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行き当たりばったりの四国

−最終日−

旅行記メニュー 3日目


脱出
 目が覚めると外は明る…いわけもなく、空は一面の曇り空だった。風はますます強く、しかし雨はほとんど降っていない。それでもフロントまで下りてみると、デンと置かれたホワイトボードにどこぞのフェリーが欠航だと書いてある。そして「大鳴門橋:通行可能」「明石海峡大橋:通行可能」の2行。あの「明石海峡大橋:通行可能」が「通行不可」になった時、我々はこの淡路島から脱出できなくなる。お天気が良ければお昼過ぎくらいまで淡路島で遊ぶつもりだったけれど、これはもうさっさと淡路を出た方が良い。ゆっくりしている間もなく、一番早い高速バスに乗るべく、荷物をまとめてバス停に急ぐ一行であった。

 外は小雨が降ったり止んだりしている。バスの窓の外には畑が広がる。ここ淡路の特産は玉葱である。畑のあちこちに屋根だけで壁の無い小屋が幾つも建っていて、その中いっぱいに玉葱が干してある。そういえば昨夜の夕飯の玉葱、そして朝のバイキングの玉葱もなかなかの美味だった。あれはこうして干されて出荷されているのだねぇ…と改めて知る。そんな風景を眺めている間にもバスは一気に淡路島を縦断し、あっさり明石海峡の橋まで着いてしまった。橋の向こうはもう神戸である。風を切って走るバス、対岸とこちらの風景の差に唖然としながら、一行は無事淡路島を脱出した。

そしてハンズ
 バスは神戸は三ノ宮に到着する。時間はまだ昼。このままさっさと帰路についても良いのだが、空からはまだ薄明かりも差し、もう少し遊んでいても大丈夫そうだ。そして神戸という街も滅多に来る場所ではないし、そもそも観光地ではないか。せっかくだから神戸観光もしてみよう。とて、どこへ行くか考える。そしてうっかり思いついたのがハンズ。あの東京の東急グループがやっている何でも雑貨屋、東京には山手線で30分圏内の所に3ヶ所もあるあのハンズであるが、悲しいかな我がご近所には無いのだ。と言う訳で急ぎお昼を食べて店内に。エレベーターで一気に上まで上がって…当然のことながら簡単には降りられないのであった。

 途中一度出るには出た。神戸まで来てスイーツを食べずに帰るのは嫌だったから。ハンズの前にあるケーキ屋さんでケーキとお茶を楽しむ。そしてまたハンズに戻るのであった。荷物もお土産も大量だから、見るだけ…のつもりではあったけれど、このお店でそれは有り得ない。出てきた時にはしっかりと紙袋が増えておりました。

 その中のひとつが“アントクアリゥム”。これ、NASAが宇宙実験で蟻を飼育するのに使ったのと同じ、特殊なジェルを封じ込めた蟻の飼育キット。ジェルには蟻が生きる上で必要充分な栄養と水分が含まれていて、そのジェル自体を掘る事で巣穴も作れるという代物なのである。

 ウチのアントクアリゥムの写真

そんなこんなでハンズを出たのは夕方の5時過ぎになっていた。外は本格的な雨。既に神戸観光はどこへやらという感じだが、流石にもう帰らないと今日中に家まで辿り着けるかすら不安だ。預けてあった荷物を抱えて帰宅の途に着く我が一行であった。

最後に
 今年の旅も良い旅でした。いろいろとハプニングはあったし、やたら疲れた側面もあったし、最終日は本当に予定外の行動だったけれど、楽しい事、可笑しかった事、感動した事、いっぱいでした。良い人達にも沢山出会った旅でした。帰ってきてからマーケットに行く度に、玉葱の産地が気になります。淡路産というのを見ると、ちょっと嬉しくなります。

 そして帰りついた晩、超大型台風が四国に上陸しました。勢力が強い上に極めてゆっくりとした台風で、四国地方には甚大な被害がありました。旅の途中に通ってきた、あの町、あの村の名前を、何回もニュースで聞きました。後1日ズレていれば、無事に帰れたか判りません。それを思えば、3日目までの晴れた天気は本当に運が良かったと思います。被害を被った四国の場所場所の、一日も早い復旧を祈ります。

 来年はどこへ行くのでしょう。でもきっとどこへ行っても、新たな発見と感動を見つけるに違いありません。そんな旅をまだまだ続けたいものです。



 

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