第22話 ヒント


 いよいよ魔法のカギを手に入れ、先に進む手だてが見つかった勇者たちです。が……なぜかその姿は、夜のアッサラームに……


まさはる(以下、まさ)「うはは、やっぱりベリーダンスは最高だ!」
ひでかず(以下、ひで)「お前そればっかりだな」
ともき(以下、とも)「今のうちから行動を記録しておけば、将来高く売れるかも……」


 イシスの扉を開けまくり、その結果何のヒントも得られなかった勇者たちはアッサラームの街にまで戻ってきていたのです。


ほだか(以下、ほだ)「さっきから気になってたんだけどさ……ステージ脇に、銀色の扉がある」
ひで「うん、あれは魔法のカギで開く扉……さっそく開けてみよう」


 ステージでは踊り子さんが踊っていますが……脇の扉を開けて奥に進む勇者たちです。奥には小部屋があり、女の人と男の人がいました。


まさ「支配人……かな?とりあえず話を聞いてみよう」
ひで「うん。もしもし、ちょっといいですか?」

ほだ「はぁ?いきなり何言ってんだ?」


 とつぜん『そんなわけで』と言われたって、わけわかめ(古キ表現)ですね。


とも「そこのお姉さんに聞いた方が良さそうだね」

*「なんでも 岩山に
  東の国へ 通じる 洞くつが
  あるって……。

まさ「岩山?どこの岩山だろう?」
ほだ「たしか、アッサラームの街のそばにあったはずだ。洞窟になんか関わり合いになりたくないから、避けていたけど」

*「その話を 聞いて
  あたしたちも 東に
  いこうとしたことが あるわ。

ひで「東か……確か、丸子とかいう冒険家が旅日記を出版してたよね、『東方見聞録』だっけ?」
とも「それなら読んだことがある……東には黄金の国、ジパングがあるってね!」
ほだ「え?僕が読んだのは格闘家の話だったよ。流派・東方不敗だったっけな……」
まさ「それはまた別の話だよ」

*「つぎは 東の国にも
  げきじょうを ひらこうって。

とも「ベリーダンスはここ独自の売り物にしたほうがいいと思うけどなぁ」
まさ「同感」

*「でも 洞くつは とちゅうで
  ふさがっていて ノルドという
  ホビットに 会えただけなの。

ひで「妖精族か……こりゃ、簡単には済まないぞきっと」
ほだ「また何か取ってくるとか、何か取り返すとかそういうクエストか……」
まさ「な、あのエルフの娘に頼んでなんとかしてもらうっていうのは、どうだ?」
ほだ「なんでそういう話になるんだよ……エルフとホビット、種族も違うんだぞ。お前こそ、イシスの女王様に推薦状とか何か書いて貰えよ」
まさ「ば、バカ、あれだけ大見得きって出てきたんだぞ?バラモスも倒さずに、どのツラさげて会いに行けるっていうんだよ!」


 なんだか紛糾してますが(笑)、一行は劇場を出て、まだ開けていない扉を探して夜の街を徘徊します。……って、一歩間違えば犯罪者ですね(笑)。


とも「おっ、あそこにも銀色の扉があるぞ、行ってみよう」

 一軒の家へと上がり込む勇者たち。全く、勇者という肩書きがなければ無茶な人ですよ(笑)。



 家のご主人は案外好意的に一行を迎えてくれました。心の広い人ですね。

*「東の国へ ゆくには
  ホビットだけが 知っているという
  ぬけ道を 通るしかない。

ほだ「やっぱり、例のノルドとかいうホビットを締め上げて聞き出すしかなさそうだな」
とも「それは悪役のセリフだよ(笑)」

*「しかし ホビットのノルドは
  とぼけているのか ぬけ道を
  教えてくれないのだ。

まさ「ううむ……黄金色のお菓子が必要なのかな?」
ひで「だから、いつから僕たちは悪徳商人になったんだよ!」

*「やはり ノルドの ともだちの
  ポルトガの王に たのむしか
  ないのであろうか……。

とも「ポルトガ?」
ほだ「初めて聞いたな、それ。どこにある国だ?」
まさ「恐らく、この「魔法のカギ」で行けるんだろうな」
ひで「こういう時は、西だ!」

 突然ひでかずが叫びました。


ほだ「なんだよ唐突に」
ひで「東に行くときは、まず西だよ!きっと西だ、間違いない。ヒントは誰もが思わないところに隠れているものなんだよ!それ、キメラの翼でロマリアにレッツゴー!」
まさ「こ、こら〜!ベリーダンスがぁぁぁ……」


 次の瞬間、勇者たちはロマリア半島に飛ばされていました。

ほだ「お前が張り切る気持ちはよっく判る。けどな、せめて宿に泊まらせてくれよ……」
ひで「いんや、せめて道を見つけない限り、今回は終わらせない!ここの所ちょっと短すぎだもの、読んでくれている人に失礼だよ」
まさ「はいはい、わ〜ったよ……そのかわり、何も見つからなかったら次回、お前のセリフなし」
とも「MPに余裕はある、か。俺はべつに構わないぜ」

 戦士ひでかずは鼻息も荒く、半島を北上していきます……すると、西にふたつのほこらが!


ほだ「あれっ、こんな所にほこらなんてあったかな?」
ひで「ほらほら、絶対これだ。向こうに渡るのに、カギが必要なんだぜ」


 街道から外れていたので、見落としていたみたいですね。さぁ、とっとと進みますよ……ほこらの中には警備の兵士がいます。


ひで「あっはっは、ドンピシャ!」
まさ「恐れ入りました……」


 扉を開け、しめっぽい地下通路を抜けて、いよいよ未知の大地へ!冒険ものらしくなってきましたね、非常にいい感じです!



ひで「うはははは、お城だお城!冴えてるな〜!」
まさ「ふん、俺だってそのうち……」


 いよいよポルトガらしき城を見つけました!あとは王様に、ホビットへなんとか取りなして貰えればこれでバッチリ!といった所で今回はおしまい。さてさて、これからどうなりますやら。


 では、次のお話でお会いしましょう。
 世界がこのまま平和でありますように……









次回予告


 天空に届けと建造されるバビロンの塔。人の力を誇示し、魔王を威嚇するためだけに作られているその塔に、果たしてルビスの加護は期待できるのだろうか……



???「それだけでなく、魔物たちに人類の力を見せつけてやるのです!」
とも「効果があるとは思えないけどな」


ほだ「この陣形は、魔力増幅!この塔の目的は一体?」
まさ「へへっ、邪悪な匂いがプンプンするぜ」


ひで「もったいないなぁ……」
ほだ「いや、ないほうがいいんだ、あんなもの……」



 塔の設計者の死、そして中断された建設。ただ虚しく残る廃墟は、人の力のはかなさを象徴しているのだろうか。吹きすさぶ風の中、悲しげに泣く塔の亡骸に人間の未来を重ねることだけは、してはならない。


 次回、ドラゴンクエストIII「The tower of Babylong」、ご期待ください!
 (内容及びサブタイトルは変更になる場合があります。ご了承ください)







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