第19話 イシスはどこだ(泣)


 魔法のカギを手に入れるため、ピラミッドのヒントを手に入れるために、イシスの街を探すことになった勇者たちです(変な日本語)。


ひでかず(以下、ひで)「ど〜こ〜だ〜……」


 夕方になったのに、砂漠をもう走破したはずなのに、街の影も形もありません。もう泣きそうです。


ほだか(以下、ほだ)「……もうベリーダンスは見飽きたぞ」
まさはる(以下、まさ)「俺は全然平気だけどね……話が先に進まないのは、どうにかしないと」
ともき(以下、とも)「とにかく、歩き回って探すしかないだろ?文句言わずに歩く、歩く!」


 しかし、アテもなく歩くというのは苦痛ですよね。一行、すっかりやる気なくしてますが……


とも「そうだ!」
まさ「どうした、何か気づいたのか?」
とも「ほこらにいたじいさん、ピラミッドの情報の他に何か、言おうとしてたぞ」
ほだ「それだっ!きっとそれだ、間違いない!」
ひで「でも……」

 おや、戦士ひでかずがなにか口ごもっていますよ。

まさ「でも、なんだね?」
ひで「僕たち、あのおじいさんの話を最後まで聞かないで飛び出しちゃったじゃない、あれってやっぱり印象悪かったと思うよ」
とも「そうだな……なら、何か手みやげを持っていくっていうのはどうだ?」
ほだ「おお、それナイスアイデア!ふくろの中に、何かあのじいさんが喜びそうなもの入ってないか?」


 あるわけないですね(笑)。総入れ歯安定剤とか湿布とか、そんなものは勇者の旅に無縁です。

ほだ「仕方ない、ここはいっちょうキッチリと謝ろう!……てなわけで、ひでかず、あとよろしく」
ひで「ええっ、なんだよそれ!僕に押しつけようっていうの?」
まさ「仕方ないだろう、お前が先頭なんだから。これ、パーティーのお約束だもんね」
とも「後で埋め合わせするからさ、頼む!」


 というわけで、再び砂漠の南端にあるほこらへと、一行はやってきました。


ひで「あのぅ……この間はすみませんでした……で、もし宜しかったら、この間のお話の続き、聞かせていただけませんか?」


 おじいさんはひとつ、大きくため息をつくとがっくりと肩を落としました。そして、『まぁ仕方ないか』といった感じで咳払いをしました。



ほだ「オアシスの近く?なんにもなかったけど」


 その時、ともきの頭の中で何かが甦ります。なんだったかな?

とも「そうだ、確かレーベの村で聞いた話だ……『あやしい場所があったら、遠くから見るだけでなくその場所まで行ってみることだ』って!あの草むら、あれが妖しい!」


 一行は、こんどはちゃんとお礼を言ってほこらを出ました。オアシスの前まで来ると、もう空は満天の星です。


まさ「どれどれ……ああっ、確かに入れる!ここに、なにかある!」


 そこには、探し求めていた街と城の姿が!ただ、どっちにしろもう夜ですから、城下町で一泊してからお城に向かうことになりそうです。


ほだ「しかし……こんなの、初めてプレイする人には判るのかねぇ?」
ひで「僕たちが特別ニブい、なんてことはないよね。それだけが心配なんだ」



 何の心配しているのやら(笑)。とにかく、夜の街を散策することはせず、とっとと宿屋で休んだ勇者一行でありました。明日はいよいよ登城であります!……といった所で今回はおしまい。さてさて、これからどうなりますやら。


 では、次のお話でお会いしましょう。
 世界がこのまま平和でありますように……









次回予告



 イシスの女王に謁見した勇者一行。武闘家は、王宮に懐かしい面影を見た……



とも「アリアハンの何倍も強い法力でも、高位の悪魔に対してはまるで効果なし。参ったね、どうすれば各地の街を守れるのか」
ひで「なぁ、お前もケガしてるじゃないか。薬草、つかうか?」
まさ「いや、いい」


まさ「……でも、綺麗になったよ」
???「ええ、人は私の美しさを褒め称える……けれど、一時の美しさなど何になりましょうか……」
まさ「ごめん、そういうつもりじゃなかったんだ……ただ、どろんこになって鼻をたらしていた昔と比べるとさ、どうもね……」
???「もう、兄さまの口の悪さは変わっていらっしゃいませんこと!」


ひで「でもさ、僕の鎧、最近壊れてきたんだよな……女王様の前に出るのに、ちょっと恥ずかしいよ」
ほだ「そうか……長旅で少しお金も貯まったことだし、城に向かう前に武器屋にでも寄ってみるか」



 かなわぬ想いかもしれないと薄々感じながら、それでもほのかな想いは胸の中に燃え上がる。黄金の爪の輝きは、二人の前途を照らしているものだと思いたい……それが二人の「若さ」だからだ!



 次回のドラゴンクエストIIIは、小説版でのお届けになります。


第20話記念スペシャル
「届け、この想い」
お楽しみに!








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