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「…うれしく、ない。」

はっきり言って、顔を上げる。驚いたようなドイツの顔。
「何故だ?」
「だって、俺、独立なんかしたくない。…一緒にいたいんだ!」
ねえ、ダメなのドイツ、俺のこと嫌い?
ぎゅ、と胸を握り締めてそう言ってから、言わなきゃよかった、と思った。
どうしよう、もし嫌いなんて言われたら…!

怖くなりながら、それでもドイツを見ていたら、彼は困ったように笑って安心しろ、と言った。
「別におまえが嫌いになったから独立しろとか言い出したわけじゃない。」
「ほんと!?じゃあ、」
「が。…少しは俺の気苦労を減らしてくれ。」
笑いながらそう言って、急に言われて不安なのはわかるが。と続ける。
「おまえなら、やっていける。一人じゃない、兄と一緒なんだ。大丈夫だ。」
もちろん、俺も支えてやるから。安心しろ。
力強い言葉。安心できるその言葉が、頼もしくはあるけど…
…でもドイツ、そうじゃなくて、不安だとかそういうのじゃなくてさ、いや不安だけどさ、そうじゃ、なくて。

…ドイツと、一緒にいたいだけなのに。ドイツだから一緒にいたいのに。ただ、それだけなのに。
大好き、だから。


けど、それを言う勇気はなくて、てきぱきと話を進めていくドイツの言葉を、ただ聞いていることしかできなかった。

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