直線上に配置


BOOTLEG DIO - HOLY COLLECTION (3CDR)
Disc 1
1. Introduction
2. Stand Up And Shout
3. Straight Through The Heart
4. Shame On The Night
5. Children Of The Sea
6. Holy Diver
7. Drum Solo
8. Stargazer
9. Guitar Solo
10. Heaven And Hell
11. Rainbow In The Dark
12. Man On The Silver Mountain
13. Starstruck / Man On The Silver Mountain
Live At Civic Auditorium, San Jose, CA, USA 5th October 1983 (Pre-FM Broadcast Version)
Disc 2
1. Intro
2. Stand Up And Shout
3. Straight Through The Heart
4. Shame On The Night
5. Holy Diver
6. Rainbow In The Dark
7. Stargazer
8. Guitar Solo
9. Heaven And Hell
10. Man On The Silver Mountain
11. Starstruck / Man On The Silver Mountain
12. Evil Eyes
Live At Civic Auditorium, Santa Monica, CA, USA 7th October 1983
Disc 3
1. Stand Up And Shout
2. Straight Through The Heart
3. Children Of The Sea
4. Holy Diver
5. Rainbow In The Dark
6. Man On The Silver Mountain
7. Starstruck / Man On The Silver Mountain

8. Stand Up And Shout
9. Straight Through The Heart
10. Children Of The Sea
11. Rainbow In The Dark
12. Holy Diver
13. Stargazer
14. Guitar Solo
15. Heaven And Hell
16. Man On The Silver Mountain
17. Starstruck / Man On The Silver Mountain
Live At Civic Auditorium, San Jose, CA, USA 5th October 1983 (FM Broadcast Version)
Live At Monsters Of Rock Festival, Donington Park, Castle Donington, England 20th August 1983
【レビュー】
 POWER GATEレーベルからリリースされた作品です。


ディオ初期のライブ音源を集結した合計3時間20分に渡る決定版3枚組です。

ディスク1には83年10月5日のサン・ホセ公演をマスター・クオリティ・ヴァージョンで収録。
ディスク2には10月7日のサンタ・モニカ公演をラジオ番組「CAPTURED LIVE !」の原盤落しのテイクで収録。
ディスク3にはディスク1に収録されたサンホセ公演のキング・ビスケット音源のマスター・ヴァージョンを収録しています。更にラストには83年8月20日のモンスターズ・オブ・ロック公演を収録。

いずれのライブもヴィヴィアン・キャンベル在籍時の素晴らしい演奏を堪能させてくれます。

BOOTLEG DIO - R.J.D. 1983(2CD + Ltd Bonus CDR "First In Line")
  Disc 1
1. Intro.
2. Stand Up And Shout
3. Straight Through The Heart
4. Shame On The Night
5. Children Of The Sea
6. Holy Diver
7. Drums Solo
8. Stargazer
9. Heaven And Hell
10. Guitar Solo
11. Heaven And Hell (Reprise)
12. Rainbow In The Dark
13. Member Introduction
14. Man On The Silver Mountain
15. Starstruck/Man On The Silver Mountain (Reprise)
16. Don't Talk To Strangers
Live at De Montfort Hall, Leicester, UK 8th November 1983 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND
  Disc 2
1. Intro
2. Stand Up And Shout
3. Straight Through The Heart
4. Shame On The Night
5. Children Of The Sea
6. Holy Diver
7. Drums Solo
8. Stargazer
9. Heaven And Hell
10. Guitar Solo
11. Heaven And Hell (Reprise)
12. Rainbow In The Dark
13. Member Introduction
14. Man On The Silver Mountain
15. Starstruck/Man On The Silver Mountain (Reprise)
16. Evil Eyes
17. Don't Talk To Strangers
Live at Draken, Stockholm, Sweden 17th November 1983 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND
   1. One Night In The City
2. We Rock
3. Holy Diver
4. Stargazer
5. Heaven And Hell
6. Rainbow In The Dark
7. Man On The Silver Mountain
8. Starstruck
9. Man On The Silver Mountain(reprise)
10. Don't Talk to Stranger 
Live at Pinkpop Festival, Geleen, Netherlands 11th June 1984 STEREO SBD
【レビュー】
 LANGLEY DELUXEレーベルからリリースされた作品です。


 その苛烈なる決意により、ロニーはこの大博打に勝ちました。アルバム「HOLY DIVER」は好調なセールスを記録、現在まで至る“ヘヴィメタル史に残る名盤”との名声を勝ち取るだけでなく、ツアーでも全米を力づくでねじ伏せ、デビュー早々で「シーンを代表するバンド」のひとつとして認知を確かなものにしました。彼自身の想像をも超えた成功を得た……それがロニーにとっての「1983年」だったのです。
 実際、音を聴いても1983年のライヴは世界に打って出た男の気迫と不退転の決意がみなぎり、その歌声には各地で期待以上の反響を得た喜びと高揚に満ちています。翌年の「THE LAST IN LINE」以降もヘヴィ・メタルのパイオニアとして王者の風格を聴かせてくれますが、それは言わば勝利者の防衛戦。初録音から実に25年、上を見つめて登り続けた“挑戦者ロニー”の咆哮は、この「1983年」にとどめを刺すのです!

 そんな最強ツアーを記録したテープは数多くありますが、本作に収められた録音は「特別中の特別」。まず、ディスク1では1983年イギリスツアーの後半、11月8日に行われたレスターの“デ・モントフォート・ホール”におけるライヴが収録されています。この音源は8年ほど前にリリースされた「NIGHTMARE(Langley-207)」にボーナス収録されていましたが、ファンから「本編のサウンドボード音源よりも凄い」と絶賛された、同時代を代表するオーディエンス録音の大傑作。実際、録音から30年近く経ちますが、ツアーベストの座を守り通すばかりか、80年代全般で見渡しても大定番のオーディエンス録音として君臨し続けています。さらに、今回はマスター・テープの段階から全面的なリマスターを施し、大幅に狂っていた既発のピッチも正確にアジャスト。ファン待望の無敵仕様でプレスCD化を実現しました。
 ライヴ序盤の「Stand Up And Shout」から、ステージと会場の熱気すべてを包み込むように捉えられた録音は、まさに絶品。ほんのりとテープ由来のアナログな質感を湛えつつ、近年のデジタル録音のようにくっきりと演奏がそそり立つ音質は、オーディエンス録音のお手本のような素晴らしさです。ステージに近すぎず遠すぎず、理想的な距離感でバランスよく聴こえるギターとドラムの間から、突き抜けるように轟くロニーのヴォーカルには、誰もがひれ伏すことでしょう。「Straight Through The Heart」では重厚に、「Children Of The Sea」ではメロディアスに、ロニーの歌声は千変万化の表情をもって客席を魅了する中、白眉は「Shame On The Night」。決して代表曲として名を轟かせるタイプではないにも関わらず、歌の情念が全パートを引っ張り、無二の傑作にまで昇華させていく様は圧巻。どこまでも熱く熱く歌い込む強力無比なヴォーカリゼイションは「1983年」の魅力を凝縮した珠玉のパフォーマンスです! 残念ながら2005年の「HOLY DIVER LIVE」まで封印されてしまう曲ですが、確かにこんな凄まじい歌を毎晩何年も歌えるはずがない……などと、妙な納得すらしてしまうほどの絶唱です。
 さらにドラムソロから流れ込む「Stagerzer」の立体感、SABBATH時代をも上回るドラマ性で歌い上げる「Heaven And Hell」、RAINBOWとは一線を画する鋭く若々しいヴォーカルを聴かせる「Man On The Silver Mountain」など、ロニーが過去に在籍したバンドの定番曲も“1983年仕様”として新たな息吹きを授けられ、「HOLY DIVER」の名曲群と違和感なく溶け込んでいます。「Heaven And Hell」におけるヴィヴィアンのソロに一部欠落があるものの、ロニーのパフォーマンスをとことん楽しませる本音源はファンに至福のひと時を味わわせる、掛け値なしの70分間です!

 続くディスク2はレスター公演から9日後に行われた11月17日スウェーデン・ストックホルムでのショウを音盤化。1,050人キャパの会場に2,000人をつめ込んだという伝説も残る灼熱のライヴです。初登場となるオーディエンス・マスターは(一部の熱心なコレクターを除き)国内ではあまり知られていないものの、海外マニアの間において「放送音源ではないのか」「黄金のレスター83に唯一匹敵する」とも囁かれる破格のオーディエンス・ソース。今回は特別なルートからそのオリジナル・マスターの入手に成功、ディスク1のレスター公演同様にさらなる音質向上を目指して入念なトリートメントを施し、約75分の演奏をディスク1枚に目いっぱい盛り込みました。
 こちらはディスク1以上にテーパーがステージに近く、それぞれのメンバーより発せられる演奏はヘヴィ級のパワーを放ち、とにかく強烈なパンチ力で迫ってきます。エネルギッシュな「Stand Up And Shout」や「Straight Through The Heart」などは、PAの関係もあってややノイジーに感じる場面がなきにしもあらずですが、この押しの強さが「1983年」の凄味によく似合う。聴き手の間近で炸裂するような音像は、ロニーの揺るがぬ信念をそのまま音にしたような重みと説得力で語りかけてくるかのようです。
 もちろん目立つのはロニーやヴィヴィアンだけでなく、「Children Of The Sea」や「Holy Diver」「Heaven And Hell」ではジミー・ベインのベースラインも厚みのある低音で浮かび上がり、クロードのキーボードも絶妙な配分でミックスされています。これらを聴くと、耳の肥えた海外マニアの間でもライン音源と誤解されるのが納得できるというもの。「Rainbow In The Dark」は演奏が勢いあまってやや入力オーバー気味ですが、本来ポップな曲をまごう事なきヘヴィメタルに押し上げるロニーのパワフルな歌唱は、この音でいよいよ絶頂に達します(演奏後にオーディエンスが挙げる「ディオ!チャチャチャ!」のコールは、クリアで話し声に邪魔されないため、本当にライン音源のように聴こえます)。
 アンコールにおける「Evil Eye」もディスク2の聴き所。この曲のライヴといえばユトレヒト公演のサウンドボード録音が有名ですが、ド迫力に突っ走る本テイクの凄まじさも格別です。ラストの「Don't Talk To Strangers」までノンストップのテンションで突き進むライヴには、聴き手も思わず身体が疼いてしまうはず。終演後の会場にこだまする「ディオ!」コールは、そんな聴き手に優しく降りかかり、最高の余韻とともに熱くなった心をクールダウンさせながら、本作は終了します。

BOOTLEG DIO - CALIFORNIA TRILOGY 1983(3CD)
Disc 1
1. Introduction
2. Stand Up And Shout
3. Straight Through The Heart
4. Shame On the Night
5. Children Of The Sea
6. Holy Diver
7. Drum Solo
8. Stargazer
9. Guitar Solo
10. Heaven And Hell
11. Rainbow In The Dark
12. Man On The Silver Mountain
13. Starstruck/Man On The Silver Mountain(reprise)
Live at Civic Auditorium, San Jose, CA. USA 5th October 1983 STEREO SBD
Disc 2
1. Introduction
2. Stand Up And Shout
3. Straight Through The Night
4. Shame On The Night
5. Stargazer
6. Guitar Solo
7. Heaven And Hell(reprise)
8. Holy Diver
9. Rainbow In The Dark
10. Man On The Silver Mountain
11. Starstruck/Man On The Silver Mountain(reprise)

Bonus Tracks
12. Stand Up And Shout
13. Straight Through The Heart
14. Rainbow In The Dark
15. Man On The Silver Mountain
Live at Civic Center, Santa Monica, CA. USA 7th October 1983 STEREO SBD
Live at Rock Palace, Hollywood, CA. USA 4th January 1984 STEREO SBD
Disc 3
1. Introduction
2. Stand Up And Shout
3. Straight Through The Heart
4. Shame On The Night
5. Children Of The Sea
6. Holy Diver
7. Drum Solo
8. Rainbow In The Dark
9. Heaven And Hell
10. Guitar Solo
11. Heaven And Hell(reprise)
12. Don't Talk To Strangers
13. Man On The Silver Mountain
14. Starstruck/Man On The Silver Mountain(reprise)
Live at Selland Arena, Fresno, CA. USA 28th December 1983 STEREO SBD
【レビュー】
 Shadeレーベルからリリースされた作品です。


 「HOLY DIVER」はロニーの人生において、完全再現までされたただ1枚の名盤。その名作に伴うデビューツアーはリーダーバンドDIOのお披露目興行であり、守りの姿勢は一切ゼロ。行く先々で成功への野心をかけた、エネルギッシュで革新的な名演を残しました。さらに、売り出し中であるが故にラジオへの露出にも積極的で、良質な名録音の数々でも知られるツアーなのです。
 この'83年はオフィシャル化されたドニントンの“Monsters Of Rock”を筆頭として、「WE ROCK : COMPLETE THE CD」へ収録されたオランダ・ユトレヒトも特に有名ですが、本作では“その2公演以外”で知られているライン音源のすべてを1セットにパッケージしているのが大きな特徴です。しかも今回は、ありとあらゆる手段を講じ、全音源を今までどこにも存在しなかった“ベスト・オブ・ベスト”のバージョンへと昇華させました。Power Gaterレーベルより3年前にリリースされた「HOLY COLLECTION」が似たコンセプトでしたが、今回登場する音源はあの名作でさえ問題にならない決定盤へと進化しています! 奇しくもライヴ会場はすべてカリフォルニア州。本作は「HAMMERSMITH TRILOGY」に欠けていた'83年をフォローする“カリフォルニア・ライヴ三部作”なのです!

 ディスク1には'83年10月5日のサンノゼ“シビック・オーディトリアム”公演を収録しています。このライヴは前述「HOLY COLLECTION」においても、“短いFM放送版”そして“プレ放送の全長版”と、異なる2つのSBDソースが収録されていました。収録時間・音質に差がある両者は聴き比べには興味深かったものの、純粋に1枚のライヴ盤としては一長一短。そこで今回はエンターテイメントとしても最高なライヴ盤に結実すべく、前掲の2種類に加えて、さらに放送版と完全版の別マスターをもう1種ずつ用意しました。この計4種のマスターを1曲単位で優劣判定、質感の差を解消するリマスターを施した上で、ベストテイクだけをシームレスに繋げました。これにより、時間も最長・音質も最良の「真のベストバージョン」が実現したのです!
 繋いだとは言っても元の録音は同じ1つのライン音源ですから、聴感上は極めて自然。ライヴの冒頭から「編集の跡を見つけてやろう」と聴き込んでも、どこが繋ぎ目なのか判りません。「Stand Up And Shout」そして「Children Of The Sea」「Holy Diver」へと聴き進めて行くうち、“アラ探し”をするのも愚かしくなってしまうでしょう(作業をしたエンジニアでさえ、作業メモなしには最終マスターのつなぎ目を確認できなかったほどです)。ロニーの凄みに溢れたヴォーカルが情感豊かにライヴを盛り上げる「Rainbow In The Dark」やライヴを劇的に締めくくる「Man On The Silver Mountain」のメドレーまで、ディスクに収められた66分間は必聴パートの連続。聴き手に「知っているようで実は知らない」未知なる'83年10月5日・サンノゼ公演を体験させてくれます。

 続くディスク2のサンタモニカ“シビック・センター”公演のテイクは、ディスク1で用いられた手法がもっとも威力を発揮した音源です。この日の演奏も「HOLY COLLECTION」にも収録されていましたが、これは音質的に今ひとつで、「HOLY COLLECTION」がCD-R盤に甘んじることになった最大のウィークポイントでした。それに対して今回は前者と比べものにならないほど高音質のマスターを、RKO Radio Networkの2番組「Captured Live!」と「A Fantasy Concert」それぞれのバージョンで入手に成功! これをディスク1と同様の手法で(特に1曲内でも複数マスターのベストパートを)組み上げました。曲順もトランスクリプション・ディスクの順番通りに正され、「HOLY COLLECTION」に誤って収録されていた「Evil Eye」(12月4日ユトレヒトのテイクでした)も削除。非常に込み入った作業にはなりましたが、これにより10月7日のライヴも、過去になかった真の意味での最長・最良版となったのです。かつての「HOLY COLLECTION」と較べた時、その音質差たるや歴然。オープニングの「Stand Up And Shout」や「Straight Through The Night」から、目の覚めるような驚きを覚えるはず。特に中盤〜後半の「Holy Diver」「Rainbow In The Dark」は(放送局による豪快な繋ぎこそあるものの)圧倒的な聴き応えで、すべてのDIOファンに恍惚のひと時をもたらすのは必定です!
 さらにこのディスク2にはボーナスとして、1984年1月4日のハリウッド“ロック・パレス”での演奏より4曲を特別に収録しています。年こそまたいでいますが、これも「HOLY DIVER」ツアー末期のライヴ演奏です。この日はTV放送(放送日は1月14日)されたプロショット映像が知られていますが、ここに収められたテイクはTV素材を遥かに上回る極上ソース。よりクリアでエッジの立ったサウンドは「こんなテイクもあったのか!」とマニアをも唸らせる事でしょう。

 そしてディスク3は'83年も押し迫った12月28日のフレスノ“セランド・アリーナ”公演を収録。この音源も、Westwood Oneの「IN CONCERT」をはじめとした3種類のマスターから比較検討の上、最良と判断されたテイクをベースにリマスター・補修を行い、ディスク1・2に負けない現存の最長・最良を実現、本作のなかでも特に素晴らしい出来映えとなりました。
 既発には針パチや曲間でぶつ切り編集が癇に障るタイトルもありましたが、本作はそういった欠点は一切なし。どの既発音源と較べても「別格」といえる絶品のマスター・クオリティです! ディスク1のサンノゼやディスク2のサンタモニカすら上回る丁寧な録音と、なによりも公式感覚に則ったミックスは、ヘヴィネスとメロディが共存したDIOのライヴ・サウンドを楽しむ上で最適といえる内容です。
 ツアー慣れしてきたバンドは演奏面でも絶好調。冒頭の「Stand Up & Shout」からヴィニーのアソビも炸裂し、後ろをふり返って「今日はノッてるな!」と指さすロニーの笑顔が浮かんできそうです。「Children Of The Sea」や「Heaven And Hell」といったSABBATHナンバーや、「Man On The Silver Mountain」等のRAINBOWナンバー、さらに両者の良い部分を煮詰めたような「Don't Talk To Strangers」は、あの傑作「WE ROCK : COMPLETE THE CD」に収録された、同時期ライヴのユトレヒト公演以上といっても過言ではないでしょう!

 本作に収められた中でも、特に'83年10月のサンノゼ公演は今年初めに半公式盤としても登場しました。名前は挙げませんが、単に古いブートの音圧を上げ、しかも一部だけをブツ切りで繋げた悲惨な内容はファンの批判を一斉に浴びています。そんな状態でロニーの音楽を残すわけにはいきません。本作は「ロニー絶頂の姿を、現在可能な最高の形で残したい」という強い思いから、参考を含め十数種類ものマスターを駆使し、手間暇を惜しまず製作されました。
 いずれも長年ファンに愛され続けた名録音の数々なので、本作で聴けるテイクは熱心なマニアならばお馴染みの名演ばかり。演奏の隅々まで胸に刻んだ方もいらっしゃるでしょうが、ここに収められたクオリティは誰もが未体験のレベルです! 前述した半公式盤とはわけが違う、本作こそがコレクターズ・アイテム側の“回答”と言っても過言ではありません。あとはファンの皆さんが、本作に刻まれたロニーの偉業を後世へと伝えてください! オーディエンス録音の金字塔「R.J.D. 1983」と並ぶ'83年「HOLY DIVER」ツアーの最高峰が、ピクチャーレーベル・完全限定プレスCD3枚組の豪華仕様で、今ここに堂々の完成です。

BOOTLEG DIO - WE ROCK(3CD)
Disc 1
1. Intro.
2. Stand Up And Shout
3. Straight Through The Heart
4. Shame On The Night
5. Children Of The Sea
6. Holy Diver
7. Drum Solo
8. Stargazer
9. Heaven And Hell
10. Guitar Solo
11. Heaven And Hell (reprise)/The Last In Line
12. Rainbow In The Dark
13. Man On The Silver Mountain
14. Starstruck/Man On The Silver Mountain
Live at Muziekcentrum Vredenburg, Utrecht, The Netherlands 4th December 1983 STEREO SBD(Upgrade)
Disc 2
1. Evil Eyes
2. Don't Talk To Strangers

Live at Spectrum, Philadelphia, Pennsylvania, USA 25th August 1984
3. Intro.
4. Stand Up And Shout
5. One Night In The City
6. Don't Talk To Strangers
7. Mystery
8. Egypt (The Chains Are On)
9. Holy Diver
10. Drums Solo
11. Heaven And Hell incl. Guitar Solo
12. The Last In Line
13. Heaven And Hell (reprise)
Live at Spectrum, Philadelphia, Pennsylvania, USA 25th August 1984 STEREO SBD(Upgrade)
Disc 3
1. Rainbow In The Dark
2. Man On The Silver Mountain
3. Long Live Rock'n'Roll
4. Man On The Silver Mountain (reprise)
5. The Mob Rules
6. We Rock

From "Rainbow In The Dark" 12" Single
7. Evil Eyes(Alternate Version)
【レビュー】
 IMPORT TITLEによる海外からのレーベルからリリースされた作品です。


 DIO絶頂期のDVD「WE ROCK」の完全版CDが海外から緊急輸入!勿論、音声のみのCDですが、名実ともにオフィシャルサウンドで黄金期のステージ2公演分を完全収録した究極のライヴ盤です!
 DIOのオリジナル・ラインナップ、そして絶頂期でもあるヴィヴィアン・キャンベル在籍時には、「HOLY DIVER」ツアーの'83年12月4日のオランダ・ユトレヒト公演「輪廻転生」と、「LAST IN LINE」ツアーのハイライトになった'84年8月25日のペンシルヴェニア州フィラデルフィア・スペクトラム公演「衝撃のスペクトラム・ライヴ」がオフィシャル・ライヴビデオとして発売されました。しかしこれらのタイトルは当日の完全収録ではなく、例えば'83年の「輪廻転生」では「Stargazer」や「Man On The Silver Mountain」といったRAINBOWナンバーなどが、'84年の「衝撃のスペクトラム・ライヴ」でも「One Night In The City」や「Holy Diver」などが未収録でした。またこの2本をカップリングして2005年にリリースされた公式DVD「WE ROCK」は、どういう訳かさらに'83年オランダの「Heaven And Hell」と'84年スペクトラム公演のオープニングである「Stand Up And SHout」までがカットされ、「全てを観たい・聴きたい」というファンの欲求を満たすどころか、それに逆行する形になっていました。今回登場する本作は、この「聴きたいけど聴けなかった」楽曲も全て収録したコンプリート盤で、絶品の演奏をハイクオリティなサウンドボード音源で余すところなくパッケージ化!真の「WE ROCK」が登場したのです!

 CD1とCD2のトラック2までは、'83年12月4日の演奏を収めた「輪廻転生」の完全版(82分収録)です。この日の全長版サウンドボード音源は以前にも「NIGHTMARE」(LANGLEY-207)として登場しており、長らく'83年ツアーを代表する貴重な音源の一つとしてファンに愛されてきました。しかし、このタイトルは音がこもり気味だった上に「Evil Eye」の中盤でマスターテープの歪みに由来する音質の劣化が見られるなど、画竜点睛を欠いていたのもまた事実です。今回本作の元となった音源はこの「NIGHTMARE」よりもさらに上位の別マテリアルで、海外で新たに発掘されたマスターをフルリマスターの上で使用しています。前述した音の曇りは最初から無かったかのようにクリアで、あらゆる汚れを拭き落とした楽音は文字通りギラギラとした閃光すら思わせます。さらにペタペタとしていた低音などのウィークポイントは完全に克服され、ワイドに広がる音の見通し・ヘヴィでファットな低音など、音質の違いは聴いた瞬間に明らかです。より磨きが掛けられたステレオ感や演奏のセパレートは、満点のダイレクト感で聴き手をノックアウトするでしょう(特にジミー・ベインのベースがありありと浮かぶサウンドには誰もが驚くはずです)!もちろん「Evil Eye」における音質劣化など存在せず、一切のストレスを感じずにライヴを聴き通すことができます。
 ショウの全編を貫いて、ステージが繰り出す最高の気迫とオーディエンスの熱意溢れる盛り上がりが応酬したライヴは、極上のサウンドボードという素材を得て、28年を経た現在でもオンリーワンの魅力を放出し続けています!オープニングの「Stand Up And Shout」そして「Straight Thurough The Heart」から、魂を揺さぶるようなロニーの熱唱が、若きヴィヴィアンのマシンガンプレイが、聴き手をひたすら圧倒します。もちろんバンドの屋台骨を支えるヴィニー・アピスとジミー・ベインのリズムセクション、そしてクロード・シュネルのキーボードも、それぞれ必要欠くべからざるパーツとなって、DIOという巨大なロックマシーンを駆動させています。
 近い時期としては、ドニントンのMONSTERS OF ROCKの模様が先日オフィシャルライヴ盤としてリリースされましたが、出演時間・放送時間の関係で短縮されていました。しかし、ここではレアな「Shame On The Night」を含む約90分のフルスケール。アルバム「HOLY DIVER」の楽曲を中心にしつつも、要所をRAINBOWやBLACK SABBATHの名曲が彩り、ファーストツアーにして既にバンドの魅力を表しきった魅惑のセットリストを実現しています。RAINBOWの「Stargazer」とBLACK SABBATHの「Heaven And Hell」が相次いで取り上げられるライヴ中盤をこのサウンドで聴いて、悶絶しないロックファンなどいないでしょう!DVDの「WE ROCK」では楽しめなかった「Man On The SIlver Mountain」と「Starstruck」のメドレーは、ロニーの熟練の技とヴィヴィアンの若い感性が織り成す最高のテイクで、ライヴ本編を劇的に締めくくります。
 CD2の冒頭はこの日のアンコール部分を収録しています。「キャッスル・ドニントンで初めて演奏した曲だ」というロニーのMCでスタートする「Evil Eye」は、ヴィヴィアンのプレイが身上とする切れ味と小気味良さ、そしてロニーのパワフルな歌唱がしっかりとかみ合い、もう一曲のアンコール「Don't Talk To Strangers」の劇的さと共に、ライヴの余韻を一層引き立てて感じさせます。

 そしてCD2のトラック3からCD3にかけては、「衝撃のスペクトラム・ライヴ」となった'84年8月25日にフィラデルフィア・スペクトラム公演をコンプリート!煌びやかで透明感あるサウンドは言葉すら忘れるほどで、サウンドにはユトレヒト公演以上にオフィシャル感覚があふれています。きちんとミックスされた各パート・素晴らしいステレオ感で彩られた音像は、演奏される名曲群の格式にふさわしい極上音質です。
 デビューから丸一年を経たDIOは、その演奏はもちろんバンドの存在感もピークに達しており、オープニングイントロを聴いただけでも観客がDIOに寄せる期待の高さを感じられるでしょう。限界まで張り詰めた緊張が弾けてスタートする「Stand Up And Shout」は圧巻の一言です!この曲ではロニーが一部で歌い回しを誤っているのですが、強烈なエネルギーと勢いはそのミスすら「もう一つのヴァージョン」と感じさせる説得力を感じさせます。 公式DVDで同曲が削られた理由はこのミスが原因かも知れませんが、ファンならばこういう「この時限り」のテイクにこそ旨みを覚えると言うものでしょう。同じくDVDでは未収録だった「One Night In The City」や「Holy Diver」と共に、ライヴ前半から大きな聴き所の連続です!DIOが得意とする大規模なメドレーはこの'84年ツアーから本格化します。「Egypt」から間髪いれずにスタートする「Holy Diver」、ギターソロと「The Last In Line」をインクルードした「Heaven And Hell」は、その構成とライヴでの再現力など、いずれをとってもバンドがデビュー以来成長を続けてきた事を物語っています。
 CD3はフィラデルフィア公演の後半部分、ドラマティックな「Rainbow In The Dark」からスタートします。やはりDVD未収録だった「Man On The Silver Mountain」と「Long Live Rock'N'Roll」の2曲は、「これを聴かないとDIOという気がしない」ファンも多いでしょう(オランダ公演でもRAINBOWナンバーが全てカットされていた事を考えると、契約上の問題が存在していた事を伺わせます)。この'84年ツアーのアンコールは「The Mob Rules」と「We Rock」の黄金コンビです! 怒涛の勢いで繰り広げられるDIO流スピードロックは、聴き手に息つくヒマも許しません。終わってみれば90分弱のライヴがほんの一瞬にすら感じる事でしょう!
 またCD3のラストには、12インチシングル「Rainbow In The Dark」にカップリングされていた「Evil Eye」の別バージョンが追加収録されています。「MONSTERS OF ROCK 1983」(Shades-240)でも聴けましたが、ファン待望のプレスCD化と言えるのではないでしょうか。「あの曲が遂にキチンとした形になった!」と歓喜の声を挙げるマニアもきっと多いことでしょう。

BOOTLEG DIO/WHITESNAKE - DEFINITIVE SPOKANE 1984 (2CD)
  Disc 1(64:32)

DIO
1. We Rock
2. Mystery
3. Heaven And Hell
4. Guitar Solo
5. The Last In Line
6. Heaven And Hell (Reprise)
7. Eat Your Heart Out
8. Stand Up And Shout
9. Holy Diver
10. Drum Solo
11. The Mob Rules
12. Don't Talk To Strangers
13. Rainbow In The Dark
14. Man On The Silver Mountain
15. Long Live Rock 'N' Roll
16. Man On The Silver Mountain (Reprise)
17. Budweiser Jingle (Rainbow In The Dark with new lyrics)
Live at Spokane Coliseum, Spokane, WA. USA 24th July 1984 STEREO SBD(UPGRADE) 
   Disc 2(67:39)

WHITESNAKE
1. Intro.
2. Gambler
3. Guilty Of Love
4. Love Ain't No Stranger
5. Walking In The Shadow Of The Blues
6. Slow An' Easy
7. Guitar Intro
8. Crying In The Rain (Incl. Guitar Solo)
9. Soldier Of Fortune
10. Ready An' Willing

DIO
11. King Of Rock And Roll
12. Like The Beat Of A Heart
13. Don't Talk To Strangers
14. Ronnie James Dio Interview
15. The Last In Line
16. Holy Diver / The Last In Line (Reprise)
Live at Spokane Coliseum, Spokane, WA. USA 24th July 1984 STEREO SBD(UPGRADE)
Lakefront Arena, New Orleans, LA. USA 1st October 1985 STEREO SBD(UPGRADE
レビュー】
 Zodiacレーベルからリリースされた作品です。



 このショウはWHITESNAKEとDIOそれぞれでFM放送され、古くから大定番として知られてきました。Power Gate盤は放送原盤等を駆使し、その最高峰を極めた伝説のタイトル。その素晴らしさ故に双方のファンから愛され、完売・廃盤。長らく市場から姿を消していました。本作は、その伝説盤を最新リマスターで磨き上げ、さらに最新研究で判明した“欠点”も修正した決定盤なのです。それでは、その内容を詳しく見ていきましょう。

【ディスク1:DIO編】
 まず登場するのは、メインアクトだったDIO。このときの彼らは、代表作『THE LAST IN LINE』をリリースしたばかり。まずはウォームアップ代わりにオランダの“Pinkpop Festival”に出演し、その後WHITESNAKEとのカップリングツアーを開始しました。本作のスポケーン公演は、“THE LAST IN LINE TOUR”全体で見ても7公演目という極初期のショウなのです。
 そんな本作は、当店秘蔵の放送原盤からダイレクトにCD化したもの。この原盤はミントクオリティの極上品で、まさに究極。今回、最新リマスターで磨き上げていますが、そのメインは「徹底的なノイズ除去」。もちろんアップグレードしてはいるのですが、音質自体にはあまり違いを感じないかも知れません。しかし、内容は違う。オリジナル・リリース盤では放送原盤を正確にデジタル化しており、「Shame On The Night」「Children Of The Sea」も収録していました。ところが、その後マニアの研究でこれがフェイクと判明。実は「1983年7月28日フレズノ公演」のテイクを放送局がシレッと混ぜていたのです。もちろん、フレズノ公演は別に長尺盤もありますので、本作では除去。スポケーン公演“だけ”に集中できるライヴアルバムに仕上げました。
 そして、そのショウがどこまでも素晴らしい。実際、このスポケーン公演は“THE LAST IN LINE TOUR”最高峰の1つ。『THE LAST IN LINE』のデラックス・エディションではPinkpop Festivalのサウンドボードが公式化されましたが、質・量共にあんなものとは比較にもならない。マニア筋から「なんでスポケーンにしない?」「ウェンディは全然分かってない」「スポケーンは単体で出すんじゃないか!?」等々、議論にもなったほどです。しかし、ご存じの通り、現在に至るまでスポケーンの完全公式化は噂にも上っていません……。さらに、ショウの中身も聴きどころもたっぷり。何よりも新鮮なのは、「We Rock」によるオープニング。『THE LAST IN LINE』の1曲目ではありますが、ポールポジションを務めたのはツアー序盤だけで、すぐに「Stand Up And Shout」に代わるのです。DIO全史でも珍しい……と言いますか、サウンドボードではコレ1本しかない貴重なシーンです。もう1つ貴重なのが「Eat Your Heart Out」。これまたツアー序盤だけのナンバーで、後年に復活することもなかった。まさに本作だけの超貴重テイクなのです。
 さらにライヴが終わってからもお楽しみがもう1曲。バドワイザー社のラジオCMが収録されています。実はコレ、DIOの「Rainbow In The Dark」の替え歌なのです。放送原盤はCMも収録されていることが多く、そのレコードを地方局がかける。これも同じ原盤から復刻した“お宝”なのです。

【ディスク2:WHITESNAKE編+DIOのボーナス】
 代わってのディスク2は、サポートアクトだったWHITESNAKE編。カヴァデール/サイクス/コージー/マーレイという「4人編成」時代の極上サウンドボードです。これまた古くから大定番で、ROCK IN RIOのラジオ放送版『ROCK IN RIO '85(Langley-299)』と共に「サイクス時代のベストサウンド」と愛されてきた名録音。もちろん、ディスク1のDIO編と同様にベストマスター&最新リマスターで最高峰サウンドを実現しています。
 前座だけに短いステージですが、これでフル。そもそも「4人編成」になってからの彼らはほとんどがサポート公演でして、フルスケールのショウ自体が日本公演と“ROCK IN RIO '85”しかありません。その短い中に、一大全盛のDIOさえも霞む凄まじいパッションが濃縮されているのです。
 実際、本作はDIOとWHITESNAKEだからこそ、その凄味が何倍にもなる。元DEEP PURPLEのデヴィッド・カヴァデール、元RAINBOWのロニー・ジェイムズ・ディオ。いずれも傑出した情念のシンガーというだけでなく、リッチー・ブラックモアに見出された者同士。そして、その古巣を超えてやるという情熱に燃える者同士だった。本作は、その両者の頂点がしのぎを削る。彼ら2人は互いの歌唱力も称え合う仲で、両バンドにはいがみ合いはなかった(ロニーとコージーにはあったかもしれませんね)ようですが、全力の歌いっぷりに健全なライバル心はムキ出しなのです。さらにギターも好敵手。ヴィヴィアン・キャンベルもジョン・サイクスも、ゲイリー・ムーアを師と仰ぐ者同士。まさか、その後ヴィヴがWHITESNAKE入りするとは思わなかったでしょうが、新時代のヒーローとして野心を滾らせるパッションが一層鮮やかに火花を散らしているのです。
 さらに、ディスク2には美味しいボーナス。DIOの「1985年10月1日ニューオーリンズ公演」の放送音源5曲+インタビューも収録しています。ヴィヴィアン時代の“SACRED HEART TOUR”サウンドボードはえらく貴重でして、日本公演の『SUPER ROCK'85 IN JAPAN』、サンディエゴ公演の『INTERMISSION』と本作くらいしか見つかっていません。しかも、『SUPER ROCK'85 IN JAPAN』はツアー初演で調子が今ひとつで、『INTERMISSION』はクレイグのオーバーダブがあって純然たるヴィヴィアン時代ではない。わずか5曲ではあっても“秘宝”となる極上サウンドボードなのです。また、この5曲はリマスターによる向上も目覚ましい。グッと鮮やかになっており、もともと鉄壁だったスポケーンよりも効果が実感して頂けるでしょう。

BOOTLEG DIO - HAMMERSMITH TRILOGY(3CD)
Disc 1
1. Stand Up And Shout
2. One Night In The City
3. Don't Talk To Strangers
4. Mystery
5. Egypt (The Chains Are On)
6. Holy Diver
7. Heaven And Hell
8. The Last In Line
9. Rainbow In The Dark
10. Man On The Silver Mountain
11. Long Live Rock 'N' Roll
12. We Rock
Live at Hammersmith Odeon, London, England 5th October 1984 STEREO SBD(Upgrade)
Disc 2
1. DJ Intro
2. King Of Rock And Roll
3. Like The Beat Of A Heart
4. Hungry For Heaven
5. The Last In Line
6. Holy Diver/The Last In Line (reprise)
7. Sacred Heart/The Last In Line (reprise)
8. Rock 'n’Roll Children
9. Long Live Rock 'n’Roll
10. Man On The Silver Mountain
11. Rainbow In The Dark
12. DJ Outro
Live at Hammersmith Odeon, London, UK 13th May 1986 STEREO SBD(Upgrade)
Disc 3
1. Stand Up And Shout
2. Dream Evil
3. Neon Knights
4. Naked In The Rain
5. Last In Line incl. Temple Of The King
6. Holy Diver
7. Heaven And Hell
8. All The Fools Sailed Away
9. Rock 'n' Roll Children
10. Long Live Rock 'n' Roll
11. Rock 'n' Roll Children
12. Rainbow In The Dark
13. We Rock
14. Don't Talk To Strangers

Live at Hammersmith Odeon, London, UK 5th December 1987 STEREO SBD(Upgrade)
【レビュー】
 Shadeレーベルからリリースされた作品です。


 ディスク1に収録されたのはヴィヴィアン・キャンベル在籍時、’84年10月5日のショウです。この日の演奏の模様は以前、ゲイリー・ムーアとのカップリング盤「BBC TREASURES」をはじめ、「MAXIMUM EVIL」「THE GREAT EVIL KINGDOM」など、いろいろなタイトルがリリースされてきましたが、今回の新発掘マスターはひと味違います。今までは「Heaven And Hell」イントロや後半、「Rainbow In The Dark」など、盤によって様々な箇所に欠けや音飛び、テープの歪みがありましたが、今回はこれらの欠点がすべて解消されているマスターなのです! 黄金期の代表名演を完全なる姿で聴くことができる、プレスCDタイトルにふさわしい品質と格式を兼ね備えての登場となります。
 音質の違いは既発と聴き比べれば一目瞭然で、ロニーのパワフルなヴォーカル・ヴィヴィアンの鋭く研ぎ澄まされたギタープレイなど、バンドメンバー個々の演奏はよりクリアに捉えられ、彼らの細やかなプレイの一つひとつをすくい取るように楽しめます。また豊穣になったサウンドは公式級のクオリティで、迫力ある音空間を聴き手の目の前に構築する事でしょう。
 「Stand Up And Shout」からスタートする曲目は’84年の平均的なセットリストながら、前述したような”伝統と格式ある会場での緊張感”は「WE ROCK COMPLETE THE CD」のフィラデルフィア公演と同じく、ライヴの密度を濃厚なものとしており、誰もが真剣勝負に立ち会っているような、痺れるくらいの手応え聴き応えを感じるでしょう!
 「Egypt(The Chains Are On)」から「Holy Diver」を経て「Heaven And Hell」・「The Last In Line」に至る一連のメドレーは圧巻の一言で、特にヴィヴィアンのギターが時に官能的に、時に狂おしく叫ぶソロパートは必聴です。
 ライヴの後半、「The Last In Line」や「Rainbow In The Dark」において、ロニーの威厳あふれる歌に率いられて熱演するバンドの一糸乱れぬ姿には、ただただ圧倒されるばかりです(ヴィニー・アピスの炸裂するようなドラミングは壮絶!)。ラストの「We Rock」まで息つく暇も無く叩き込まれるDIOライヴの凄みに、聴き手は悶絶すること間違いありません! 

 ディスク2ではギターがクレイグ・ゴールディに交代した直後の「SACRED HEART」ツアーから、’86年5月13日のショウを収録しています。このライヴ音源は少し前にネット上でも流通していましたが、本作に収められた音源はオリジナル・マスターからダイレクトコピーしたマテリアルを元にしています。圧縮を通したネット音源とは一線を画する過去最良のテイクで、当時のDIOだからこそ可能な最上のエンターテイメントをお楽しみいただけます。
 '85年から'86年にかけての「SACRED HEART」ツアーは、DIOのキャリア中でも最大級の規模でツアーが行われ、この時のハマ−スミス公演は’86年イギリスツアーのハイライトというだけでなく、DIOとしてのピークとも言える”檜舞台”となりました。本音源は3連続公演の二日目で、ホールを埋め尽くした3,000人のオーディエンスを相手に、バンドの白熱した演奏を満喫できます。
 壁を一枚も二枚も取り除いたようなクリアさと、明確でしっかりとした演奏の輪郭はマスターダイレクトならではの強みで、オープニングの「King Of Rock 'n' Roll」から、聴き手は絶頂期のDIOを間近に感じながら演奏を聴き込めます。オープニングから引き続き「Like The Beat Of A Heart」・「Hungry For Heaven」と繰り出される新曲はどれもDIOらしい勢いと説得力と感じさせ、このツアーならではの聴き所となっています。’84年とは構成が変わった「The Last In Line」メドレーは、約10分の「Sacred Heart」をインクルードし、ロニーがRAINBOW以来追求してきたファンタジック路線の集大成となっています。
 このハマ−スミス3連続公演は、’86年ツアーを開始して1ヶ月ほどが経過した辺りで、クレイグも場数を踏んでバンドとステージに馴染んでいるのが伺えます。彼のギターには溌剌とした若さとエネルギーが満ちており、前任のヴィヴィアンに引けを取らないプレイを随所で披露しています。「Rock 'n' Roll Children」と組み合わされたRAINBOWナンバーの「Long Live Rock 'n' Roll」や「Man On The Silver Mountain」では、若き日のクレイグの実力を知るには絶好のテイクと言えるでしょう。
 クレイグ加入後の「SACRED HEART」ツアーの音源は、今まで登場したほとんどの音源がオーディエンス録音だったので、ライン音源の本作は非常に貴重です(公式ライヴの「INTERMISSION」はヴィヴィアン在籍当時の演奏を収録したもの)。収録時間が1時間に満たない短かさなのは残念ですが、当時ライヴで演奏された新曲をほとんど網羅しているのはファンにとって嬉しい限りでしょう。’86年ツアーを代表する一本として、このディスク2は特筆すべき音源であると断言します。

 ディスク3は「DREAM EVIL」ツアーより、同年ツアーのハイライトとなった’87年12月5日の公演を収録しています。本音源は専門誌やファンの間で「’87年ツアーの最上級音源」と絶賛された「INNOCENT & DAMNED」(POWER GATE 182)のオリジナル・マスターをフルリマスターして使用し、ファン念願のプレスCD化での再登場となります。
 公式感覚あふれるミックスは既発の段階で最高の一言に尽きましたが、本音源におけるリマスターの効果はさらに著しく、絶品の楽音をさらに引き立てています。バンドメンバー全員の演奏がギラギラするような破格のサウンド・驚くべき立体感で捉えられ、一音一音それぞれが細やかな粒立ちまで克明に記された、文字通りオフィシャル級のライン音源です! ロニーがすぐ側で歌うようなリアルさ、ジミー・ベインのベースまでありありと浮かぶような音には、どんな聴き手も驚愕せずにはいられないでしょう!
 公式ライヴ「AT DONINGTON UK」の他にも、’87年のライヴはライン音源として、先日ギフトタイトルで登場した「EVIL MONSTER」や、11月のパリ公演を収めた「DEFINITIVE EVIL」などが存在しますが、本音源はそれらの中でも別格と言える音質で、’80年代DIOの最終到達点を鮮やかに描写しています。自己の楽曲を大量にフィーチャーされたクレイグのギターは、ディスク2の’86年ライヴを遙かに凌駕する大爆発ぶりで、全編にわたり縦横無尽の活躍ぶりを見せています。そのプレイの凄さは「Neon Knights」や「Naked In The Rain」を聴けば誰もが納得するに違いなく、ロニーが「DREAM EVIL」で表現したDIOの世界を、さらにスケールアップして再現しています。またクロード・シュネルのキーボードもアルバム同様に主張する場面が増えており、前掲の「Naked In The Rain」の他、「All The Fool Sailed Away」で、曲の世界観を構築する上で欠かせない存在となっています。ライヴの終盤に連発される「Rainbow In The Dark」・「We Rock」・「Don't Talk To Strangers」の感動と興奮は一体何に例えればよいのか判らないほどで、3枚のディスクを締めくくるのにふさわしい心の昂ぶりをお約束します! 特にラストの「Don't Talk To Strangers」の美しさと荘厳さは、本作のサウンドだからこそ実現した究極のテイクです!。

 熱心なファンの方なら既にご存じの事かと思いますが、このアイテムに収録されたハマ−スミス・オデオンでのライヴは、「放送音源」という点の他にも、実はいずれも「3連続公演」だったという共通点があります('84年は10月4日から6日、’86年は5月12日から14日、’87年は12月5日から7日)。ここから1本ずつ抜き出して並べてみると、バンドの変化や成長・スケールアップの段階がそれぞれはっきりと浮き彫りになっているのがお判り頂けるでしょう。’84年から’87年にかけてのハマ−スミス公演こそ、まさしく中期DIOの縮図であり、本作はDIOの歴史を俯瞰し総括する上でも最高のサンプルとなるはずです!

BOOTLEG DIO - DEFINITIVE 1983: PRE-FM MASTER COLLECTION(3CD)
Disc 1 (65:27)

1. Intro.
2. Stand Up And Shout
3. Straight Through The Heart
4. Shame On the Night
5. Children Of The Sea
6. Holy Diver
7. Drum Solo
8. Stargazer
9. Guitar Solo
10. Heaven And Hell
11. Rainbow In The Dark
12. Man On The Silver Mountain
13. Starstruck / Man On The Silver Mountain(reprise)
Live at Civic Auditorium, San Jose, CA. USA 5th October 1983 STEREO SBD
Disc 2 (50:16)

1. Intro.
2. Stand Up And Shout
3. Straight Through The Night
4. Shame On The Night
5. Stargazer
6. Guitar Solo
7. Heaven And Hell(reprise)
8. Holy Diver
9. Rainbow In The Dark
10. Man On The Silver Mountain
11. Starstruck / Man On The Silver Mountain(reprise)
12. DJ Outro.
Live at Civic Center, Santa Monica, CA. USA 7th October 1983 STEREO SBD
Disc 3 (71:16)

1. Intro.
2. Stand Up And Shout
3. Straight Through The Heart
4. Shame On The Night
5. Children Of The Sea
6. Holy Diver
7. Drum Solo
8. Rainbow In The Dark
9. Heaven And Hell
10. Guitar Solo
11. Heaven And Hell(reprise)
12. Don't Talk To Strangers
13. Man On The Silver Mountain 
14. Starstruck / Man On The Silver Mountain(reprise) 
Live at Selland Arena, Fresno, CA. USA 28th December 1983 STEREO SBD
【レビュー】
 Zodiacレーベルからリリースされた作品です。


 希代の名シンガー:ロニー・ジェイムズ・ディオ。彼の人生で“特別な年”だった1983年の超・極上サウンドボード・セットが登場です。
 本作に収められているのは3公演。「1983年10月5日サンノゼ」「1983年10月7日サンタモニカ」「1983年12月28日フレズノ」。いずれも古くからラジオ放送が知られるカリフォルニア・ライヴばかりですが、本作はそんな名サウンドボードをプレFM放送マスターの究極サウンドで永久保存した3枚組なのです。
 ここで「あれ?」と思われる方もいらっしゃることでしょう。そう、この3公演はShadesレーベルの名作『CALIFORNIA TRILOGY』で発表済み。しかし、本作はそのコピーでもリマスター再発でもあ・り・ま・せ・ん。すべて新発掘マスターによるアップグレード盤なのです。
 そんな本作最大のポイントは、素晴らしすぎる“1983年のロニー”にあるわけですが、まずは既発との違いについて詳しくご紹介していきましょう。

【ディスク1:10月5日サンノゼ公演】
 まず登場するのは、サンノゼ公演。公式『HOLY DIVER』のデラックス・エディションにも採用されたサウンドボードですが、本作はその公式盤やFM放送よりも長い発掘プレFMマスター。かつてPower Gateレーベルの『HOLLY COLLECTION』として登場した長尺サウンドボードで、放送では(公式盤でも)聴けなかった「Straight Through The Heart」「Stargazer」「Heaven And Hell」やギーソロ、ドラムソロも収録。このディスクは、その決定的なサウンドボードを最新・細心リマスター・バージョンで磨き上げたものなのです。
 元々、この発掘サウンドボードはオフィシャル級のクオリティを誇るのですが、“1983年”は超絶サウンドボードの大豊作年。他の超傑作たちに比べると、ややサウンドが平板でモサッとしたサウンドでもありました。そこで『CALIFORNIA TRILOGY』では、短いFM放送と組み合わせることで「ベストテイク集」を指向したのです。それはそれで素晴らしかったのですが、“プレFM版”と“放送版”はミックスが異なっていた。そのため、1本のライヴアルバムとして聴くと曲によってサウンドが微妙に変わり、FM放送の大歓声が突然飛び込んでくるなど、違和感もあったのです。
 本作は、そんな『CALIFORNIA TRILOGY』とは異なり、一気貫通の“プレFM版”を最新リマスターで向上を図ったもの。その効果はバツグン! ヘッドホンで聴くと格段にステレオ感が増し、スネア1発でさえ、本来あるべき正しい位置・方向になっているのが分かる。もちろん、サウンドも鮮やかに生まれ変わり、他の傑作群にも引けを取らない完全オフィシャル級サウンドにして、マスター切り替えの違和感もゼロの決定盤に仕上がっています。

【ディスク2:10月7日サンタモニカ公演】
 続くサンタモニカ公演こそ、最高の超アップグレード! 実はこのライヴ、長年2つのエアチェック録音が知られていました。1つは長尺放送ながらノイズまみれ、もう1つは音が良いものの、短い放送。『CALIFORNIA TRILOGY』では、その双方を組み合わせた「ベストテイク集」を目指していました。
 しかし、その後になって長尺版放送の放送原盤が発掘。しかも、当時の放送を聴いていた人しか知らなかったDJまで入った完全版だったのです。本作は、その完全版をリマスター収録しています。リマスターとは言っても、それは極わずかにあった針パチを除去し、ディスク1・3と統一感を持たせただけ。それだけで済むほど、この発掘マスターは凄まじかったのです。実際、そのクオリティは幾多の既発を軽ーく凌駕。これまでの最高峰『CALIFORNIA TRILOGY』でさえ、各種放送の瞬間最高テイクをツギハギしたために曲によってノイズが噴出していていましたが、それも皆無。統一感にしても、瞬間最高値にしても、すべての既発を圧倒している。まさに完全オフィシャル級……いえ、それ以上。実のところ、DIOはウェンディが今いちクオリティにこだわっていないため、たとえ公式発掘でもアングラ級なことが珍しくない。そんな歯がゆいオフィシャルを一蹴してしまうほどに素晴らしいのです。

【ディスク3:12月28日フレズノ公演】
 最後に登場するのは、“1986年の最長放送”の誉れ高きフレズノ公演。他放送にはない「Don't Talk To Strangers」や長尺バージョンの「Heaven And Hell」も収録された超極上サウンドボードです。これまた『CALIFORNIA TRILOGY』以降に発掘された未使用プレFMの放送原盤からダイレクトにデジタル化。この放送は既発エアチェックも超ハイクオリティだっただけにサンタモニカ公演ほどのアップグレードぶりではありませんが、原盤起こしだけに間違いなく“頂点”。これ以上はありません。
 ただし、決定放送とは言っても、放送自体に欠点があった。それは「Heaven And Hell」のリプライズ部分。放送局側が大雑把でブツッと突然ぶった切られる編集になっていたのです。それも放送の真実ではあるものの、ここまで失点皆無のノーヒットノーランが続いてきただけに、できれば完全試合に持ち込みたい。本作では放送局のブツ切り編集をシームレスに繋げ、パーフェクトなライヴアルバムに仕上げました。

【あまりに特別な“1983年のロニー”】
 そんな“てっぺん”クオリティの超絶サウンドボードで描かれるのが、特別すぎる“1983年のロニー”。当時のロニーは、音楽にこそ自信を持っていたものの、レコード会社からの支援は得られず、自宅を二重抵当に入れてツアーの費用を捻出。失敗したら後はない、という背水の陣で臨んでいたのです。その決死の覚悟はヴォーカリゼイションにもアリアリと現れており、とにかく強烈。一流のロマンティシズムも発散しつつ、キャリア・ハイの激しい歌声で吠える、吠える! 吠える!! まさに“歌の鬼”。もちろん、ロニーですから滴り落ちる情感もたっぷりと味わえはするものの、同時に覇気に充ち満ちているのです。この歌声は、成功を収めた“THE LAST IN LINE TOUR”以降とも違う。成功後のロニーは勝利者の余裕を見せていましたが、この“1983年”はあくまでも挑戦者。全身全霊で世界に挑みかかる歌声なのです。

 艶やかロマンティックなRAINBOW時代よりも激しく、重く厳かなBLACK SABBATH時代よりも鋭く、丸裸の勝負心もムキ出しだった“1983年のロニー”。その最高峰サウンドボードをプレFMでこれ以上なくアップグレードした“てっぺん”です。希代の名シンガーの人生でも、特別すぎるライヴアルバムの絶頂盤。どうぞ、永久保存プレス3CDでいつまでもお楽しみください。

直線上に配置


BOOTLEG DIO Evil Monster (Live at "Monsters Of Rock", FCP Stadion, Pforzheim, West Germany 30th August 1987)
  1. Opening S.E.
2. Stand Up and Shout
3. Dream Evil
4. Neon Knights
5. Naked in the Rain
6. Rock'n'Roll Children
7. Long Live Rock'n'Roll (cut out)
8. Rock 'N' Roll Children (reprise)
9. The Last in Line medley
10. Temple of the King
11. Holy Diver
12. Drum Solo
13. Heaven and Hell
14. We Rock
15. Man on the Silver Mountain
16. All the Fools Sailed Away
17. Sunset Superman
18. Rainbow in the Dark
Live at "Monsters Of Rock", FCP Stadion, Pforzheim, West Germany 30th August 1987 SBD
【レビュー】
 クレイグ時代のサウンドボード音源でもうひとつ忘れてはならないのが、'87年8月30日にドイツ・プフォルツハイムで行われたドイツ版モンスターズ・オブ・ロック出演時の模様です。ここでのライヴを放送音源ならではの優れたサウンドコンディションで全曲収録した本作「EVIL MONSTER」も、「DEFINITIVE EVIL」と並ぶ「DREAM EVIL」ツアーのマスターピースとして、ぜひ押さえておきたい一本です。
 「DEFINITIVE EVIL」ではライヴ序盤のバランスや曲ごとの感触の微妙な違いが“玉に瑕”でしたが、本作はオープニングを飾る「Stand Up And Shout」から極上のバランスと聴き応えで突っ走ります。切り込むような鋭さ、ぶつかったら怪我をしそうなエネルギーを放つロニーのヴォーカルはいきなりド迫力。やはりDIOライヴのオープニングはこの曲の爆発力がなければいけません! クレイグが持てる実力をフルに発揮した「Neon Knights」はライヴ前半の見せ場です。鋭さと華麗さが同居したプレイはまったく見事で、ソロでは誰もが耳を奪われてしまうでしょう。ショウ中盤に置かれた「Rock'N'Roll Children」そして「The Last In Line」のメドレー二本では、クレイグを始めバンドメンバーの息の合ったコンビネーショの素晴らしさに圧倒されてしまいます。また「Heaven And Hell」と「Man On The Silver Mountain」に挟まれた位置の「We Rock」というのもこの日くらいで、この珍しい位置づけも聴き逃せないポイントでしょう。
 ラストの「Rainbow In The Dark」まで、ライヴ全編通してまさに盤石の演奏で、ほど良いワイルドさも堪りません! 聴き手はネガティヴ要素を感じる事無く白熱のステージを聴き通せます。本作で強いて難点を挙げるとすれば、「Dream Evil」途中にフェイドが見られる事と「Long Live Rock 'n' Roll 」終盤に短い欠落がある点、そしてフェスティバルのため当時のフルセットではない事くらいでしょう。ヴィヴィアン時代の演奏と比較してもまったく引けを取らないクレイグ時代のピークを、「DEFINITIVE EVIL」とこの「EVIL MONSTER」とで、ぜひお楽しみください!

BOOTLEG DIO Definitive Evil (Live At Le Zenith, Paris, France 23rd November 1987)
  DISC 1
1. Stand Up and Shout
2. Dream Evil
3. Neon Knights
4. Sunset Superman
5. Naked in the Rain
6. Graig Goldie Guitar Sold - Naked In The Rain
7. The Last in Line
8. Holy Diver
9. Vinny Appice Drum Solo

DISC 2
1. Heaven and Hell
2. Man on the Silver Mountain
3. All the Fools Sailed Away
4. Keyboard Solo - Instrumental
5. All The Fools Sailed Away(Return) - Last In Line(Conclusion)
6. Night People
7. Rock'n'Roll Children
8. Over Love
9. Long Live Rock 'n' Roll - Rock 'n' Roll Children
10. Rainbow in the Dark
11. We Rock
12. The Mob Rules
Live at Le Zenith, Paris, France 23rd November 1987 STEREO SBD
【レビュー】
 クレイグ・ゴールディ参加後のDIOにとって最初のフルレンス・アルバムとなった1987年の「DREAM EVIL」ヨーロッパツアーでは、11月23日のフランス・パリ公演を極上のサウンドボード音源で収録した「DREAM EVIL IN PARIS」(Langley)が、古くから大定番として親しまれてきました。この音源により磨きを掛け、さらなるクリアさと整理されたサウンドを実現した本作「DEFINITIVE EVIL」は、Langley時代の既発を聴けなかったファンだけでなく、前作と聴き比べたファンからも「ツアーを代表する絶品のサウンド」として支持を受けています。今回は“DIOサウンドボード祭り”の目玉として、バンド屈指の名音源が限定再入荷いたします!
 感触的にはミキシングデスクからアナログカセットに録音したようなサウンドで、パートによっては音像のバランスが部分的に変化する部分もありますが、音の鮮度はマスター・クオリティを確信させる高さ。ライヴ冒頭は若干オフ気味なベースも徐々に鮮明となり、「Dream Evil」からは理想的なバランスに変貌します。
 DIOの作品でも特筆されるほどマジカルムード全開な「DREAM EVIL」に相応しく、ロニーのヴォーカルとクロードが奏でるキーボードはこれまで以上にファンタジックな世界観を醸しています。さらに'86年ツアーでは他人の曲ばかりを弾かされていたクレイグも水を得た魚のように優雅に舞い、ヴィニー&ジミーのストロングなリズムとの絡みは、この時期ならではのDIOサウンドを活き活きと輝かせています。彼らメンバーの演奏が細やかな点まで聴き取れるのは、本作のような優れたライン録音ならではの旨みです。それでいて曲間ではしっかりと歓声も聴こえるのが本音源の特徴で、「Heaven And Hell」の劇的なイントロでも伝わるように、各所で聴けるロニーと観客のコール&レスポンスがライヴらしい素晴らしい雰囲気を演出します。
 優れた音質とともに本作を特徴付けているのが、ショウ後半に演奏される「Night People」「Overlove」といった、このツアーでしか聴けない「DREAM EVIL」ナンバーの数々です。さらに公式ライヴ・アルバムでは何故か未収録だった名曲「Sunset Superman」、キーボードソロからメドレー的に演奏されるバンドのインストなど、当時のDIOライヴをフルセットで丸ごとパッケージした価値は大きいと言ねばなりません。このツアーならではの計算され尽くした圧巻のセットとそれを引き立てる最高の演奏を、クリアで分離感抜群のステレオ・ライン録音で楽しめるのは、DIOファン冥利に尽きるというものでしょう!
 '87年のサウンドボード音源は公式ライヴ「AT DONINGTON UK: LIVE 1983 & 1987」等でも聴く事ができますが、当時のレギュラー・ライヴを“極上の音質・フルセット収録・レア曲の貴重度”の三拍子で捉えた内容は「'87年ツアーを聴くならまず本作!」と評価されるのも頷けます。本作はまさに「DEFINITIVE」の名にふさわしい名盤。ファンなら是非コレクションしたい一本が、鳴り止まない熱烈なラブコールを受けて完全限定再入荷決定です!

直線上に配置


BOOTLEG DIO Wild Nights (Live at The Ritz, New York City, NY. USA 21st & 22nd August 1990)
Disc 1
1. Intro.
2. Wild One
3. Children Of The Sea
4. Man On The Silver Mountain
5. Tarot Woman incl. Keyboard Solo
6. Stargazer
7. Long Live Rock 'n' Roll
8. Born On The Sun
9. Stand Up And Shout
10. Why Are They Watching Me incl. Guitar Solo

Disc 2
1. Don't Talk To Strangers
2. Lock Up The Wolves
3. Hey Angel
4. The Last In Line
5. Heaven And Hell
6. Rainbow In The Dark
7. Egypt (The Chains Are On)
8. Holy Diver
9. We Rock
The Ritz, New York City, NY. USA 21st August 1990 PERFECT SOUND
Disc 3
1. Intro.
2. Wild One
3. Children Of The Sea
4. Man On The Silver Mountain
5. Tarot Woman incl. Keyboard Solo
6. Stargazer
7. Long Live Rock 'n' Roll
8. Born On The Sun
9. Stand Up And Shout
10. Why Are They Watching Me incl. Guitar Solo
11. Don't Talk To Strangers

Disc 4
1. Lock Up The Wolves
2. Hey Angel
3. The Last In Line
4. Heaven And Hell
5. Rainbow In The Dark
6. Egypt (The Chains Are On)
7. Holy Diver
8. We Rock
The Ritz, New York City, NY. USA 22nd August 1990 PERFECT SOUND
【レビュー】
 ZODIACレーベルからリリースされた作品です。

 1983年のバンド結成から最後のライヴ活動を行った2008年までちょうど25年間。DIOは各時代で素晴らしいパフォーマンスを披露してきました。ヴィヴィアン・キャンベルやヴィニー・アピスを擁したオリジナル・メンバーに始まり、ファンタジックな要素を強調したクレイグ・ゴールディ時代、個性的だったトレイシー・G時代、さらに名手ダグ・アルドリッチとの共演など、ファンの思い出に残る編成は、音源や映像がそれぞれ公式作品で残されています。
 しかし、唯一「LOCK UP THE WOLVES」のローワン・ロバートソン時代だけは、公式ライヴ作品が残されていません。ツアー1回・アルバム1枚で崩壊した事実だけ見れば「トレイシー・G在籍時よりも地味」と思われそうですが、実はこの時代こそが「最強のDIO」と呼ばれているのです。さり気なくテクニカルなフレーズを挟むテディ・クックのベース、かのリズムモンスターAC/DCで名を轟かせたサイモン・ライトのドラムによるリズムセクション。そこに様式美のベスト・キーボーディストであるイェンス・ヨハンソンが加わる目も眩むような豪華ラインナップ。さらに当時17歳だったローワン・ロバートソンの才気溢れるギター・・・・・・ここに御大ロニーが歌うのですから、音楽家・実演家のポテンシャルは強烈。実際、バンド結成当初のフレッシュなムードを取り戻し、良い意味で荒々しくヘヴィな演奏は、ロニーの「若手バンドに負けない」という気概や意欲を感じさせるものがありました。
 残念ながら「最強のDIO」は、現状コレクターズ・アイテムでしか楽しめません。しかもその演奏を収めたアイテムは、'90年8月28日のミネアポリス公演を収めた「HOWLING WOLF」(Shades)が代表格として知られる程度。他にも10月のアトランタ公演を収録した「CERBERUS RULES」といったライン音源は存在するものの、そもそものアイテム数が乏しく、未だ一部のマニアしか魅力に気づいていないという状況です。
 今回登場する本作は、そんな「最強のDIO」の魅力をたっぷりと味わえます! アメリカのDIOマニアが「同年ツアーでも屈指の内容」だったと評価する8月21日と22日のニューヨークでの2日間連続公演を、いずれも海外テーパー提供による1stゼネレーション・マスターから音盤化! ストリート的なイメージに路線変更したDIOが、名門ライヴハウス"ザ・リッツ"で披露したステージを、熱気に満ちた臨場感で、見通し・均整ともに極上のオーディエンス・サウンドにより追体験させてくれるのです!

 ディスク1・2では8月21日のライヴを収録しています。ディスクを再生すると、この'90年ツアーのみの不気味なオープニングSEがスピーカーいっぱいに、それもライン・ソースのようなリアルさで轟き、いきなり聴き手をノックアウト! サイモンのドラムから勢い良く始まる1曲目「Wild One」から、ロニーのヴォーカルやローワンのギター、さらにイェンスのキーボードなど、すべてが抜群のクリアさと優れた均整に裏付けられた、極上のサウンドで飛び出します(中盤で聴けるテディ・クックのベースは鳥肌モノ)! さらに細やかさとヘヴィネスが交錯する「Children Of The Sea」(演奏後に湧きあがる「DIO!」コールは名場面!)、「Man On The Silver Mountain」そして「Tarot Woman」へと連なるRAINBOWメドレーなど、たまらない聴き応えの連続! アルバム「LOCK UP THE WOLVES」では「どこにいるの?」と言われてしまうイェンスですが、ライヴでは大活躍。特に、このRAINBOW組曲では目覚ましく、数あるDIOのライヴ組曲でも最高傑作と言える仕上がりです!!
 その後も壮大でメロディアスな「Born On The Sun」や、ローワンのワイルドなギターを満喫させる「Why Are They Watching Me」など、新曲もライン並みのサウンドで楽しめます。ライヴの後半、会場を大興奮させる「Heaven And Hell」や「Rainbow In The Dark」,「We Rock」の白熱ぶりは圧倒的。ロニーの歌唱も終始絶好調で、どんな聴き手も「ローワン時代は凄かった!」と驚くはずです!

 そしてディスク3・4では、2日目に当たる8月22日のステージを収録。こちらはややテープのアナログな質感を湛えながらも、前日以上に中低音の迫力が出たパンチ力ある音像が印象的。演奏のダイレクト感も21日以上に強く、オープニングの「Wild One」から関係者録音のようなリアルさで演奏を聴き込めます(演奏中は観客の話し声もほとんど気になりません)。イェンスのキーボードが曲想にフィットした「Tarot Woman」に、サイモンのドラムがパワフルな「Stargazer」・「Long Live Rock 'n' Roll」は問答無用にファンを喜ばせるでしょう。さらに「Stand Up And Shout」のスピード感と荒々しさは、バンドの結成当初に通じるものがあります。
 BLACK SABBATH的な不気味さとヘヴィネスにアプローチした「Lock Up The Wolves」は本作中でも大きな聴き所。一体感と広がリが程好いサウンドもこの曲が持つ世界観にマッチし、アルバム以上の壮大さで"物語"を紡いでいきます。ライヴ後半を盛り上げる「The Last In Line」と「Heaven And Hell」の組曲、「Egypt (The Chains Are On)」・「Holy Diver」のメドレーも、本録音の音像が理想的に作用。DIO以外ではありえないマジカルな世界を、鋭くヘヴィなメタル・サウンドで再現します! エンディングの「We Rock」ではバンドも観客も完全燃焼! 誰もが「この会場でライヴを観たかった!」と思わずにはいられない、最高の余韻でライヴを締めくくります!

 熟練の旨みと完成された世界観を背景に、ローワンが持ち込んだ若々しいワイルドさと、ロニーの超人的なヴォーカルがせめぎ合うライヴは、ある意味初期の「HOLY DIVER」期にも共通するものがあります。この時期アメリカツアーでは通常7,000人規模の会場をサーキットしていたDIOが、2,000人規模の"ザ・リッツ"に乗り込んだのも、初期のムードを取り戻そうとした意欲の反映なのかも知れません。そしてその意欲が、アメリカのマニアに「'90年ライヴでも屈指」と表現されるライヴに結実したのでしょう。
 「最強のDIO」による「LOCK UP THE WOLVES」ライヴの魅力を知りたいのなら、本作は絶対にして格好のライヴ・ソース! 沸騰する熱気と無敵の演奏を、合計193分間に渡り封じ込めた完全限定プレスCD4枚組が、ここに堂々のリリース決定です!

BOOTLEG DIO LOCK UP THE HAMMERSMITH (Live at Hammersmith Odeon, London, UK 29th May 1990)
  Disc 1
1. Introduction
2. Wild One
3. Children Of The Sea
4. Man On The Silver Mountain
5. Tarot Woman
6. Keyboards Solo
7. Stargazer
8. Long Live Rock'N'Roll
9. Born On The Sun
10. Stand Up And Shout
11. Lock Up The Wolves
12. Why Are They Watching Me
13. Guitar Solo
14. Why Are They Watching Me (Reprise)

Disc 2
1. Band Introduction
2. Don't Talk To Strangers
3. Hey Angel
4. The Last In Line
5. Heaven And Hell/The Last In Line (Reprise)
6. Rainbow In The Dark (with Nicko McBrain)
7. Egypt (The Chains Are On)
8. Holy Diver
9. We Rock
Live at Hammersmith Odeon, London, UK 29th May 1990 TRULY AMAZING SOUND
【レビュー】
 '83年から'90年まで続いた"前半期のDIO"にとって最後のハマースミス・オデオン公演となった、1990年5月29日のライヴ。本作ではDIO史上でも重要な本ライヴを、貴重なオーディエンス・マスターで楽しめます!

 DIOの1990年ライヴ音源は、近年少しずつ発掘されてはいますが、それでもまだ数が限られている状況。その中でも優秀な録音は、今回登場する「WILD NIGHTS」や、ギーザー・バトラーが飛び入り参加したミネアポリス公演を収めた「HOWLING WOLF」に代表されるように、今のところアメリカツアーに偏重している印象。依然としてヨーロッパツアーからの音源は乏しいのが実情です。
 そんなDIOの'90年ヨーロッパツアーを解き明かす重要な手がかりが本作「LOCK UP THE HAMMERSMITH」です。本作は「DIOヒストリーのダークゾーン」にスポットライトを照らす一本として、約3年前のギフト・リリース時に大きな話題となりました。再度のリリースを希望する声が大きかった一本だけに、今回のボーナス・リリースはファンにとって朗報でしょう!

 新作「LOCK UP THE WOLVES」を引っさげた新生DIOは、'90年5月16日のオランダ・ズヴォレ公演からワールドツアーを開始しました。本作に収録されたロンドン・ハマースミス公演は、全5公演が行われたイギリスツアーの3公演目に当たります(この日のショウはDIOがそれまで「オデオン」だったハマースミスで披露した、最後のショウでもあります)。
 オープニングの「Wild One」から抜群のクリアさと見通しをもつ録音は「歴代最強」の呼び声も高い'90年型DIOの演奏を見事に再現します。ロニーの歌を中心として、安定したバランスや音の定位は、最後までライヴを安心して楽しませます。ロニーは終始好調なヴォーカルを会場中に響かせており、特に'80年のSABBATH時代を思わせる熱唱を披露する「Children Of The Sea」は前半の聴き所の一つです。続く「Man On The Silver Mountain」・「Tarot Woman」・「Stargazer」のRAINBOWメドレーでは新加入のイェンス・ヨハンソンがその力量を発揮し、'80年代のDIOには無かったカラフルなタッチのキーボードで、これら名曲に鮮やかな彩りを添えています。
 「Born On The Sun」から「Stand Up And Shuot」を挟み、「Lock Up The Wolves」・「Why Are They Watching Me」と連発されるこの時期ならではの新曲パートでは、ローワンのギターがロニーを相手に堂々と渡り合っています。若さゆえの大胆さ、思い切りの良さがプラスに作用した「Why Are They Watching Me」と続くギターソロパートは聴き応えたっぷりです。バンド結成直後の'83年にも通じるフレッシュな魅力は、他のどの時期とも異なる「オンリーワンのDIO」として、聴き手を圧倒するでしょう!

 若さと目新しい曲構成で驚かせるディスク1に対し、「Don't Talk To Strangers」から始まるディスク2は名曲のオンパレードでファンを酔わせる。「The Last In Line」と「Heaven And Hell」、さらに「Egypt (The Chains Are On)」と「Holy Diver」のメドレーでは、ギターやキーボードが新しい切り口を見せつつも、従来のDIOらしさもしっかりと織り込まれています。これら名曲の変わらぬ威厳とドラマ性に満ちた演奏は、いかなる聴き手もひれ伏す事でしょう。
 またロニーのMCでも判るとおり、この日の「Rainbow In The Dark」にはIRON MAIDENのニコ・マクブレインが飛び入り参加しています。これはいかにもイギリス公演らしい突発的なドキュメント。ファンならずとも絶対に聴き逃せないポイントになっています。ギーザー・バトラーが飛び入り参加した同年ミネアポリス公演における「Neon Knights」同様、ここは'90年ツアーの名場面です。

BOOTLEG DIO Cerberus Rules (Live at Civic Centre, Atlanta, GA. USA 2nd October 1990)
  1. The Mob Rules
2. Children of the Sea
3. Man on the Silver Mountain
4. Tarot Woman
5. Stargazer
6. Long Live Rock'n'Roll
7. Stand up and Shout
8. Don't Talk to Strangers
9. The Last in Line
10. Heaven and Hell
11. Rainbow in the Dark
12. Holy Diver
13. Lock up the Wolves
14. We Rock
Live at Civic Centre, Atlanta, GA. USA 2nd October 1990 SBD(UPGRADE)
【レビュー】
 クレイグ時代のライン・ソースに続いては、ローワン・ロバートソンをギタリストとして迎えた'90年の「LOCK UP THE WOLVES」ツアーからの音源です。'90年アメリカツアーの終盤、ジョージア州アトランタでのライヴを素晴らしいサウンドで収めた本作「CERBERUS RULES」は、既発を圧倒する極上ライン・ソースがファンの大好評を呼び、前回のボーナス・リリース直後より「'90年ツアーの新たな大定番」として位置づけられている一本です。
 '90年ツアーからの音源はここ最近で何種類かが発掘されたものの、このメンバーでの「The Mob Rules」は、現時点でもここでしか聴けないレアテイク。ローワンがトニー・アイオミ顔負けのプレイを聴かせる「Children Of The Sea」と共にこのSABBATHナンバー連発はいきなりの聴き所です。
 当時のセットの目玉である「Man On The Silver Mountain」から始まるRAINBOWメドレーも、既発とは見違えるようなカラフルで艶やかなサウンドが絶品。クリアでスカッと抜けるサウンドが晴れ晴れとした心地よさを感じさせ、最高の演奏をそれにふさわしい音で楽しめます。これらで鮮やかに浮かび上がるイェンス・ヨハンソンのキーボード捌きには今さらながら驚かされるでしょう!
 「LOCK UP THE WOLVES」からのチョイスは後半のタイトル曲のみ。音が良いだけに当時の新曲が乏しいのは残念ですが、クラシック志向が貫かれたセットをこの時だけのラインナップで楽しめるのは本作最大の旨みです。特にロニー入魂の歌唱が並ぶものなき説得力で迫る「Stand Up And Shout」から「Heaven And Hell」そして「Holy Diver」への流れは、すべてのDIOファンがひれ伏すに違いありません! DIOのライヴで欠かせない名曲群を最高の聴き応えで満喫できるのは嬉しいの一言です。
 '90年型DIOの魅力を凝縮した70分間は全編が聴き所の連発。公式ライヴ作品が存在しないローワン時代では、本作が「公式替わりのライヴ音源」として尊重されているのも道理です。ローワン時代もDIOは変わらず強烈だった事を証明する極上テイクを、未所有の方は今度こそゲットしてください!

BOOTLEG DIO The Silence Of The Wolves (Live at Bronco Bowl, Dallas, Texas USA 7th October 1990)
  1. Intro.
2. Lock up the Wolves
3. Don't Talk to Strangers
4. Hey Angel
5. The Last in Line
6. Heaven and Hell
7. The Last In Line (reprise)
8. Rainbow in the Dark
9. Egypt (The Chains are On)
10. Holy Diver
11. We Rock
Live at Bronco Bowl, Dallas, Texas, USA 7th October 1990 STEREO SBD(UPGRADE)
【レビュー】
 今回の特別企画を締めくくるのは、'83年から7年間続いたDIOのラスト・ライヴを収録した貴重なサウンドボード音源です。「CERBERUS RULES」同様、既発音源を上回る最上位のマスターを使用し、さらに入念なリマスター作業において可能な限りの音質向上を実現したこの「THE SILENCE OF THE WOLVES」は、'90年のDIOライヴを知る上で絶対に欠かせない音源のひとつです。
 元素材の都合から当時のセットリストの半分程度という収録時間ですが、中味の濃さは「CERBERUS RULES」にも劣りません。'90年ツアーのみで用いられたオープニングS.E.がはっきり確認できるライヴ冒頭から聴き所で、ここから本当にライヴ序盤に位置していたかのような「Lock Up The Wolves」への流れも大変興味深いです(当時のセットで「Lock Up The Wolves」は中盤?後半で演奏)。さらに続く「Don't Talk To Strangers」で、聴き手はDIOの世界へとガッチリ取り込まれてしまいます。
 '90年ラインナップの長所を見事に表現した「Hey Angel」は前半の聴き所です。ローワンのギターを優良な立体感と質感で捉えた音像に加え、堅実でありながらストロングなアンサンブルは、これが同曲のベストテイクと断じても過言では無いはず。公式ライヴ音源が存在しない“ワン・ツアーのみのメンバー”で“ここだけの曲”を楽しめるのは、まさにコレクターズ・アイテムの特権と言えるでしょう。劇的な「The Last In Line」と「Heaven And Hell」の組曲は、ロニーの歌唱が'90年ツアーの集大成とも言える圧巻ぶりで、メンバーのプレイとロニーの歌が一点に集約され昇華するクライマックスは何度聴いても最高の一言です。さらにイェンスのキーボードが前任のクロード・シュネルとは異なる世界観をパノラマのように広げる「Egypt (The Chains are On)」と「Holy Diver」のメドレーも絶品で、アンコールの「We Rock」とともに「これが'90年DIO最後の演奏」というのが信じられないポジティヴなエネルギーを放っています。
 トータルで52分弱ではやや短く感じるでしょうが、楽曲の配置や展開は見事な起承転結の計算上に構築されているので、この収録時間でも充分なエキサイトメントを味わえます。過去の既発から格段に向上した音質、「CERBERUS RULES」以上に公式感覚を備えたミックスで味わう演奏と、本作は極めて重要な本ライヴをすべてのファンがじっくりと聴き込める、文句なしの必聴盤です!

直線上に配置


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