ、その事を知っている?) 「運命の女神の使いのティナと言う女に聞いた」 (そうか。なら、ジルファーよ。おぬしだけが二十階へ行くがよい) 「わかった」ジルファーの顔が引き締まる。 「俺達はどうすりゃ良いんだ?」シルファードがそう聞く。 (待つが良い。知らない方が良い事もある) 「しょうがねえな。ジルファー。ゆっくりしていきな。俺は寝てる からよ」そう言うと、シルファードは寝転がった。 ジルファーはそれを見ると、少し表情を緩めた。そして、金龍の 横を通り抜け、上への階段をゆっくりと上っていった。 |