三人の王 第三章 神の塔 <16>
三人の王

第三章 神の塔

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 十九階に上がった四人は、そこで信じられない物を見た。それは
金色に輝く、一体の物凄く巨大な龍であった。
 その大きさは全長百m以上はあるだろうと思われた。見た瞬間、
四人はその圧倒的な姿に魅了され、息を呑んだ。
(良く、ここまで来たな。いったい、おぬしたちは何を求めて、こ
の塔に挑んだのだ? 何も無いこの塔を……?)
 と、金龍の言葉が四人の頭の中に響いてきた。
「俺はこの塔に住んでいるという、人物に会いに来た」一歩前に出
て、ジルファーが言う。
(なぜ、その事を知っている?)
「運命の女神の使いのティナと言う女に聞いた」
(そうか。なら、ジルファーよ。おぬしだけが二十階へ行くがよい)
「わかった」ジルファーの顔が引き締まる。
「俺達はどうすりゃ良いんだ?」シルファードがそう聞く。
(待つが良い。知らない方が良い事もある)
「しょうがねえな。ジルファー。ゆっくりしていきな。俺は寝てる
からよ」そう言うと、シルファードは寝転がった。
 ジルファーはそれを見ると、少し表情を緩めた。そして、金龍の
横を通り抜け、上への階段をゆっくりと上っていった。
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