第58話 ルビス復活


 精霊ルビスが封じられているという噂がある、マイラ西の塔。現れる敵を倒しながら進む勇者一行ですが、おや?ずいぶんと勇者ほだかは真面目な顔しちゃってますよ。


ほだか(以下、ほだ)「なぁ、ちょっと思い出したことがあるんだが……」
ともき(以下、とも)「ん?何だ?」
ほだ「ここに出てくる敵を見ていて思い出したんだ……古い話になるが、子供の頃に読んだコマツ・サキョーの本に、【子犬型宇宙人】ってのが出てきたんだ」
とも「なんだいそりゃ。全然関係ないじゃないか」
ほだ「いや、その【子犬型宇宙人】ってのが、足6本あるんだよ。なんかこう、似てると思わないか?」



とも「……似てるって、足が6本あるところくらいじゃないか」
ほだ「あれ、見た瞬間はもうちょっと似てるような気がしたんだけどな……」
まさはる(以下、まさ)「バカなこと言ってないで、とっとと片づけるぞ」
ひでかず(以下、ひで)「こいつら呪文も使ってくるよ、早くやっつけないと!」


 既に平均レベル40を超えているパーティーには、このあたりの敵なんてもうザクじゃなかったザコ同然です。サクサクサクッと退治しながら進むと、回転床の向こうに宝箱が……

ほだ「むむっ、僕の第六感に働きかけて来るぞ!あれは重要なアイテムだ」
まさ「さっきからそう言ってミミック引きまくってんじゃないか」


 回転床の攻略法としては、コントローラーを持ち替える方法がありますね。まず一歩動いてみて、例えば右を押したのに下へと移動したとします。その場合、右が下になるようにコントローラーを持ち替えれば、目指す方向へ簡単に進むことができるのです。って、わざわざ書くようなことでもないですね。



ほだ「ほーらやっぱり!」
ひで「伝説の武具のひとつか……どれどれ」


 残念!戦士はこれを装備できないんですね。というわけで、光の鎧は勇者の手に渡りました。くやしがる戦士です。

ひで「チェッ、先頭歩くの僕なんだよ、もうちょっと防御力のある鎧があってもいいと思うのに」
ほだ「それは俺のせいじゃないもんな〜」
まさ「それを言うなら、俺の武器だってず〜っと「黄金の爪」だぞ。そろそろ新しいのが欲しいな」
ほだ「それも俺のせいじゃないぞ」
とも「俺はさっき「水の羽衣」買って貰ったもんね」


 でもまあ、今さら武器防具がどうこう言うような強さじゃないんですけどね。昔はほら、攻撃力が5ポイントも違えば結構な戦力差でしたけど、地力がこれだけつけば、武器うんぬんだけの問題じゃなくなってきますからね。

まさ「ちくしょう、武器の攻撃力の差が、決定的な戦力の差ではないことを教えてやる(泣)!」
ひで「なにそれ?」
まさ「……別に良いんだよ、聞き流してくれて」


 そんなことを言いつつもスタスタと先へ進み、いつの間にやら最上階にたどり着いていました。


ひで「うっわー、綺麗な石像があるぞ」
ほだ「石像メダロット・セキゾーか……顔は間抜けだけど実力はある」
ひで「???」
ほだ「いいんだ、聞き流してくれて」



とも「ここで「妖精の笛」を使うんだ」
まさ「そうすれば、精霊ルビスの封印が解ける……って、マイラで聞いたんだよな」
ほだ「ほれ、吹け」
ひで「どうしてこういう場面だと、僕がいろいろすることになるの?」
とも「そりゃ、先頭を歩いているからさ」


 なんか説明になってない気がしますが(笑)。


ひで「で、どの曲吹けばいいのかな?」
ほだ「うーむ、この【固い気分をほぐしてリラックスしたい時に】ってヤツでいいんじゃないか、相手は石像だし」
まさ「別に緊張してるわけじゃないと思うが」


 とにかく、楽譜を広げて笛を吹きます。


とも「シンコペーションが違ってるぞ。タタンタンタタン、じゃないだろ?」
ほだ「タタンタタンタン、がこの場合正しいぞ。8分音符と16分音符の位置が逆」
まさ「うはー、これすっごい内輪ネタだよ。こんなのインターネットで公開して良いのか?」
ひで「うるさいうるさい、ちょっと間違えただけだってば!」


 正しいリズムで笛を吹き終えると……なんと、石像から暖かな光が漏れだしましたよ!?



ほだ「こ、これは……」
とも「封印が、解ける!」


 まばゆい光がフロアを満たし、そして光が収まったとき……石像は一人の女性へとその姿を変えていたのでした。


ひで「ルビス……様?」
まさ「なんと神々しいお姿……」


 ちなみにこのアニメーションGIFは、作るのに1時間(ソフトの使い方がよく判らなかった)、そしてファイルサイズは140KB近くもあります。その割にたいしたものじゃないんですが……なんとも無駄な話ですねえ。


*「お礼に ほだかに
  この 聖なるまもりを
  さしあげましょう。

ひで「な、笛吹いたのは僕なのに!」
ほだ「有り難く頂戴いたしましょう」
まさ「まあまあ、怒るなよ。いつものことだ」


*「そして もし 大魔王を
  たおしてくれたなら きっといつか
  その おんがえしをいたしますわ。



ほだ「いえ、そんな……褒美目的で魔王退治を思いついたのではありません」
とも「かっこつけちゃってからに」

*「私は 精霊ルビス。
  この国に 平和がくることを
  いのっています。



ほだ「お任せください、必ずや!」
まさ「はいはい」


 言い終えるとルビスはにっこりと微笑み、そして光の中へと消えていきました……


ほだ「さあ、そういうわけだからみんな頑張ろう!」
ひで「けっ、1人でイイ格好しちゃってさ」
ほだ「な、なんだよ?」
ひで「せめてさ、ルビス様のお礼は僕に頂戴よ」
ほだ「よし、なら【魔王を倒した恩返し】を君に進呈しよう」
ひで「へ?」
ほだ「精霊ルビス様の恩返しだ、きっとステキなことがあるに違いないよ?」
ひで「そうかな?」
とも「そうだ、そうだよな」
まさ「このアレフガルドを作れるほどの精霊だ、きっと死人を生き返らせるくらい……」


 戦士ひでかず、ぽんと膝を叩きました。


ひで「判った!じゃあ行こう、さっさと行こう、早く行こう!とっととゾーマを叩きのめそう!」
まさ「思考回路が単純だよな」
とも「いいのかな、本当に?」
ほだ「ここんとこモチベーションが希薄になってきてたからさ、これくらいの夢はあっていいと思うんだよね」
まさ「うーむ……そうか、もうすぐなんだよな」
とも「ああ、もうじきゾーマと戦うんだよな」




 それぞれが、戦いの後に想いを馳せはじめました。目の前に迫りつつある大魔王の影、しかしそれさえ乗り越えることが出来れば、彼らの前には希望が待っているのです!進めヘナチョコパーティー、戦えヘナチョコパーティー!明日は明るい日と書くのだ!!……といった所で今回はおしまいです。さてさて、これからどうなりますやら。


 では、次のお話でお会いしましょう。
 世界がこのまま平和でありますように……









次回予告


 古代の超文明が残したという遺跡のそばに、その街はあった。やがて魔導研究の名の下に荒廃しゴーストタウンとなる運命の街、ドムドーラ……そこを訪れた勇者たちは、砂塵の中から古代文明の痕跡を発見してしまう。


ほだ「まさか、これ、生きている?」
まさ「ゲージが輝いて……嘘だろ、だって、これは遺跡なのに!!」

ひで「この部分を見てよ、炭素測定法による年代測定結果だよ」
とも「バカな、こいつは……放射性物質が、半減期のサイクルで活性化してる!……ということは、こいつは遺跡じゃない、元素を集めて復活している最中なんだ!」


 伝説の巨神は立ち上がった。その赤い体に走るのは、純粋なる自己防衛本能……そして今、伝説の巨神と勇者一行とのラストバトルが始まろうとしていた!


 次回、ドラゴンクエストIII「伝説巨神対勇者」、ご期待ください!
 (内容及びサブタイトルは変更になる場合があります。ご了承ください)










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