寂然法門百首 47
2021.6.15
寿命無数劫久修業所得
ながきよにいかにつとめておきければやがて消えせぬ露の命ぞ
半紙
【題出典】『法華経』寿量品
【題意】 寿命の無数劫なるは、久しく業を修して得たる所なり。
無限の寿命は、永く修業して得たものなのだ。
【歌の通釈】
長い世にどのように勤めたので、すぐに消えることのない露のような命を得られたのか。(長い夜にどのように置いたので、消えない露となったのか。)
【考】
仏が長い間修業をして無限の命を得たことを、長い夜に消えない露の景により表したもの。ここで「露」を詠むのは、題の「命」から発想した。(中略)消えない露に仏の永遠の命を重ねる。
(以上、『寂然法門百首全釈』山本章博著 による。)