第23話 ポルトガ王の頼み


 さぁ、ついに新天地ポルトガに到着した勇者たちです!長かったですね、この調子じゃ全100話、壮大なドラマになっちゃいます。なんとかスピードアップしたいものなんですが、どうもこのメンバー構成ではそれは無理みたいですね(笑)。


ほだか(以下、ほだ)「あっはっは、私がアリアハンの勇者だ!」
まさはる(以下、まさ)「あっはっは、そして俺が名参謀、武闘家のまさはるだ!」
ひでかず(以下、ひで)「なに妙にハイになってんだろ」
ともき(以下、とも)「さあね……新しい場所が珍しいんだろ」


 街の人はなんだか奇妙なものでも見るように、遠巻きに眺めて何やらヒソヒソと小声で話し合っています。どうも、好意的な様子ではないようで。


ほだ「なんだよなんだよ、随分引いてるなぁ……バラモスを倒すためにやってきた勇者ですよ〜」
とも「いい加減やめときなよ……それより、店に行こうぜ店」
ひで「そうだね、新しい武器でも欲しいなぁ」
ほだ「こないだイシスで『鉄の斧』買ったばかりじゃないか。もう新しいのが欲しいのか?」
まさ「ケッ、どうせ武闘家の武器なんか売ってないよ〜だ」

 お店やさんに向かう一行ですが……

*「こしょう ひとつぶは
  おうごん ひとつぶ。
  あんな ねだんの高いものは
  おいていませんよ。

ひで「胡椒?そんなもの、別に欲しくないよ」
まさ「テーブルコショーとかって、もの凄く高く売れるんじゃないか?」
ほだ「頼むから世界観を壊すようなこと言わないでくれよ……」


 と、そばにいた女の人がこう言います。

*「ああ 死ぬまでには いちど
  こしょう というものを
  たべてみとう ございます。

とも「胡椒か……仕入れてみたら儲かるかもね」
ひで「うん、これは思わぬビジネスチャンスの到来かもよ?……で、胡椒ってどこが産地なの?」
ほだ「知らない……」

 店を出てうろうろしていると、一人の戦士がこんなことを教えてくれました。

*「ここの王さまは こしょうが
  大すきだ。 はるか東の国では
  やすく 手にはいるそうだが……

まさ「なるほど、全てが一本の糸で繋がった。ノルドの洞窟、東、そしてポルトガ王」

*「こしょうのため だけに 東へ
  キケンな旅を するものも
  おるまい。

とも「そうなんだ、そこがポイントだ。もし東へ行けたとしても、それは王様の願いを叶えるために当然の交通手段だ……だから、別途にお願いを聞いて貰う、というのがいいだろうね」
ほだ「じゃあ、馬車なんてどうだ?仲間をいっぱい連れて歩けると便利な気がするぞ」
ひで「これ以上レギュラー増やしてどうするんだよ……」
まさ「とにかく、王さまに話を聞くのが一番だろう」

 奥へと歩いていくと、こじんまりとしたお城が建っています。


ほだ「なんか、ずいぶんとちっちゃい城だな」


 お城の中に入ると、やっぱりどこか質素な感じです。でも、もともと豪華だった調度を外して売り払った形跡があります。どうも、贅沢しすぎて国庫が尽き欠けている、といった感じです。

ほだ「王さま、私はアリアハンの勇者オルテガが一子、ほだかと申します」


 王さま、にんまりと笑いました。


まさ「全然話聞いてないや(笑)」
とも「いきなり商談開始みたいだな」


王「東に 旅立ち
  東方で 見聞したことを
  わしに ほうこくせよ。

ひで「それで、その報酬は?」

王「こしょうを もちかえったとき
  そなたらを 勇者とみとめ
  わしの 船を あたえよう!

ほだ「船か!僕、船酔いするんだよな……」

王「この手紙を 東への 洞くつに住む
  ノルドに 見せれば
  みちびいてくれるはずじゃ。

とも「これで東へのルートは確保したっていうことか。まぁ、順当と言えば順当かな」
ひで「よし、手紙も貰ったことだし、とっとと旅立とう!」
まさ「こらこら、前回の成功で気分がノッているのは判る。だが、急ぎすぎるのは良くないな……今少し、情報収集をするのだ!」


 というわけで、城内の人に話を聞いたところ……どうも、東を目指した人々はほぼ全滅、しかも東には野蛮人が住んでおり急がば回れ、ということだそうで。なんだかよく判りませんが、『東には職業を変えられる神殿がある』という有益な情報はしっかり手に入れましたよ。


ほだ「さてさて、いよいよ東への道しるべを手に入れた勇者たち!無事に東の地へとたどり着けるのでしょうか……といった所で、今回はおしまい。さてさて、これからどうなりますことやら……」
とも「勝手に終わらすな!」
ほだ「あれ?今回まだ続くの?」
ひで「ノルドの所まで行くの!」
まさ「……というわけで、ルーラしてくれルーラ」

 ともきのルーラでひとっとび!アッサラームへと逆戻りしました。


ほだ「もうベリーダンスは見ないぞ」
まさ「え〜、そりゃもったいないよ。せっかく戻ってきたのに」
とも「ほら、洞窟ってあそこだろ?とっとと行くぞ」
ほだ「せめて一泊しようよ……」
ひで「ほらほら、休むことなら東の街でもできるだろ?」


 洞窟の中は……掃除が行き届いています(笑)。どういうことでしょうか、ネズミやトカゲの姿さえありません。


ひで「あはは、きれいずきなんだ」
まさ「そういう問題か?」


 奥へとずずずいっと進んで行きますってぇと、妙ちきりんな小男が座っておりやした……って、なんで落語風になるんだ<著者<私。
 椅子に座っていたホビットは、ぷいと壁のほうを向いてしまい、手紙を受け取ろうとしません。

ほだ「仕方ない、お前読め」
ひで「えええっ?また僕?」
とも「お前の武器防具がいちばん金かかってるんだ、少しはガマンしてくれ」
ひで「仕方ないなぁ……」

 ひでかずはぶつくさいいながらも、手紙を広げて読み始めました。

ひで「えへん。……『親愛なるノルドよ……この手紙を持つ旅人を、バーンの抜け道へ案内してやってくれ。ポルトガの王より』、っと。どうです?聞こえました?」

 ノルドはがばっと振り向いて、手紙をひったくると目を皿のようにして文面を読みました。

ひで「はいはい、是非とも!」

*「ふむ! ほかならぬ
  ポルトガの 王さまのたのみ
  とあらば……

まさ「おお、効果あったぞ」
とも「友人の頼みだもんね〜」

*「さ ついてきなされ。


 ノルドは椅子から降りると、通路を来た方向に歩き出しました。


ほだ「ほんじゃま、行こうか」
ひで「はいはい」


 少し開けた空間に出ると、『ふむ!そこで待っていなされ!』とノルドは言い、突然壁に猛タックルを始めました!

まさ「おいおい(汗)」

 数回タックルを繰り返し、とうとう岩壁に穴があいてしまいました!


ほだ「ムチャするなぁ(汗)」

 当のノルドは……汗ひとつかいていませんね、涼しい顔でニヤリ、と笑います。

まさ「この人いたら、『魔法の玉』なんて必要なかったろうにね」
ひで「あ、それ言える」



 さあ、開いた抜け道を通って未知の大地へと向かった勇者たち。これから彼らを待ち受けている事件は、いったいどのようなものなのでしょうか?といった所で今回はおしまい。さてさて、これからどうなりますやら。



まさ「いよいよ次回からは『風雲編』だぁっ!」
とも「なんじゃそれ」



 では、次のお話でお会いしましょう。
 世界がこのまま平和でありますように……









次回予告


 夢を喰う、と言われる伝説の動物、バク。悪夢を喰うはずのバクが人々から「希望」という名の夢をむしり取り、絶望に沈む街へと勇者たちはやってきた……



ひで「バク?それって、架空の動物でしょ?」
???「我々も当初はそう思った……だから、西の城にも助けを求めなかったんだ」


???「久しぶりだな勇者よ……お前を殺せる日を、ずっと夢見てきたんだぜ?」
ほだ「夢を喰う貴様が夢見ていたとはね……だけどあいにくだったな、そんな日は永遠に来ない!」


とも「なんだか知らないが、この辺りでは魔法が使えない……頼むぜ」
まさ「ああ、任せておけって。肉弾戦は望むところだ」



 夢魔を倒した勇者たち。しかし、一度絶望に堕ちた人の心は、そう簡単には元に戻らない……虚ろな目をした人々に、バラモスはほくそ笑み勇者は悔恨の想いに沈む。


 次回、ドラゴンクエストIII「ナイトメア」、ご期待ください!
 (内容及びサブタイトルは変更になる場合があります。ご了承ください)







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