第41話 変化の杖
さてさて、前回で大幅にお話が進みました。レイアムランドの正確な位置も判り、4つめのオーブも手に入れ、そしてサマンオサを支配していたボストロールまで倒しちゃいました。ちょっと詰め込みすぎた感もありますが、これくらいしないとね〜。 ほだか(以下、ほだ)「全く、消化不良だよな」 ひでかず(以下、ひで)「本当だよ全く。何の意志表示もなかったじゃないか」 まさはる(以下、まさ)「許されないよな、こういうの」 おやおや?なにか不協和音が聞こえてますぞ。 ともき(以下、とも)「フン、世界が一大事だと言うのに、ノンキに恋愛なんかしてられるか!」 まさ「そうか?破壊の中に芽生える愛だからこそ美しい!のに」 ひで「僕なんかいくら想ったって、相手が死んでちゃどうにもなんないんだ。それに比べれば、ちょっと勇気出すだけで良かったのに、もったいないねぇ」 ほだ「そうだそうだ!」 ひで「あんたには言われたくないよ」 ほだ「えっ?どうして?」 まさ「うるさい、黙っていなさい」 ひで「あんたも!相手が生きているんなら、全然問題ないじゃないか!」 まさ「そりゃま、そうですな」 ひでかずは腹立ち紛れに、変化の杖を振り回しました……すると、四人の姿が変化して、なんと馬になってしまいました! ほだ「な、なんだこりゃ!」 まさ「はははははっ、お前、馬になってんぞ!」 とも「人のこと笑っている場合か、お前も馬だぞ」 ひで「な、手がひづめだ!どうなってんだ、これ?」 それぞれ違う毛並みの馬になっていますが、馬は馬。 ほだ「ひょっとして、あの『喋る馬のエド』ってこうやって化けてたんか?」 ひで「違うと思うけどな〜」 しばらくすると、元の姿に戻りました。なんだか楽しくなったひでかずは、もう1度杖を振ります…… まさ「うわっ、ね、ね〜ちゃん!ピチピチギャルに変身だ!」 ほだ「……お前、誰?」 ひで「僕はまさはるだよ」 とも「嘘つけ、俺がまさはるだ!」 まさ「あ・の・な〜、勝手に人の名前名乗るんじゃね〜よ!」 なんだか楽しんでいますね…… とも「よし、ここんところ暗い話題が多かったから、あちこちにルーラしてイタズラして回ろうぜ!」 まさ「大賛成」 ほだ「こ、こんなことでいいのだろうか?」 手始めに四人はロマリアへとやってきました。 ひで「よし、えいっ!」 ほだ「……わははっ、スライムだスライム!」 ![]() まさ「あははっ、スライムだぞ〜!!」 続いては「田舎者」と馬鹿にされたエジンベアです。 まさ「俺にやらせてくれよ!……えいっ!」 とも「はっははは、悪魔だ悪魔!」 ![]() ひで「田舎者を懲らしめにやってきた悪魔さまだ!」 さらに今度はアッサラームです。 ほだ「俺もやる!えいっ!」 ひで「……なんだ、ただのおじいさんじゃないか。つまんないなぁ」 ![]() まさ「……どうもですじゃ」 そしてここは……どこでしょう? ほだ「ばっ、馬鹿、やめろよ!」 まさ「うるさい、こうしてやる!」 とも「おおう、この姿はまさしくエルフ!」 ![]() ほだ「い、いや、違うんだ、これにはわけがあって……」 ほだ「あっ、今忙しいから、また今度ね!ルーラっ!!」 シンシア「……ふっ、ウブなことよ。仲間の前だからと言って照れずとも良いのに♪」 さらに、ここは? まさ「ばっ、馬鹿、俺は誓いを立てたんだ、バラモスを倒すまでは会わないって!」 ほだ「……一緒に墜ちようぜ〜」 ひで「大丈夫さ、姿を変えればばれないって。女王様がどれだけ頑張っているか、そっと覗くだけさ」 まさ「お前たち、鬼だ!」 ほだ「僕にあんなことしておいてよく言うよ……えいっ!」 とも「……ホビットか、これならばれないだろう。こんにちは、女王さまっ!」 ![]() まさ「……(ううっ、誓ったのに、誓ったのにィィィ!)」 そしてここは…… ![]() ひで「ああっ、ユキちゃん!どうして君は……」 ほだ「……ちょっとエグいかもな、これ」 とまぁ、お互いに古傷をえぐりまくった勇者たち(笑)、変化の杖が大嫌いになっていました。 ほだ「こんなもの、一体何に使えっていうんだ!ただの嫌がらせじゃないか!」 まさ「全くだ。売り払ってしまいたいところだが、店では買い取ってくれないし」 ひで「捨てることもできない……」 とも「誰かにくれてやるほかにないよな。誰かこんなもの貰ってくれる人、いるかな?」 いろいろ考えています(笑)。最初のうちは楽しかったんですがね〜、ちょっと脱線しただけで最凶のアイテムになってしまう「変化の杖」、ああおそろしやおそろしや…… ほだ「そうだ。あの氷の島にいたじいさん一人で退屈してるだろうから、これあげちゃえ」 まさ「そうだな、人が滅多に行かない島なら、悪用することもないだろうし」 とも「心の傷をいじりまわされるのは、ちょっとな……」 ひで「あううう……僕は絶対に僧侶になって、冥福を祈るからね!」 というわけで、グリンラッドに向かうことになりました。 ほだ「船長、海賊と話がついていたんだって?最初から教えてくれればよかったのに」 船長「すみません、相手が海賊だと知ったら、勇者さんたちは嫌な顔するんじゃないか、って」 まさ「ランシールに遅れたのも、彼らと連絡取っていたからだろ?」 船長「はい、申し訳ありませんでした」 とも「まぁいいけどね……」 船長「でも、あそこにサマンオサの軍艦がいるのは、手はずと違ったんですよね。それで、予定外のことになっちゃって」 ひで「それは海賊の親玉も言っていたけどね。まぁいいじゃん、オーブだって手に入ったし」 ともきはにっこり笑って、レッドオーブを掲げます。 とも「そういや、サマンオサに行く途中の教会で聞いたんだ、勇者サイモンの消息を」 ほだ「お前、そんなこと娘さんの前で黙ってたのか?」 とも「うん……確証のない話だし、実際に確かめて見ないことにはどうしようもないだろ?」 まさ「そうだな、無用な不安を与えるのは良くない。あのボストロールが言っていた、『飲み水も食べ物もなければ人は簡単に骨になる』っていうのだって、聞かせたくはなかった」 ガラにもなくシリアスになっていますが、心の内では…… まさ(よし、これであの娘のことを思い出したぞ!思い詰めて、片思い泥沼モードにまっしぐらだ!) ほだ(俺やまさはるばかりからかわれるのは割に合わん、さりげなく強調してあの子のことを思い出させるんだ!) 邪な感情だけで動いているんですね(笑)。 さて、船はグリンラッドの、例の老人宅そばまでやってきました。 ほだ「じゃあ、船はこのままエジンベアに回ってくれないか、僕たちは1度サマンオサに戻ってから、合流するよ」 とも「えっ、戻るのか?」 ほだ「あの子に会いに行くんじゃない、お前が聞いたサイモンの消息を確かめるためだ」 まさ「まだ決定的な情報はない。ボストロールだって、俺たちを絶望させるために嘘をついたのかもしれないからな」 ともきはちょっとがっかりな様子です。ほだかとまさはるは目と目を合わせて小さくガッツポーズなんかしてます。妙な同盟ができたみたいですね(笑)。 ひで「じゃあそういうことで、エジンベアで会いましょう!」 船長「お元気で!」 さて、船が行ってしまいました。 まさ「なー、サマンオサに戻るのはいいとして、どうして合流がエジンベアなんだ?」 ひで「ああ、判った!ポンタの村に行くんでしょ?」 ほだ「そういうこと。オーブは残り二つ、そいつの情報が入っているかもしれないからな」 とも「……(俺は間違っていない。今は戦うこと、それだけでいいんだ!……いいんだよな、きっと)」 というわけで、変化の杖を厄介払いしに来た勇者たち。はたして老人は素直に受け取ってくれるのか?そして、勇者サイモンの行方はいかに!?といった所で今回はおしまいです。さてさて、これからどうなりますやら。 では、次のお話でお会いしましょう。 世界がこのまま平和でありますように…… 次回予告 農業用魔導アーマーが暴走する事件が頻発し始めたサマンオサ。新規に導入されたコントロール魔法との関連を疑った勇者たちだったが、決定的な証拠は何も出てこない。 コントロール魔法術の制作者が謎の飛び降り自殺を遂げ、事態は最悪のシナリオへと突入していく…… ほだ「箱舟だ!研究室に行ったときにコピーしてきたの、忘れてた!」 まさ「そうか!そいつのデータを風洞シミュレーションにかけて、その結果をこっちのプログラムにブチ込んでやれば……こりゃあ、ここの装備だけじゃ間に合わない、城のメインフレームも使わせて貰おう!」 ???「そりゃああれですね、このことを言わなければ、みんな必死になって働く、と……あの人の考えそうなことですよ」 とも「……俺や勇者がどんな気持ちで……俺なんか謹慎まで食らって……青春の光と影を弄びやがって、あのクソ国王……のっ、呪ってやるぅ〜!!」 ???「どうした、返事しろ!」 ひで「……いないよ、ここには、人間なんていないよっっっ!!!」 干拓用作業プラント、通称『箱舟』へ台風の中、向かう勇者たち。魔導士が飛び降りたときに全ては決まっていたのだろうか?吹き荒れる暴風雨の中、無人の農業用アーマーに灯が入る!! 次回、ドラゴンクエストIII「風速45メートル」、ご期待ください! (内容及びサブタイトルは変更になる場合があります。ご了承ください) 第42話へ 「DQ3-Replay」トップに戻る |