「かんだやぶそば」街の真ん真ん中の薮。
東京都千代田区神田淡路町

子どもの頃から麺類は大好きでした、大学生になり上京していた頃はお金がないので、超高級蕎麦屋の暖簾など潜ることができませんでした。でも、駅には駅蕎麦が、駅の近所には安くてうまい蕎麦屋が必ずと言っていいほどありました。駅の近所には、豆腐屋やせんべい屋もありました。私は、西武池袋線桜台駅の近所のおそば屋さん「松月庵」が大好きでした。

「かんだやぶそば」って、どんなお店

東京神田のおそば屋さん「かんだやぶそば」。戦前の東京が残る優雅な建物

出張した折りに、お土産のせんべいを求めて神田近辺を彷徨していたとき、ふと何気なしに入ったお店が、あの「やぶそば」でした。

神田須田町界隈は戦火から免れ古い民家やお店が昔のたたずまいをビルの谷間に残しています。ビルの谷間の薮、渓魚はいないようですが私の好きな薮沢です、大感激です。

蕎麦は、蒸籠で少し緑色をしています。汁は、少し甘めです。当然大盛りなんかありません、お酒の後に啜るのにちょうど良いぐらいでしょう。お店では真っ昼間から、蒲鉾やかき揚げを肴にお酒を飲んでいるお客さんを見かけます、江戸がそのまま現代になってしまったようです。

先日、子どもと二人で訪れた折、子どもが「たかいー」と、遠慮しながら蒸籠とかき揚げを頼んだぐらいの超高級店ですが、最近流行のえらそうな手打ち蕎麦屋と違い気さくな下町の蕎麦屋です。

薮蕎麦あれこれ

浅草の浅草寺雷門からまっすぐ行った浅草並木町の「並木薮蕎麦」のもりも捨てがたいのですが、職場の同僚には歓迎されませんでした。何せ、九州の醤油は甘すぎるので九州の人には合わないのでしょう。「江戸の蕎麦をこれから」という九州人には「かんだやぶそば」から始めることをおすすめします。