第38話 船待ち


 さて、前回でランシールの地下にある「地球のへそ」ダンジョンを攻略した勇者たち……正確には勇者一人で攻略したのですが……これからオーブを捧げる祭壇があるという、レイアムランドに向かうつもりです。しかし……


ほだか(以下、ほだ)「船がこないね」
まさはる(以下、まさ)「どこかで沈没でもしたかな?」
ひでかず(以下、ひで)「縁起でもないこと言うなよ!」
ともき(以下、とも)「ま、そのうち来るさ。地球の反対側にいたんだから、そう簡単に来られるわけがないんだよ」


 そうですね、海路はるばるやってくる船に対して、勇者一行はルーラの呪文で瞬間移動しましたから、どうしたって待つことになるわけです。


ほだ「まぁいいけどもさ……やること、ないぞ」
ひで「困ったね……ここには前も来てるから、お店でどんなもの売っているか判ってるもの。買い物の楽しみがないっていうのは、つらいなぁ」
まさ「しかも外に出るモンスターはスライムとかだぞ!アリアハンと違わない!」
とも「経験値稼ぎも出来ないのなら、もうお手上げだよ」



 とまぁ、一行が手持ちぶさたになったところで、久々にみんなのレベルや持ち物を大発表しちゃいましょう!ちなみに順番は移動時に並ぶ順番です。



ひでかず ほだか まさはる ともき
ちからじまん しあわせもの あまえんぼう きれもの
HP:286 HP:210 HP:192 HP:177
MP:0 MP:123 MP:0 MP:166
戦士:31 勇者:31 武闘家:30 賢者:26
E:おおかなづち E:くさなぎのけん E:おうごんのつめ E:はがねのむち
E:まほうのよろい E:だいちのよろい E:くろしょうぞく E:まほうのよろい
E:まほうのたて E:まほうのたて E:−−− E:まほうのたて
E:てっかめん E:オルテガのかぶと E:くろずきん E:とんがりぼうし
E:−−− E:うさぎのしっぽ E:ほしふるうでわ E:−−−
攻撃力:219 攻撃力:164 攻撃力:179 攻撃力:92
守備力:100 守備力:145 守備力:174 守備力:127
すばやさ:20 すばやさ:81 すばやさ:255 すばやさ:82



まさ「あれっ、俺が一番守備力あるんじゃん。なら、先頭で歩いた方がいいのかな?」
ひで「その割にHPが高くないから、すぐ死ぬよ。それに痛いの、イヤでしょ?僕は装備がみんな固い素材だから、ダメージうけてもそんなに深刻じゃないけどさ」
まさ「確かに、盾も持たずに先頭に立つのは危険かも」
ほだ「おまえが避けた攻撃が後ろの人間に当たったら大変だよ。やっぱり壁としては、すばやさがたったの20しかない奴に任せた方がいいね」
とも「そういうお前だってパラメーターあんまり良いとは言えないぞ。どれかトップを取っているものがあるか?」
まさ「……ないな」
ひで「……中途半端だね〜」
ほだ「うっ、うるさい!それでも僕のかしこさはトップのともきに次いで2位!最下位のひでかずの約4倍を誇るんだぞ!欠点がない、これが勇者としての資質だ!」
ひで「……ちなみに僕のかしこさって、いくつ?」
ほだ「16」
ひで「えっ……(絶句)」


 何を内輪でもめているのかと思えば、またくだらないことを……職業によって上がりやすいパラメーターが違うわけですから、比較なんかしても仕方がないのにね。


まさ「どうでもいいからさ、早く船はこないかね〜」


 船がいくら待ってもこないので、勇者たちはまた宿に泊まります。まぁ、幸い蓄えはありますから、少しくらい骨休めしたって問題はないわけです。


ひで「あ〜、剣の稽古だけはしっかりやっておかなきゃ」


 三日が過ぎて、一行がもう休める骨もなくなった頃に、ようやく船が港につきました。


ほだ「ごくろうさま、今日は陸に上がってゆっくり休んでね」
船長「遅くなって申し訳ありませんでした……ここ数日、海は雨続きでしてね……なかなか船が前に進んでくれなかったんですよ」
まさ「いいっていいって!それより、宿はとってあるからゆっくりしてくれよな。荷物や食料は、俺たちで運んでおくから」
とも「そうそう、明日の朝イチで出航するから、半日ゆっくりしてね。じゃあ荷物は頼んだよ」
ひで「やっぱり僕か(涙)」





 さてさて、ようやく出航です。しかし一行、案外レベルが上がっていましたね〜。無駄にあちこち回っていると、こうやって無駄にレベルが上がるものなんですね(笑)。……さてさて、これからどうなりますやら。


 では、次のお話でお会いしましょう。
 世界がこのまま平和でありますように……









次回予告


 世界で一番美しいとされる街についた勇者たち。しかし、停電をきっかけに知ってしまったその街の真実は、勇者たちに深い悲しみと怒りを覚えさせた……



???「私は乞食ではありません。代償も取らずにお金をくれる人がいるとは、信じられません」
ほだ「別に、僕はただ……プライドを傷つけたらしいね、ごめんよ」


???「気をつけろ!!なんだ、全然光らないバカもいるのか!そんな体じゃみにくくて、人間とは言えないな。早く死ねよ!」
まさ「うるさい、俺の故郷じゃこれが当たり前だ!」


ほだ「でも、これがなくなったら、あとでアニメを作るときに困るだろ?」
???「ええ、私の一番大切なものです……コピーも取っていません、コピー代は高いですから。私の一番大切なものだから……お金をくださいと言えるのです。そのネコは、私の心の中に住んでいるから……それがなくなっても大丈夫です」


ひで「僕はお前に挑戦するぞ!ベルトに下げているのは剣だな!?そんなら抜け!!僕と斬り合え!!遠慮はしないぞ!!」
???「いや、なにも……ま、まてよ、あの、べ、べつに……その……いやだよ。……わ、判った判った、や、やめようよ、悪かったよ、よせよ、やめてくれよ……」
とも「フン……お前は何をしに冒険に出るんだ?光る体も高い背も立派なマスクも、無法の荒野では邪魔にしかならない……冒険に必要なのは勇気と誠実さに支えられた実力だけ。光る体や自分の姿にいい気になっていたいんなら、この街から出ないことだな!」



 やがて時は流れ、世界の多くの街や城でフレイアのアニメが上映された。そのタイトルの前には、この書かれた文字が浮かんだ……
 『フレイアとそのネコの名において偉大な私の友だち、勇者一行にこの一編をささげる……友情と、教えてくれた勇気を生涯私は忘れない……』

 ……勇者たちがどこでそれを見たか、誰も知らない!

 次回、ドラゴンクエストIII「真知子の螢」、ご期待ください!
 (内容及びサブタイトルは変更になる場合があります。ご了承ください)







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