三人の王 第三章 神の塔 <15>
三人の王

第三章 神の塔

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 その後、四人は階段を上り、十八階へと上がっていった。
 その階でまず四人の目に入ったのは、青い色の龍であった。体長
は二十mはありそうで、四人の事を待ち構えていたようだった。
 その後ろには上への階段があった。四人は急いで、青龍を囲むよ
うに位置した。
「こりゃ、でかいな」シルファードが短剣を構えながら言う。
「緑龍よりも手強いですよ」レングが三人に注意を呼びかける。
「こいつよりも上級の龍だったら、危ないだろうがな。よっ」シル
ファードが尻尾の攻撃を避けながら言う。
「炎と一緒に毒ガスも吐きますからね」近くにいたレングもその攻
撃を避けながら、相づちを打つ。
 今度の戦いは前よりも、長引く事になった。青龍はあえて炎を威
嚇のみに使い、爪や尻尾で四人を攻撃したからである。
 しかし、四人も負けてはいなかった。緑龍との戦いで、首を攻撃
した方が良いと、わかっていたからである。
 しばらくして、青龍は炎を吐かなくなった。自滅を恐れたからで
ある。
「いらない所に頭の回る野郎だな」シルファードが舌打ちをする。
「これで龍炎の心配は無くなった訳だ。回復能力は三つ上の黒龍か
らだったよな?」ジルファーがレングの方を見て聞く。
「ええ」レングが頷く。
「じゃあ。後は動かなくなるまで、切り刻むだけね」
(女の癖にぞっとすることを言いやがるな)
 シルファードがリーファの方を盗み見る。が、リーファはその事
に気づかない。
 そうこうするうちに、青龍はジルファーの渾身の一撃を食らい、
轟音を立てて崩れ落ちた。
「上に上がる前に一休みだな」シルヴィファルツを仕舞いながら、
ジルファーが言う。
「一休みと言わず、二休みはしたいな」シルファードがその場に寝
転んで言う。
 その後、四人はシルファードが起き上がるまで、休んでいた。
 そして、シルファードとジルファーを先頭に、四人は十九階へと
上がっていった。
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