TCAスペシャル 2002
DREAM

舞台装置は、花組ショー「カクテル」のものだと思うのですが、ゴージャスなクラブのような雰囲気でした。
舞台奥左右にオーケストラ&女性コーラス、中央に5段の階段。
第一部
第1場 プロローグ
花組=春野・瀬奈・舞風・遠野(ピンクお衣装)から
月 =大和・霧矢・花瀬・紫城(黄色)、
雪 =朝海・貴城・白羽・麻樹(グリーン)
星 =安蘭・夢輝・叶・琴(水色)
宙 =水 ・久遠・ふづき・彩乃  以上 敬称略でご免くださいね。

「DREAM」「夢見る頃を過ぎても」「見果てぬ夢」「Beautiful Dreamer」「宝塚 我が心の故郷」と歌い継ぎます。
そして、「Forever Takarazuka」を、真っ白ラメのドレスに プラチナブロンドのボブヘアが可愛い檀ちゃん。
そうして 白く輝くプラチナ総スパンのお衣装のTOMさまがご登場して歌われます。
 とってもお元気そうなお顔、いつもながらの良く通るお声でお心をこめた歌声に、Takarazukaへの愛がしみじみ伝わるものでした。

そして、第2場、檀ちゃんとお二人になられて、TOMさまのご挨拶がありました。
「TCAスペシャル”DREAM”にようこそお越し下さいました。専科の轟悠です」 と始められ、東西に分かれて同時上演という初めての試みだという事、88周年という節目の時に、これまで宝塚が紡ぎ続けてきた夢を、皆さまと共に見ることの喜びなどを語られました。
それから、檀ちゃんと日生劇場「風共」での思い出話などを。 
 それが終わると舞台が暗転し・・、

3場 夢 ジプシー
 、それぞれ、水さんが、金ラメで「グラナダ」、霧矢さんが赤ラメで「情熱の翼」、久遠さん黒ラメ「ボラーレ」、大和さん青ラメ「タンゲーラ」を歌われ、情熱のラテン!でした。
で、その4人が どういうワケか「こんにちわ赤ちゃん」の音楽と共に舞台に集まり、中央スクリーンに それぞれの お子ちゃま時代のお写真が。そして、その頃の「夢」を語り(?)ます。

4場になり、夢 ロック
 貴城さん「青い影」(お衣装・白)、夢輝さん「ファイナル カウントダウン」(黒)、瀬奈さん「ショー マスト ゴー オン」(シルバー)。
 その三人が「我は海の子♪」で集まって、再びスクリーンで子供の頃の夏の思い出ショットを見ながら その頃の夢を。

5場です。かしげちゃんたちが、宝塚88年の歴史には 戦争という波風もあったことを伝え、TOMさまがご登場。
昭和26年 終戦後の困難な時代に新しい夢をもたらした懐かしの作品から・・と説明されて、
『虞美人』から「朱いけしの花」、 『ジャワの踊り子』から「恋を呼ぶ歌」
途中で登場の檀ちゃんとデュエットになり、お手を合わせられて、
♪二人の愛はつながれている♪って、歌われるのでした。しゅてきぃ〜。
そして、『花の饗宴』から「望郷の琵琶歌」と歌われるのですが、その時の表情や振りが 実にエレガントな”正当 男役スタイル”になっていらっしゃるんです。でもって、左手をひゃっと上げられると 曲想が変わって・・
『メナムに赤い花が散る』から「もののふの歌」で、男役さん10人がバックに登場です。
TOMさまが銀橋で そのエレガントな正当派ポーズのあれこれをご披露下さってる間は、春野さんが歌ってらして、で、
舞台中央でのTOMさまは とうこちゃんと向き合ったり コムちゃんとご一緒に踊られたりなさるの。
そしてTOMさまが 再び歌われるんですが、
「♪日の本の やまとの桜咲く♪」の「桜咲く」が すんばらしい声量で そりゃもう、感動的に歌い上げられるのです。
そして、舞台が真っ赤になって 気が遠くなったかと思うと暗転でした。

 それから、6場。娘役さん10人が ふんわりすみれ色のドレスで夢 レビュー「金と銀」
白とバイオレットの可愛いドレスの檀ちゃんが出て「唯一度の」。
その後で、檀、瀬奈・貴城で、音楽学校時代のお写真を見てのMCです。
なごやかな雰囲気が、次の7場で、夢 ジャズで ぐっとオトナのムードに。
コムちゃんの「ナイト アンド デイ」(「風共」で TOMさまのこれが聴きたかった!)
淡いグリーンのお衣装で、歌唱力もUPしてらして素敵でした。
そして、とうこちゃんがクリーム色のお衣装で、「キャラバン」(あの階段手すりをすべり下りるTOMさま、それにあの妖しさ!なつかしい!!)、
おさちゃんが澄んだ青い色のお衣装で「ビギン ザ ビギン」。
オサちゃんが歌い終わると、とうこちゃん、コムちゃんが ラインダンスしながら登場で、初舞台写真を見てのMC。

さーて!第8場、夢 ゴスペルで、TOMさまが「Walk him up the stairs」を歌われるのですが、かの幻の「ゴールドベサメ」をホーフツとさせるゴールドのお衣装で、ジャケットの身頃に金モールっていうのかしら、おヒモみたいなのがたくさん付いてるの。それに黒いシルクハット風お帽子です。
で、全員が登場して(黄色のお衣装)歌い踊って一部が終了です。


第二部
 1場は 夢 チャンピオン、
何やら「そっくりショー」が始まった、という女性司会者の声。審査員は檀ちゃんだそうですが お姿は見られません。

「ハート ブレイク ホテル」のオサさんが、長い前髪ともみあげを付けたプレスリー スタイルで登場。
その前髪を ブンブン振って キザに決めるのが大爆笑。
「ラブ ミー テンダー」のとうこちゃんも これまた前髪 もみあげ・・なんですが、ナント、前髪のふさふさは、綿みたいのが付いてるだけらしく、ちょこっと一部を取って 床に落としたりなさって。
かと思うと、きりやん かしげ ねったん まやちゃん達が皆 プレスリースタイルで「ジェイル ハウス ロック」を。
皆さんとってもカッコイイけど とっても笑えるんです。

次いで、今度は マイケルジャクソンのそっくりショー。
ムーンウォ−クしながら、あさこ・タニ・ミズさん登場。
黒い帽子から カーリーヘアが下がってるジャクソンスタイルは やはりカッコイイような笑えるような・・。
「スリラー」の曲でコムちゃんも登場します。
そして、そっくりショー司会役の女の子が「やっぱり 一番は宝塚の男役です!」と叫ぶと!いよいよ!!!!!!!

「マーママン マン マン」と あのシナーマンの歌声が高らかに始まって!
第2場 レジェンドは、もう もう やっぱり最高でした。
胸元にラメの入った黒いお衣装の上に深いパープルのコート(ガウン?)をお召しのTOMさまが、劇場に響き渡るお声で あのシナーマンを!
ビバーーーーーーーー(拍手)ーーーーーーーサンバ!
で息が絶え絶えになったのは客席の方です。
で、「ラ ラ ライライ」のアマールアマールですもん。
で、どうして生きていこうかと心臓を押さえていると、銀橋 下手付近で、さっとコートを脱がれ、
あの射るような、それでいて、ちょっといたずらっぽいマナザシで、体勢を変えられたと思ったら エリザベートの音楽が あの「キッチュ」に!
で、「美女の写真」(?)を三枚くらい持たれて、なんと客席に。
31番席通路にお座りの方々、なんと幸運にも、そのお写真がいただけちゃうかもしれませんぞ!
きゃー なんてこったい!走り寄りたい衝動を抑えつつ 涙も押さえつつ生きていく私。イスなんか なきゃ良かったに。

が、ふと あのパリの街角のなつかしのメロディー。
で、どうなると思います?
「灯火管制が あまりに暗くて 凱旋門も 見えない」って、おっしゃるんです。おっしゃるの!これで泣けなくて いつ泣けるでしょう。でもって「雨が 目に・・」と来たら・・。目にしみるなんてものじゃございませんその端正なお姿!
「雨の凱旋門」甘く切ない、とは まさにこの歌の心そのものなんですね。
すると これまた「スカーレット 幸せになってくれ。・・・」って、あの低く甘いお声で 遠いまなざしに憂いを秘めておっしゃるんですっ!おっしゃっちゃうの!ああ神様!
さよならは 夕映えの中で♪」と厳粛に歌い終わられて、舞台が暗くなると、あのナナメ前方傾斜のカッチョエエスタイルで、走り去られるお姿を 久しぶりに拝見できたのでごじぇえますだ。
脱力。
もう立ち上がれねえですだ。って マミーしてる場合じゃなかったですね。

3場になって、夢 ラ ムール。
真っ赤なお衣装の檀ちゃんが「アン フォゲタブル」を歌い、それから 出演者の思い出の歌、4場の夢 スター パレードになります。
バウや新人公演などで歌った思い出の曲を次々に歌い、客席もなつかしモードです。
で、
最後に、
「しあわせの月は空に高く♪」で始まる『愛 燃える』でございます。
この歌、次第に高まる曲想をTOMさまは ほんに見事に表現なさるんですね。
 「ああ 愛は」で、全身に電流が流れ、心が天空に舞うのでございました。。
今回ね、この一曲の中に あの物語が走馬燈のように浮かぶほど、表情が微妙に変化し、すばらしかったです。
幸せな愛の日々、嫉妬に苦しみ、幻影に悩む日々・・。皆 目に浮かぶ。ほんとなの!
で、「その光 求めて・・」 って細くて長い あのお指を暗闇にさしのべられ、あああ愛は・・って燃えていかれるんですわ。
そうそう お衣装は 燃える火の色そのものの真っ赤なフリルがいっぱいの あの「ジェラシー スーツ」でございます。なつかしい〜 まあね、あのラストの炎のお衣装だったら とも思ったんですけど、あれじゃ ちょっと場違いかも。

そして、5場、もうフィナーレ。「清く正しく美しく」。娘役さん、皆さま とっても可愛い方が多く、歌もお上手です。
そして、「フォーエバー タカラヅカ」。
TOMさまはプラチナ色の総スパンお衣装です。ご挨拶は ごくオーソドックスに「お名残は尽きませんが、お別れのお時間です」と。「すみれの花咲く頃」を客席一体となって歌い幕が下りました。
カーテンコールで、三度目は TOMさまが率先してオーケストラの皆さまに。

この幸せと感動の夢の余韻は 当分醒めそうにありません。