第18話 ファラオの呪い


 さて、一路ピラミッドを目指す勇者たちですが、毒の沼地横断をともきが拒んだために一旦ルーラでアッサラームに一泊し、明朝再び砂漠に入ってピラミッドを目指す、ということになりました。


ほだか(以下、ほだ)「うっは〜、風呂はいいなぁ」
ともき(以下、とも)「砂はイヤだね、髪の間にも入っちゃってるもん」

 なんかリラックスしてますが、明日はまた砂漠入りなんですよね。

まさはる(以下、まさ)「ほらほら見てくれよ、結構筋肉ついてきたぞ。やっぱり日頃の戦いがものを言うなぁ」
ひでかず(以下、ひで)「僕なんか、持ってきた肌着もうボロボロだよ。首回りなんかきつくて入らないし。レベルが上がると、もっとゴツくなりそうだよ」


 そう言えば、一行の体つきはたしかにがっちりしてきましたね……顔と性格はは相変わらずですが。いったいいつになったらシリアスな展開ができるのか、心配になっちゃいますね。

まさ「さて、さっぱりした所でベリーダンスでも……」
ほだ「またかい(笑)」
とも「いいんでないの?どうせヒマなんだしさ。明日はピラミッドだろ、干からびた死体がある所に行く前に、ぴちぴちとした肌を拝んでおくのは無駄じゃないと思うな」
ひで「そだね。行こ、行こ!」


 ミイラって言いなさい、ミイラって(笑)。しかし、ミイラって漢字で書くと「木乃伊」なんですよね。当て字?なんだかよく判りませんね。たいまつを「松明」と書くのと同じくらい意味不明です。


 翌朝、てくてくと砂漠を歩く一行の目前に、三角形をした石造りの建物が見えてきました。


とも「おおお、あれがピラミッドか!なんかこう、燃えてくるなぁ!」


 ピラミッドの中に足を踏み入れた一行ですが……


まさ「ちょっと待て」
ひで「なに?」

 ピラミッドの中はひんやりと涼しいですね。外気が遮断されていますし、分厚い石の壁が断熱効果を発揮しているようです。


まさ「ピラミッドと言えば王家の墓、きっと盗掘対策の罠が大量に仕掛けられているにちがいない!」
とも「ありそうな話だ」
まさ「そこで……右手を壁につけたまま歩け」
ほだ「なんだそりゃ」
まさ「いつか遊園地のミラーハウスで、そうやったら出られたぞ」
ひで「……遊園地とピラミッドは違うと思うけどな〜」


 そうですよねぇ(笑)。それでもまさはるが強硬に主張するので、では右手ではなく左手で、ということになりました。どっちでも大した違いはないのですが、ね。

 そうやって進んでいくと、宝箱がありました!

ひで「よっしゃ、お宝お宝!「はがねのつるぎ」が入ってないかな〜?」


まさ「だ〜っ、罠だ!」



 なんとか撃退はしたものの、もうボロボロです。薬草のストックも減ってきましたね……

ほだ「とっとと上に行こう、この階の宝箱はみんな罠だ。こんな低い階に、カギなんていう重要アイテムは置かないよ」
とも「ま、常識的に考えればそうか。階段を探そう、このへんの宝箱は後回しだ」


 さてさて、上の階に登り、さらに三階にまでやってきた勇者たちです。階段からまっすぐに伸びる広い通路、そしてその先にはなにか意味ありげな扉がありますよ?


ひで「はは〜ん、この先に『まほうのカギ』があるんだね!」


 その石の扉には鍵穴がありません。ですから、どこかにスイッチがあって、それを作動させればカギが手にはいるという塩梅でしょうね。

まさ「よし、この階を徹底的に探すぞ!」


 みんなで色々と探し回ったあげく、謎のスイッチが四つ、このフロアにあることが判りました。


ひで「とりあえず一個、押してみようかな」


 何の用意もなく、適当にやってしまうのがこのパーティーの悪いクセ。ボタンを押した瞬間、一行の足下の床がなくなりました!

ほだ「ひえー、落とし穴だ〜……」


 落ちた先で敵に襲われ、もうかなり嫌な気分になった一行は、這々の体でピラミッドから逃げ出しました。

まさ「全部でスイッチが四つあった。その組み合わせで開くとしたら、組み合わせは全部で……えっと、えっと……」
とも「6通りだよ。でも、最初で間違えただけでも落とし穴だ。ということは、最初に押すボタンまで限定されるわけだから組み合わせも12通り、こりゃ重労働だぜ」
ひで「……確実なヒントって、どこで貰えると思う?」
ほだ「……やっぱり、イシスとかいう街を探すほかなさそうだな。でも、砂漠歩いていて街はあったか?」
まさ「いいや」


 あらあら、この調子だと次回は「イシスを探す旅」になってしまいそうですね。


ほだ「とにかく、わざわざアッサラームに戻るのもしゃくだから、イシスの街を探そう」
ひで「そうだね」



 一行はとぼとぼとピラミッドに背を向けました。イシスの街はどこに?……といった所で今回はおしまい。さてさて、これからどうなりますやら。


 では、次のお話でお会いしましょう。
 世界がこのまま平和でありますように……









次回予告


 オアシスの村にたどり着いた勇者たち。しかし、泉が一夜にして枯れるという異常な出来事が村を襲う。照りつける太陽は人々から容赦なく水分を奪っていく。勇者たちは、村人と協力して井戸を掘ることになった。



まさ「お婆さん、これ飲みなよ」
???「そんな……これは、お前さんの分じゃろうが……」
まさ「俺は平気さ、若いんだもの!お婆さんにこそ、水は必要なんだ」
???「ああ、有り難や有り難や……」


とも「とりあえず、今日と明日の分の水は俺とほだかでルーラして運んだ。問題はそれからだ」
ほだ「僕たちはいつまでもここに留まるわけにはいかないんだ。だから、ここにいる間に井戸を掘る。泉が枯れたのがもし魔物のせいでも、そいつを探して砂漠を歩くよりはいいだろう」


ひで「やった!水が、戻った!」
???「しかし、どうしてじゃろう……突然泉が甦るとは……」



 村の地下で勇者が見たものは……地下水脈から泉へと通された一本のパイプと複雑な機械装置、そしてその動きを止めている魔物の姿だった。陰湿な魔物に怒り爆発の勇者は、あっさりと勝利しオアシスへ再び潤いを取り戻す。
 しかし、地下のカラクリはいったい、いつ、誰が、どのように作ったものなのか……


 次回、ドラゴンクエストIII「ルビスの泉」、ご期待ください!
 (内容及びサブタイトルは変更になる場合があります。ご了承ください)







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