前号からのつづき


「みんなしずかにしろよ」
「しーっ、裁判長の話をきこうよ」
 みんなが、ふくろう裁判長を見つめています。
「みなさんにあつまってもらったのは、ほかでもありません。さくらんぼ事件のつづきをはじめるのです」
「思ったとおりだ」
 のら犬のわん公がつぶやきました。
「どうして、こんなところで、裁判のつづきをするのかということも、あとでわかってもらえるでしょう。お月さまからへんじをもらうといったのは、まり子のいっていることが真実だと思ったからです。その答えは、お月さまからではなくて、春がもってきてくれました…」
「やっぱり、ふくろうさん、頭がおかしくなったんだ」
 おおかみが、大きな声でいいました。
「しずかにしろよ。裁判長の話がきこえないじゃないか」
「だけど、春がもってくるなんて、おかしいよ」
「しーっ」
 ふくろう裁判長は、かまわずに話をつづけます。
「ほんとうに、春はいいしらせをもってきてくれました。さくらんぼをとった犯人は、いま、ここに、わたしがだいています…」
 もん吉じいさんんも、ブルドッグ検事も、はとのりべる弁護士も、ふくろう裁判長をじっと見つめました。
「さて、みなさんにお見せしましょう!」
 ふくろう裁判長は、両方のはねをぱっとひろげました。


つぎはいよいよ最終回です。

つづく