第四回  心の旅 

東京 パレスホテル      (’08 9月22・23日)
大阪 ホテル阪急インターナショナル (25・26日)



作品名 (新作6点)
(ご紹介文はケセラさま♪)


 
「短い夏(南フランス)」
ああこんな感じよね(テレビでしか見たことないけれど)。
建物の壁と露地にあたる陽の光と影のコントラストが絶妙。


「Parisの宙へ」
宙組さんに出た後だからこの「そら」?キャンバスの対角線上に
斜めに薄暗い空に黒く聳えるエッフェル塔。これは構図が個性的。
塔のライトも夕闇に映えて綺麗。

「PONTE VECCHIO」
暗闇の中、中央に橋、漆黒の空に小さく月が。対岸の灯りや橋が水面に映っている。

「Cloiter(Le Mont-Saint-Michel)」
これはもう皆さんご存知。薄暗い空を背景にモン・サン・ミッシェルが海に映って幻想的。

「街灯の露地」
 
みなさまと同じく、ラビックどこにいるの?って探してしまいそう。
そうそういつぞやこんな街灯のある露地思いっきり駆けてらっしゃいましたね^^

「永久に Gargouille」
これはどこからご覧になったのかしら?アップのノートルダム寺院の装飾像?
の向こうにぼんやり小さく町並みのようなものが、そのまた向こうは空。
アングルがとても面白いです。


他に これまでの作品20点




第四回「心の旅」トークショー


 
9月23日(パレスホテル・二回)26日(阪急インターナショナル)


お召し物など
(東京)
一回目と二回目では、お洋服も変えて、話の内容も違い、とても楽しく、また、絵に対しても真摯に情熱を傾けていらっしゃるご様子が話の端々から伝わり、清々しいTOM画伯さまでした。
お洋服、一回目は、ピンクのストライプのシャツ(これが とってもお似合い)の上にグレーのロングジャケット、その右胸元には、ピンク系(うす紅)の大きいコサージュ(バラ?)を。 
二回目は、黒いシャツ風ジャケット、胸元には左右に1個ずつブローチ(赤とグリーンの二色)を付けていらして、これがまたユニーク^^。もとはお帽子屋さんで求められたもので、ラメがキラキラと編み込まれて、その中にユーモラスにお顔が描かれているものです。
(大阪)
夢を描くお方にふさわしい素敵なファッションで、会場にお入りになるや、「おぉ〜〜〜!」とばかりに歓声がわきあがりました。竹下さんも、絵画的お衣装と絶賛。
 うすいオーガンジーのような素材 地色が濃いめのベージュ、雪のようにスパンコールが散っていて、お袖が和服のようになっていて、TOMさまも それが特にお気に召したように両手を上げて見せて下さいました。
スソに 金色きつねさんが刺繍されていて、服全体が 木々の枝で縦のストライプのように見えるのですが、そこに 雪のようにスパンがきらめいているのでした。そして ウエスト位置あたりには、ミヤビな屏風などに付いてるヒラヒラした帯に似た感じのリボンがエレガントに風になびいて。インナーに黒のタートル(これもラメのストライプ入り)をお召しで、それもまた芸術家な雰囲気でございます。

これまでの個展の時と同じく、穏やかな微笑みが絶えることのないTOMさまで、その幸せオーラに 会場も ふんわり優しい気に満ちているようでした。


<以下、三回分をまとめ、掲示板での皆さまからのご報告等もふくめて 内容を要約しました。>
皆さまからの 追加、修正案、お待ちしています^^。

個展開催について
初めての個展から 四回を重ねて 自分でも驚いています。
毎回、たくさんの方々が興味を持って下さって感謝しています。
今回は、「これまでの絵も見たい」というお手紙も数多く頂いたので、数点を出しています。
絵を描く時間
公演中は時間の余裕が無いので描きません。
描くときは、電話にも出ずに没頭し、夜まで描くことも。
舞踊会の振り付け等、先生のご都合があるものは、そちらを優先に。その時は、筆を扇に持ち替えて。。。
描くときは、汚れた手を こうやってちっちゃい子が お洋服で拭くように かまわず拭いたりするので、前面が真っ黒けです^^。
これまでの作品
「雨城」など何点かは お部屋に飾ってありましたが、大きい作品は 布をかぶせて 知人の倉庫に預かってもらったりしてました。
作品を見ると、その頃 どんな感じだったかなど なつかしく思い出したり。
今回 選ぶ時は 画集を見たりして決め、どれが一番のお気に入りとかは、その時々の気分や好みも変わるので 何とも言えません。ただ、旅行した所は、その場所にも愛着があります。
どの作品も、「自分で生み出した」という感覚がある。真っ白いキャンバスから作りあげたという。
それは 舞台とも重なる感覚です。ただ、舞台は消え、絵は残る。どちらも良し悪しは言えないけれど、いずれにしても、変化を目で確かめられるのが面白いです。
これまでの作品を 数えてみると100点近くになる。 習い事に「遅すぎる」ことは無いと実感しています。
(竹下さんに「大人になられたんですね〜」と褒められ「ええ やっと」と 小首をかしげて可愛くお返事されました)
今回の作品
(タッチが変わった事)
今年の夏に実家に2,3日帰った時に、かつてご指導いただいた先生の作品が飾ってあり、じ〜〜〜っと見てるうちに「そうだ、これが好きだった」と思い出しました。先生の魂がこめられた作品、そのタッチや色。10歳の頃に 油絵を描かないかと声をかけて頂いた喜びを。
今回のは少し厚塗りでしょうか^^。画法としては、下地に違う色を重ねて、筆のタッチを形付けて乾かし、そこに色を乗せていくもの。
そうした手法をふくめ、前回までは 絵の具の性質をよく知らなかったりして、下絵の処理を間違えたりした失敗もありました。
子供時代に習ったことから始めたが、本を読んで勉強したり、他の方からアドバイスを頂いたりして、変わってきたと思う。
(竹下さん:これまでは「癒し系」今回は 力強い感じで、何か心境の変化でも?)
私生活の心境の変化はございません(笑)
何事もそうですが、新しいことにチャレンジしたい。舞台もそうです。 好きな事をするなら、何か違う事に挑戦していきたい。
 今回は、それまでの細い筆(サザエさんの波平さんの筆)は使っていません。神経質な部分を隠しています^^。
(「神経質なんですか?」と竹下さんに聞かれ、ご自分の作品を見てそうなのかなと思われたそうで。『こんな小姑が居たらイヤだろうな』と、弟さんのお嫁さんを思われたとか(笑)
 「神経質」から、血液型の話題になり、TOMさまは「A型だと思うが、面倒くさがり」だとか。(血液型が不明な点を 指摘されてタジロガれたりなどして。) 竹下さんが「B型じゃないですね。Bは トンチンカンな方が・・・」とキッパリ(笑)
TOMさま 会場を見回し「B型の方、ムッとしてらっしゃいますよ」 (その後、血液型談義が繰り広げられましたが、文字にするとマズそうなかんじなので省略。)
「永久にGargouille」・・・ ノートルダム大聖堂が造られた時からずっと パリの景色をながめていたガーゴイルには 以前から惹かれている。キャンバスに下書きが細かく描いてあります。
「Parisの宙」・・・ 天空には 自分の中のイメージがこめられている。穏やかな気持ちや ちょっと不安げな思いなど。
「PONTE VECCHIO」・・・ ホテルの窓から見た風景
「街灯の露地」・・・ ラヴィックが走ってきそうと言われます。
ふるさとに帰られて
小さい頃より 道が細く感じたりしましたが、でも、変わっていなかった(笑)。(お母様から、「あまり”田舎”と言わないように」とのご注意がおありだったとか^^)
庭にバナナの木があって、子供時代は「滑るので行ったらダメ」と言われ、行きたくなって滑った、その木が今もありました。
球磨川の河原でのんびりしてみたり。
従兄弟(従姉妹)や親戚達の元気な顔を見たり、楽しかったです。
(では その風景を絵には?)トキメク場所は、やはりヨーロッパです^^。太陽の差し方が日本とは違うので、緑の色も違う、そうした色に惹かれるのかも。
<ご実家のお玄関には、お母様が描かれた100号の絵、中学二年の頃の轟様が たくさんのお花の中に立っていらっしゃる絵が飾られているそうです。>
(では、いつか お母様と 合同展覧会でも?)母も、仕事が忙しいので実現は無理かと思います。
ただ、自分も陶芸に興味があるので 母に聞くと、母方の祖父が陶芸家だったとか。そういう血筋があるのかもしれません。
(絵から陶芸まで、というと、片岡鶴太郎さんのようですね。)(「鶴太郎さんを目指して」と、何度か「つるたろうさん」と賛美される竹下さん。ファンの「え〜 素敵さが全然違うんだけど」的な視線を感じ「あら すみません」(笑)
「はい。宝塚のつるたろうさんと呼ばれるように頑張ります!」とお応えになる轟様に大爆笑。
スケッチ旅行のエピソードなど
これまで フランス イタリア イギリス(まだ描いてない)などに。
イギリスでは 子供のスリに友人が狙われました。
パリでは タクシーでちょっとしたトラブルがあったり、男性(違うタイプの^^)に間違えられたり。

モン サン ミッシェルに行こうと思った時に天候が大荒れとなり、ベルギーの運河に行きました。
そこで 男性に声をかけられ「結婚してくれませんか?」と言われました〜♪
(竹下さんが、思わず大声で「え〜っ うっそー!」と叫び、すかさず「たけしたさ〜ん」と抗議(大爆笑))
「そういう嬉しいこともありました。」とキッパリ。

絵の題材で惹かれるのは ヨーロッパの風景、特に おじいさん^^。でも描けませんが。
チュールリー公演を散歩している時に出会ったおじいさんが オシャレで素敵だったので、描きたいと思ったけれど、どうしても雰囲気が出せませんでした。 年齢がいった方の深み。人生を生きてらした素晴らしさを感じます。
 (「皆さまも 整形なんてしないでいいですよ。」とアドバイスありました^^v) シワも素敵。 いい表情がつくるシワ。自分の人生に自信を持ち 満足している。そう言う雰囲気を描き出したいです。
★後半は 客席からの事前アンケートでの質問を中心としたトークでした
色遣いについて
黒を基調とした絵について
  黒もいろいろあり、あたたかみのある??ブラック(不明)をよく使います。
  海を描くときは そこにブルーをどんどん混ぜます。
色の作り方。そして、轟さまは紫もお似合いですが、取り合わせなどのアドバイスは?
  緑も光の当たり方で違うし、青も どうしても出せない色がある。
 「私の色」が出せたらいいかなと思いながら描いてます。
  紫も(いろいろな紫があり)、合う色、そうでない色があります。まず小物から入られたらいかがでしょう?  
心を美しく保つために どうしていらっしゃいますか?
いや 下ごころ ありますよ〜(笑)。 みんな一緒です。
煩悩は誰しもあり、生きていくこと自体が修行であると聞いています。
でも、そういう煩悩を含め、楽しさも 悲しさも すべての感情を持っている人間で良かったと思っています。
平和な日本に生まれて良かった。
この両親のもとに生まれて良かった。
皆さまに こうしてお会いできて良かった。
すべてが勉強になり、いろいろな経験をして、人間として豊かに生きたい。
兄弟と血を見るようなとっくみあいの喧嘩をしたり、下級生時代には、楽屋でいたずらして怒られたり・・・
傷つけようと思わなくても心を傷つけ、残ることもあります。
でも、人の悪口を言う人は その倍 言われるし、グチを言う人ほど 自分が出来ていないと思う。
いろいろな壁にぶつかりながら、そこから学び、感謝していきたいのです。
(フェルメール展に行かれた方から)フェルメールはお好きですか?
好きです。 光の描き方が特に。 フェルメールの青は、宝石を砕いて使ったそうです。
光があると ほっとするし、人間にとって、光は憧れでもある。それを、キャンバスにどう表現するかは、影の描き方次第。
二回目あたりから 光を意識し 挑戦してきました。

(竹下さんが 客席に「皆さんにとっての光は 轟さんだって知ってますよ」とおっしゃり、会場 大いに受けました^^)
轟様、ちょっと考えつつ「できたら フェルメール展の”前”にこちらに来ていただき、その”後”で行って頂いた方が〜」とシャイな微笑みで。
絵の これから
(竹下さんから「二科展などへの出品は?」)
とんでもありません^^。
絵を描くにあたっての目標というものもありません。
世間にではなく、自分で認めたい。最終的に 自分でナットク、満足できたら目標に達したという事になるけれど、自分の中の追求心が「まだまだ」と言ってる限り描き続ける。 義務的にならないように続けていきたいです。
いくつになっても 感性を失わず、自分の表現方法として。
日本の風景(京都はお好きですか?)
京都、大好きで、以前は月に一回は行ってました。
四季を感じることのできる素晴らしい日本。特に京都は 空気が違う気がします。
以前、雑誌に「フランスのエスプリ・日本のエスプリ」という特集がありました。たとえば パリの建物は ドアがとても大きく、なのに中に入ると細い通路になっていて、更にその先が広い。京都の町屋に似ています。古い物を大切にするところも。宝塚の歴史もそうで、人々に支えられている。
富士山も いつも外国から帰って来ると その美しさに感動し、描きたいと思っています。
(お客様)絵を習いはじめましたが、なかなか難しいです
(TOMさま お目目がいっそう輝いて、身を乗り出すように嬉しそうにレクチャー始められました)
自分は小さい頃、近所の先生に教えていただき、その後は本を読んだりして勉強しました。
それによると 絵には方向性、たとえば、不快に感じる方向や、穏やかな方向などがある。ムンクの絵は その点で 不思議な構図になっているんです。
下書きデッサンの時には、縦と横に二本の線を引き、そこから形を取って・・・(と、とても熱心に語っていらっしゃいました)
『凱旋門』再演予定は?
 そういうご希望をたくさん頂きますし、それだけ皆様の心の中に生きていて、また見たいと言って下さって嬉しいです。
他から「再演するそうで」とウワサを聞いて ビックリ。一応 理事さんなんです(決定であれば一番に知っているはず)が、ひとつも聞いていません(笑)。
 舞台に二台のタワーを回さないといけないので 制約もあるのです。
「今の轟なら もっと出来る」と言われ、嬉しいけれどが、あれ以上をと思うと緊張します。
今後のスケジュール
<舞踊会>
 傾城、お引きずりです(ちょっと笑) その後、隈取り(くまどり)で、変わり獅子になります。
(女役で)振り向きざま 笑いが来るか 拍手がくるか(笑)。
お衣装がとっても重くて、立っているのがやっと。その状態で、扇を飛ばすのも大変。
龍(獅子)は、首を振るのではなく、腰から回すのですが、お稽古はじめの頃、首を回して痛めました^^。

<ディナーショー>
  アメリカ系がメインとなり ミュージカルナンバーなど。
  MCは苦手なので短く、その分 歌を多く
  (今回は 竹下さんが居て下さっているからお話が出来るけど、一人で立って客席に見つめられるとお話しにくいそうです(笑)

<TCAスペシャル ラ・フェスタ>
<雪組公演>
 日本もののショーは、二年半ぶりだそうです。
その後は ヒミツ^^。

何かと予定があるので、来年の個展開催は無理かもしれないとのことでした。
再来年にはきっと。(TOMさま)「その時は また竹下さんの司会で」(竹下さん)「生きていれば」に、「なんという〜」と大笑い。
( たくさんご予定ありそうで嬉しい^^)

ご挨拶
いつも言っていることですが、好きなこと(舞台)を仕事にし、趣味である絵を個展としてさせて頂き、とても恵まれています。
また こうして 皆さま お忙しい中を来て下さって、舞台以外なのに 興味を持って下さっていることに 愛を感じています。
そうした愛に 自分も心で返したい。この後の舞台で 倍にしてお返ししたいと思っています。
(大阪では 上記に加えて)
 自分個人としての生き方として、反省はしても後悔はしたくないので、 周りの方々から決めつけられずに思い切りやって進んで行きたい。 肩書きには興味がありません。一人の女性として いいシワをつくっていきたいです。
ファンの方々がいらして下さる事が 励みになります。 下級生からいろいろな事をもらって成長したいと願っています。

気候不順な折、体調管理なさって、また 皆さまの笑顔にお会いしたいです。


以上  例によってのメモ書きを 今回は、更に苦手な「まとめ」でのご報告と致しましたので、
文体もバラバラ、文章もメチャクチャで、お見苦しい限り、ご免下さいませ。 
いつかそのうち こっそり修正していけたらと願いつつ、とりあえずご報告させていただきました。

       やうこ