「あの病室の子、どうしたんですか。あの部屋に行くといつも寂しそうに私を見るんです」 「きっとあの子の母親に君が似ているんじゃないかな。」 「あの子の母親はどうしたんですか。」 「あの子に殺されたよ。あの子は母親と父親と友達を殺してる。」 「そんなに酷いことをあんな子供が…」 「両親が離婚をして、あの子を置いていこうとしたらしい。それをやめさせようとして殺してしまったらしい。」 「いつの話なんですか。」 「十数年前だ。丁度、君と同じくらいの年のはずだが、その時から成長を止めてしまってな。」 「もしかして、あの子の名前は佐々木勇人というんじゃないですか。」 「ああ、そうだが。まあ、今は毎日おとなしいものだ。興味があるなら担当してみるかね、結城君。」 「はい、是非やらせてください。お願いします。」 |