第33話 妖怪変化


 さて、ヤマタノオロチ打倒を誓った今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか……って挨拶してどうするんでしょう(笑)。ジパングを脅かす魔物退治を勇者たちが独断と偏見で行うことになりました。ジパングを治める女王ヒミコは勇者たちを快く思っていないようですが、とにかく!男の意地とメンツをかけて戦うことになりました。


ほだか(以下、ほだ)「で、肝心のオロチはどこにいるんだ?」
まさはる(以下、まさ)「俺が知るか」
ひでかず(以下、ひで)「このすぐ対岸を北に行くとムオルの村なんだ。向こうではオロチなんて話、聞かなかったから……このジパングのどこか、だよ」
ともき(以下、とも)「……もう判りきっているんだ、説明的なセリフはやめようぜ……ズバリ、この村の近所に洞窟があった!あそこしかないよ」
ほだ「いや、そりゃそうなんだけどさ、いきなり言っちゃつまんないじゃないか」
とも「そういう問題か」


 はいはいはいはい、とりあえずジパングで野菜と水を買い込んだ一行、船に届けてから洞窟に挑戦です!


まさ「オロチだかヒロキだか知らんが、この俺に挑むなど100年早いことを思い知らせてやる!」
ほだ「ここジパングにも勇者の名前を轟かせるのだ!」
ひで「きっと新しい武器がある!」
とも「フッ、レベルアップしたこの私の呪文でトドメを刺してくれる!」


 洞窟に入る前までは上記の通り強気だったんですが、洞窟に入った瞬間弱気になります(笑)。


まさ「あっつ~!サウナじゃねぇんだぞサウナじゃ!……あ~、冷たいビールをグイッといきて~」
ほだ「勇者の名前を轟かす前に、脱水症状で死んでは意味がない……」
ひで「ああ、今の武器のままでいいかも……」
とも「フッ、レベルアップしたこの私のリレミトでいつでも脱出させてやる!」


 なんかアホたれな発言に終始している一行。それでも、襲いかかる魔物にはきっちり立ち向かわないと思わぬケガをしてしまいますよ。


ほだ「ヒャド系いけ、ヒャド系!」
まさ「頼むからメラとかギラとかやめてくれ……」
ひで「鎧脱いだら大変なことになるよな……」
とも「よし、待ってろみんな!ヒャダルコぉぉぉ!」


 赤い顔のモンスターが出てきたんですが、ともきの魔法で凍らされて涼みの道具になり果てました(笑)。ひどい人たち。


ほだ「しかし、暑いとおもったら溶岩がバリバリじゃないか……」
まさ「ま、オロチも暑い思いしてんだから条件は五分と五分!」
ひで「ほんとかな?」


 階段を降り橋を渡ると、そこには巨大な竜の姿が!


ほだ「おい、誰だよオロチを『大蛇』とか言った奴は」
とも「お前だ」


まさ「ドラゴンじゃないか……」
ひで「ドラゴン……あいつを倒せば、ドラゴンスレイヤーの称号が?」
とも「貰えないよ」


 まぁ、ブツブツ文句を言っても仕方ないので、バトルです!回復魔法がベホイミまで進化しているので、とてもいい感じです。結果から言いますと、あんがい楽勝でした。そして、宝箱まで……


ほだ「これは当然僕が装備だな」
ひで「えっ、ずるいよ!」
ほだ「お前はゾンビキラー埋めただろ?」
ひで「ちぇっ……」


 なに喧嘩してるんだか!と、その間に死んだと思われていたオロチは隙を見て旅の扉へと身を投じました!逃げちゃいましたよ、追いかけなくちゃ!


とも「ちょっと待て、今回復してやるから」
まさ「ありがたい、終わったらすぐに後を追うぞ!」


 そして、オレンジ色の旅の扉を抜けると……そこは、なんと!

ほだ「ここは……ヒミコの宮殿!?」
ひで「なるほどね……そういうことか、ヒミコがオロチだったのか!」


 男が手当てをする間に、勇者たちはゆっくりとヒミコへと近づきます。ヒミコは体中傷だらけで血まみれ、衣服も所々裂けていまして肩で息をしています。と、ヒミコの声が勇者たちの頭に直接聞こえました!これはテレパシーです。ちなみにこれからしばらく会話が「」でなく()になりますが、これもテレパシーです。

ヒミコ「わらわの 本当の姿を
  見たものは そなたたちだけじゃ。

ほだ(フン、そうだろうよ……わざわざ倒しに出かけるような酔狂な連中は、僕たちを除いているはずがないもんな!)
まさ(しかしドラゴンとは恐れ入ったぜ……どうせ、神話のオロチの話を利用したってんだろ?どう見てもお前はバラモスの配下だ)

ヒミコ「だまって おとなしくしている
  かぎり そなたを 殺しはせぬ。
  それで よいな?

ひで(残念だね……そういうわけには行かないんだよ)
とも(なんたって俺たちは、バラモス討伐のために旅立った、アリアハンの勇者とその仲間だからな!バラモス配下の貴様を見逃すほど甘くはないんだ!)

ヒミコ「ほほほ そうかえ。
  ならば 生きては 帰さぬ!
  食い殺して くれるわ!


 ヒミコは手当てをしていた男を突き飛ばすと、正体を現しました!複数の頭部を持つドラゴン、ヤマタノオロチ!


ほだ「よし、行くぞ~!」
ひで「どおりゃ~っ!」


 なんか、バトルのたびに『結果から言うと……』ってな感じで済ませてますが、まぁ今回も結果から言うとラクショーでした。はい。魔法使いが賢者になってますから、攻撃力も増加しているわけです。いわば全員が肉弾戦要員となり果てたこのパーティー、かなり強いです(笑)。


まさ「フン、日頃から鍛錬していないからこういう結果になる。修行が足りんよ」
とも「甘く見たな?ん?今回はキッチリトドメ刺させてもらうぜ!」


 ともきの魔法弾がオロチの頭部を吹き飛ばしました……脳を破壊されては、さすがのモンスターと言えども蘇生は不可能です。


ほだ「見ろ、夜明けだ……」
ひで「いやー、いいことした後って清々しいなぁ!」


 一夜明けてジパングは大騒ぎです。まさか女王ヒミコがオロチだったとは!神殿の地下からは本物のヒミコと思われる白骨死体も見つかり、ここジパングを舞台にしたバラモスの陰謀が明らかになったのです!


ほだ「いけにえにされる女の子の恐怖と魂……そして、村人たちの不安と絶望。これらが欲しくてこんなことをしたんだろう」
ひで「テドンの村と同じか……バラモスめ!」



 それはともかく、ヒミコ=オロチを退治した勇者たちは一転大歓迎されました!そして、ヒミコが大事そうに隠し持っていた宝玉……そう、パープルオーブまで貰っちゃったのです!ツボの中にいたやよいさんも助かり、これで万事解決!といった所で今回はおしまい。さてさて、これからどうなりますやら。


 では、次のお話でお会いしましょう。
 世界がこのまま平和でありますように……









次回予告


 星降りの夜……祭りの日に、奇跡が起こると人は言う。タイジュの国に新たなるチャンピオンが誕生するとき、それは魔王バラモスにとっても格好のチャンスだった……



まさ「配合?孵化?なんだそりゃ」
???「なんじゃおぬし、そんなことも知らぬのか?不勉強じゃな」


???「お兄さんは、どなた?」
ほだ「いや、どなた……って……あの、ここ、どこ?」


???「おおひでかずよ、そなたの強さにはトロルキングもビックリじゃな!」
???「それ、言い過ぎ」
ひで「う~ん(汗)、なんなんだこのノリは」


???「どうしたゴレムス、僕が判らないのか!?」
とも「いかん、逃げろ!そいつは正気を失っているぞ!」



 人と魔物の共存、それは確かに理想なのかも知れない……しかし、幼い姉弟の瞳に涙を見たとき、勇者たちは魔王の影を切り裂きタイジュの国に平和を取り戻す。
 この世界から、希望の灯を消してはならないから……


 次回、ドラゴンクエストIII「テリーのワンダーランド」、ご期待ください!
 (内容及びサブタイトルは変更になる場合があります。ご了承ください)







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