2005年 スノーシューオフ


29-30 January 2005

●OBT with G-Outfitter(野遊び屋)

 2002年の第一回は大好評で、2003年には突発的開催の少人数ゲリライベントとなり、開催を知らずにいたメンバーから大ブーイングをいただいた!? OBT恒例の「八ヶ岳スノーシューオフ会」。

 昨年は諸般の都合で開催できずに、みなさんに寂しい思いをさせてしまったが、今年はG-Outfitter(野遊び屋)との共催ツアーとして、期待を一身に背負っての開催となった。

 野遊び屋の面々はやる気まんまんで、27日には本拠地四国を後に。前日は穂高でスキー三昧。連荘で大丈夫なのかと思いきや、案の定はしゃぎすぎの?約一名が肩を故障して、お約束の見学&荷物の番人と相成ってしまった。

 参加者の面々は、東京、京都、滋賀から車や電車でJR茅野駅に午前10時集合。ここから車に分乗して、R299通称「メルヘン街道」を北上していつもの場所に移動する。

 ぼくたちの進行方向にはスキー場がないため、この時期山へ向かう車は、八ヶ岳に冬山登山に向かう人たちだけで非常に空いている。冬期閉鎖になるゲートまで車で登り、いよいよスノーシュースタート。

 簡単なレクチャーの後、GPSにベースを入力して、平地組と山組に分かれて出発した。

 スノーシューのいいところは、スキーやスノーボードのように独特なスキルなしで、誰でも履いたとたんに自在に歩けること。しかも、スキーでも潜って難儀してしまうようなフカフカの新雪でも平気だし、クロスカントリースキーよりも小回りが効くので樹林の中にもどんどん踏み込んでいける。

 ここ八ヶ岳山麓の雪は、握っても球にならないほどサラサラで、まさにスノーシューには打ってつけの雪質。ちょうどパウダースノーの上を漕ぐような感覚で歩いていける。広大な雪原をどこへでも進んでいける感覚は、シーカヤックに通じるものがある。

 野遊び屋は四国を拠点にシーカヤックツアーをメインにするアウトフィッターだし、今回参加してくれたメンバーの半分は野遊び屋と縁の深い「コアアウトフィッター」のお客さんで、普段は三浦をベースにシーカヤックを楽しんでいる人たちだ。シーカヤックの自由さがわかる人なら、すんなりとスノーシューの世界にも入っていけるはずで、現にスタートしたら、もうみんな自分の楽しみ方やペースを見つけて、ズンズンと雪原を進み、斜面に取り付いていく。適当にバラけてしまってもGPSがあるから大丈夫……なんて気楽に構えているわけではなくて、しっかりと最後尾からフォローしているので大丈夫。

 この横岳の中腹あたりは秋には全山が黄色に染まるカラマツ林だが、ちょうど尾根にそって防火帯が設けられ、それが一直線のルートになっている。積雪が多ければ雪崩の心配があるが、さほど雪が多くない今なら、直登したトレースに沿って、下りはスリリングな尻セードが楽しめる。

 

●とっておきのアウトドアランチ

 野遊び屋は、シーカヤックツアーでも本格的な野外料理で楽しませてくれるが、今回もそこはしっかりと卒がない。

 大きなタープを広げて、その下で大鍋にグツグツとクリームスープが煮えていて、さらに炊き上がったばかりの古代米とカレー、香ばしい香りとサクサクの歯ごたえのパパドム(揚げ煎餅)、それに甘い紅茶とコーヒーがふんだんに用意されていた。

 いつものOBTオフ会だと、横岳中腹で風除けに斜面を掘り下げて、そこで各自が思い思いのランチにするのだが、暖かい食事がサーブされるというのは、じつにありがたい。もっとも、2002年にチーズフォンデュを作ったYUZO氏が今年は何に凝るのか目撃できなかったのは残念だが……。

 初日は、アウトドアランチの後、ベース横に設置されたソリコースで、260円也の子供用ソリに跨ったいい歳の大人たちが、散々戯れた。

 その後、温泉に浸かり、このツアーの定宿の「まさかロッジ」に入り、薪ストーブの暖かさに包まれて、コース料理を楽しみ、さらに夜中まで宴会と相成った。
初日のGPSログ。ぼくは最後尾からヨタヨタ登って、緩斜面になったところでギブアップしたが、元気溌剌組は、パウダースノーを蹴立てて1939mピークまで到達。

 

●大雪原に大感激!

 二日目は宿で朝食を済ませた後、近所へ散策に出発。しばらく車道を辿った後に、スノーシューを履いて、なんでもない樹林に踏み込んでいく。

 夏場はブッシュが繁っていて踏み込むことのできない樹林も、雪がブッシュを押しつぶしていて、スノーシューなら難なく進んでいける。いわば里山散策なわけだが、案外身近な山というのは踏み込む機会も少なくて新鮮な感覚だ。2002年のときはノウサギが目の前を横切ったりしたが、今回は20人と大人数なせいか、気配を早く察知して早々に逃げ出した動物の足跡が点々とあった。

 まさかロッジのご主人の話だとカモシカが多いとのことだったが、これは残念ながら足跡もなかった。

 樹林帯をズンズン進み、小川を渡って(落ちた人もいたが)、GPSを頼りに進むと、ほどなくして雪原に出た。ここは夏場は牛の放牧場になっていて、目の前に八ヶ岳の主峰赤岳を中心に主峰がドーンと聳えている。今日は空は晴れているものの、山の上のほうはガスがかかって、稜線までは見えなかった。
二日目は、宿を基点に周辺を散策。夏場では踏み込むことの出来ない樹林帯に入ると、野生動物の足跡があちこちに。そして、樹林帯を抜けたら、そこは大雪原!!

 でも、青空の下、誰の足跡もついていない大雪原は別天地。バージンスノーに足跡をつけるのは申しわけないと思いつつも、ついついはしゃいで足跡だらけにしてしまう。

「後からここにきた人には、申しわけないなぁ……」

 と、自分たちがつけまくった足跡を見て、誰かが思わず呟く。とりあえず、この場所をスノーフィールドとして楽しんでいるのはぼくたちだけだから、大丈夫でしょう(笑)。ここは傾斜もないまさに大平原だからスキーヤーは見向きもしないし、里に近いせいでわざわざスノートレッキングにやってくる人もいない。冬場は、いつまでもOBTオフ会のための取っておきフィールドであって欲しいものだ(笑)。

 今回は、コラムのほうでも触れた新しいファイントラックのレイヤードシステムを試す絶好の機会ともなった。

 初日はファイントラックの上野氏と野遊び屋の面々そしてぼくと、スタッフたちがベースレイヤー+アンダーウェア+ミッドレイヤー(+アウター)といういでたちで、とても冬山用のウェアリングとは思えないスリムなスタイルで快適に過ごしていたが、二日目はその軽快さを体験してみたいと、こぞって上野氏が用意してきてくれたサンプルに群がった。

 ダウンジャケットにフリースというのは確かに暖かいけれど、ハードに動き回るとすぐに暑くて脱ぎたくなってしまうし、何より着膨れして自由に動けないのがいただけない。その点、ファイントラックスタイルのスリムなレイヤードだと、動きが圧倒的に楽だし、一々脱ぎ着して温度調節しなくともベンチレーションシステムのおかげで着用したままで、幅広い温度差をカバーできる。

 べつによいしょするわけでなく、これは冬山はもとより、オールシーズンのアウトドアレイヤードの基本となりそうだ。
というわけで、ファイントラックのウェアリングで涼しい顔……スリムで軽快なスタイルでも中はヌクヌクの余裕顔の面々。背景は、南アルプスの前衛、入笠山方面。

 といったところで、 

 ご参加の皆様、ありがとうございました。また次回も盛り上がりましょう!

 

―関連サイト―

■野遊び屋「スノーシューツアー in 八ヶ岳」記事
http://www.noasobiya.jp/noasobi/event/snow/index.html

■ファイントラック「スノーシューツアー in 八ヶ岳」記事
http://www.finetrack.com/play/play_top.html

■スノーシュー動画
http://homepage.mac.com/yokoku/iMovieTheater11.html

■野遊び屋メインページ
http://www.noasobiya.jp/noasobi.shtml

■野外道具屋
http://www.yagaidouguya.com/

 

 


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山組出発進行!!


おいおい、まだ平地でっせ(~_~;)


いきなり急登


一気登り!!


ツェルトをタープ代わりにして大休止


ランチ目指して下山開始!


グツグツ煮えてる
クリームスープ


カレーとパパドム


大タープの下がレストランです


一日目終了
この後、温泉と宿での宴会


二日目は宿を基点に周辺を散策


樹林を抜け、沢に沿って進む


急斜面では尻セード


二日目もみんな元気です


樹林帯を抜けると、
そこは広大な雪原!!


今回メインで活躍したのは
MSRのスノーシュー
軽く、堅牢で
クランポンもしっかり効いて
登降りも非常に安定