第17話 砂漠の遭難者(ドリフターズ)


 さてさて、すごろくも終えていよいよ砂漠に入った勇者たち。この砂漠の南にはカギのヒントを知る老人が、そして砂漠のどこかにはイシスという国家がある、という情報を既に入手しています。目的は決まっているんですから、とっとと行きましょう!


ほだか(以下、ほだ)「う〜暑い〜……砂漠っちゅうのはこりゃもの凄いなぁ。鳥取砂丘とは比べ物にならんぞ」
ともき(以下、とも)「どこだよ(笑)」
ひでかず(以下、ひで)「さっきから変なカニばっかり出てくるんだもん、もう疲れちゃったよ」


 そうなんです。この砂漠に入ってから、もう幾度となく戦った緑色のカニと紫のイモムシ。呪文を唱えて守備力を上げるカニと炎を吐くイモムシに、みんな辟易しています。

まさはる(以下、まさ)「こんどあのカニが出てきたら、茹でて食ってやる!カニ鍋にしてやるぞ!」
とも「毒でも持ってたらどうするんだ?スベスベマンジュウガニだって毒持ってんだぞ」
まさ「大丈夫、ちゃ〜んと毒消し草も食べるから。ひょっとしたら、このアイデアで一儲けできるかも知れないんだぜ?」
ひで「やめといたほうが身のためだと思うけどな。変な寄生虫がいたらどうするんだよ」
まさ「変な寄生虫?」
ほだ「あっ、それ知ってる!カニの中に入り込んで、カニを思うがままに操っちゃうやつだろ!?」

 そういえばそんな気色の悪い生物もいましたっけね。中枢神経を操って、奴隷にしてしまうんです。乗っ取られたカニは死ぬまで寄生虫のために働く……なんだか可哀想な話です。


まさ「うえっ、そんなのいたらヤバいかな……」
ひで「まぁ、その寄生虫がまさはるよりも働いてくれるんなら全然問題ないけどね」
まさ「ひ、ひでぇ……」


 そんなヨタ話をしながら歩いていく一行。あたりが次第に暗くなった頃、砂漠の終点(?)が見えてきました。そして、そこには毒の沼地に囲まれたほこらが、ありましたよ。


とも「ちょっと待て。あそこか?あんな所に入らなきゃならんのか?」
ほだ「わざわざ来たんだ、ここで引き返すのもしゃくにさわるしなぁ」

 よく見ると、沼地は人一人分くらいの幅です……


とも「おお、なら俺はノーダメージ!」
まさ「どうしてだよ?」
とも「先頭がほこらに入ったとき、沼地にいるのは二番目だ。するとゲームのシステム上、三番目と四番目はダメージをうけずにほこらへと侵入できる」
ひで「なんてこった、じゃあ僕はみすみすダメージを受けるのか!」


 まぁ、戦士は体力ありますからね……盾になるのは宿命ってことで(笑)。

ほだ「ここで議論してても始まらないだろ、とっとと行ってとっとと済ませようぜ」


 毒の沼地を我慢して、ほこらに入った勇者たち。ほこらの中はこじんまりとした住居で、おじいさんがひとり椅子に座っておりました。


ひで「どうも、こんばんわ……」


ほだ「いいえ」
まさ「ば、バカ、何言ってんだ!」


*「ならば なにも いいますまい。


 おじいさんはちょっとすねちゃいました(笑)。慌てる一行です。


とも「あっ、いや、その、探してます探してます!是非とも教えてください!」


 おじいさん、ちらっと勇者のほうを睨みます。

まさ「ほら、お前もお願いしろよ」
ほだ「……あ、お願いしますお願いします、このとおり!」


 拝み倒すと、ようやくおじいさんは口を開きました。


まさ「おうっ、ピラミッド!さっそくレッツゴー!」



 勇者たちは、話も最後まで聞かずにほこらをあとにしてしまいました(笑)。おじいさんもあきれ顔。全く、人の話はちゃんと聞かないとダメですよねぇ。


(この画像は合成です)







 さてさて、ピラミッドと言えば古代の王様が眠る墓地。この人たち、いったいどんな風に攻略するんでしょうか?といった所で今回はおしまい。ちょっと短かったかな?それとも、これくらいの方が読みやすいでしょうか?いろいろと試行錯誤をしておりますので、これからもよろしくね……さてさて、これからどうなりますやら。


 では、次のお話でお会いしましょう。
 世界がこのまま平和でありますように……









次回予告


 砂漠に眠る古代の遺跡。超文明が遺したものは、それだけではなかった……謎の光を浴びてパワーアップする魔物に苦戦する勇者たち。その光は、かつて『女神の後光』として人々を守り慈しんだ愛の光……その聖なる力が暴走し、今勇者たちへと襲いかかる!



ひで「こいつ……斬っても斬ってもピンピンしてる……まるで手応えがない!?」
まさ「俺の拳が効かないなんて、そんなバカな!」


???「ふふ、ふふふふふ……これだ、ついに見つけた……この光、これさえあれば!」
とも「まずいな……先に魔物が入り込んでいたなんて……」


???「どうする勇者!?私を倒せば、この世界は破滅する!それでもこの守護たる私を倒し、この光を奪うか?」
ほだ「悪いが、僕は世界なんかどうなったっていい。だが、そいつがなければ下で苦戦している連中はみんな死ぬ……僕は、連中を死なせるわけにはいかないんだ!」



 ついに魔物たちを退け、『女神の後光』を取り戻した勇者たち。しかし、女神の守護者を倒したことによって、魔王バラモスの魔力が増大したことは確かだった……
 人々は不安を顔には出さず、ただ勇者たちの背中に期待を寄せる。にわかに曇った大空を再び晴らすことの出来る若者たちに、人々は希望の灯をみつけ心の中に燃やす。
 そう、「希望」まで消してはならないから……


 次回、ドラゴンクエストIII「世界のバランス」、ご期待ください!
 (内容及びサブタイトルは変更になる場合があります。ご了承ください)







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