第14話 アッサラームの夕べ


 ロマリアを出発して約半日、ようやく行く手に街が見えてきましたよ……しかし、日も暮れてきましたね……


ほだか(以下、ほだ)「あー疲れた。なんだいこの辺、デカい猿とか羽生えた猫とか、みょうちきりんなモンスターばかりじゃないか」
ひでかず(以下、ひで)「う〜、なんか砂っぽいなぁ。早く風呂に入りたいよ」
まさはる(以下、まさ)「みんな、盗賊のカギのことを覚えているか?」
ともき(以下、とも)「なんだい唐突に」


 無駄話をしている間に、もう夜になってしまいましたね……


まさ「盗賊のカギを手に入れれば、『あんなところやそんなところに入れてしまう』という情報があった……しかしだな、ちっともウハウハスポットはなかったんだ!何故だ!」
ほだ「坊やだからさ……」
ひで「ここは18禁サイトじゃないんだよ?無茶言うなって」
まさ「ふっふっふ……ここアッサラームは情熱の街!そう、俺が求めていた街がここだぁっ!」

 なんか1人で白熱していますが……一行は街に入ります。なんだか、音楽が聞こえますね。


とも「どこかでお祭りでもやってんのかな」
まさ「おおっ?踊り子じゃ、踊り子さんがいるぞ!」

 まさはるはすっ飛んで行きました(笑)。


まさ「ぱ、ぱふぱふ?」
とも「なにそれ」


まさ「……待てよ、古代書で読んだことがある。確か、おっぱいのあいだに顔をはさんでぱふ、ぱふ、ぱふと……」
ひで「うわ……」
とも「……あ、鼻血でてきた」
ほだ「おおお、そりゃすごい!」


 男だけのパーティーだと、ツッコミ役がいなくなるんですよね〜、こういう場合。


ひで「ぼ、僕が先頭だから、僕が……」
とも「下心はないのだが……後学のために俺が」
ほだ「勇者たるもの、何事も体験が肝心だと思う。もしかしたら、父オルテガの手がかりが……」
まさ「俺だ、俺がやる!」


 ほーら、ね。みんなボケちゃうと歯止めが効かなくなるんですよね(笑)。


まさ「コラほだか!お前浮気する気か?」
ほだ「だって、あの娘まだ体型子供だし……それに浮気って、別に婚約したわけでもないぞ」
まさ「ともき!お前だって、グラフィックが老人なんだぞ!もし心臓発作でも起きたらどうするんだ!」
とも「ええ、何それ。関係ないじゃん」
まさ「ひでかず、もしこれが敵の罠だった場合、素早さの低いお前では危険だ」
ひで「一理あるようなないような……」
まさ「そういうわけで、俺が行く!」


 勝手に決めちゃいましたね。

*「あら うれしい!
  じゃあ あたしに ついて来て!


まさ「はいは〜い!」

 ぞろぞろとついていくのはRPGの悲しいさだめ。一軒の家の前まで来ると、踊り子さんがくるりん、と振り向きました。

*「あら そんなに いっぺんに
  お相手 できないわよ。
  ひとりで ついて来て。
  いい?


まさ「はいは〜い!じゃあ君たち、罠だったら叫ぶからな、用意して待っていてくれたまえ!」
とも「ちぇ、判ったよ」
ひで「罠なわけないだろ?」
ほだ「ぼったくられても払ってやらんぞ。鉄の爪でも売って金作れよな」


 まさはるは、鼻の下を伸ばして踊り子さんについていきます。階段を登ったそこは、さほど大きくない部屋でした。窓には分厚いカーテンがかかっていて、外からは見えないようになっています。部屋の真ん中にはダブルベッド(!)があり、その他の家具はありません。なんだかいかがわしい雰囲気に、まさはる大期待しております。

*「ねえ ベッドに
  すわっててね。

まさ「は、はい!」

 声が裏返っています!

*「あかりを 消して
  暗くしても いい?

まさ「は、はい、ど〜ぞ!」


 部屋の灯りが消えました。真の暗闇、踊り子さんがどこにいるのか、自分の手がどこにあるのかさえ判りません。

まさ「ん?」

 さて、ここからは画像でお伝えしましょうか。その方が面白いですからね。




まさ「……わし?」



 部屋の灯りがつきました!そこにいたのはなんと!覆面をしたゴツい親父!部屋のすみで笑う踊り子さんの姿を見て、まさはる大ショック!「ぱふぱふ」という声は確かに踊り子さんの声だったのに!声をアテていたわけですね!

*「わっはっは。
  じゃあ わしは これで……。

まさ「さ、詐欺だ……」

*「どう?かたこりが
  なおった でしょう。
  また 来てねっ。

まさ「料金を取らないのが、また屈辱だ……」





ひで「面白かった?」
まさ「……あ、ああ!もう最高だったよ!肩こりだってバッチリ治ったし、あの踊り子さん着やせするタイプでさ、もうものすごくて……」
とも「あのさ、下から丸見えだったんだ」
まさ「は?」
とも「だから、お前がオッサンに頬ずりされてうっとりした顔してたの、丸見え」
まさ「どどどど、ど〜して?」
ひで「……窓が一つ、マジックミラーになってたんだ。表から丸見え。ま、僕たちくらいしか見てる人はいなかったけどね」

 まさはるが建物を見上げると……確かに四角い窓からベッドが丸見え。しかも、さっきの踊り子さんが手を振っています……


まさ「うお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」


 泣け、叫べまさはる!青春の熱い涙が枯れるまで……


ほだ「フッ、人のことを『ラブコメ男』呼ばわりした罰が当たった。これで奴は『ぱふぱふ男』だ」
とも「俺は賢者に転職する辺りが危険だな……ちょっと考えて行動しようっと」






 この人たち何やってるんでしょうかね(笑)。では、一泊してから情報収集に移ります!といった所で今回はおしまい。さてさて、これからどうなりますやら。


 では、次のお話でお会いしましょう。
 世界がこのまま平和でありますように……









次回予告


 蜃気楼の街……数百年前に滅んだはずの街に迷い込んだ勇者たち。人々は勇者たちの存在に気づくことなく生活を続け、その様子は古代の文献そのままだった。


ほだ「うわっ、ミ、ミ、ミ、ミイラだ〜っ!」
ひで「うわわわわっ、火、火だ!火ィつけちゃる!」


???「手を出すな……これは既に終わってしまったこと、観客はおとなしくすることだ」
とも「観客?終わってしまったこと?何なんだ、それは?」


まさ「ちくしょう、どうして攻撃がすり抜けちまうんだ?」
ほだ「声も聞こえていない、触れもしない……悲劇だけが判るなんて、そんなのはイヤだ!」



 気づいた時には、勇者たちは無人の遺跡にいた。かつてこの地を襲った災厄を、二度と繰り返させないことを誓い、打倒バラモスを再び叫ぶ勇者たち。そして、その想いに触れた魂たちが満天の星空へと昇華していく……

 次回、ドラゴンクエストIII「古代の叫び」、ご期待ください!
 (内容及びサブタイトルは変更になる場合があります。ご了承ください)







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