Mac改造大作戦
8.私のMac近況報告!

 ●ソフトウエアRIP 導入(T-Script5

 ポストスクリプトデータをプリントするには、ポストスクリプト対応プリンタを使わないとアートワークが綺麗にプリント出来ないのが普通だが、これはPostScriptと言うページ記述言語(一種のプログラム言語)を解析してビットマップデータに展開する行程を必要とするからだ。この処理を RIP(Raster Image Prosessor)処理と言う。
 通常ポストスクリプトプリンタにはハードウエアRIPが内蔵されているケースが多いが、進歩に合わせて簡単にバージョンアップ出来るソフトウエアRIPも存在する。特にプリントサーバを仲介するネットワークプリンタ環境でソフトウエアRIPが多く使われているが、個人で使うにはあまりにも設備投資が大きくて簡単に導入出来る代物ではないのだ。

 ところが、雑誌の広告を眺めている時ふと発見したのが今回のT-Script5 と言うソフトウエアRIP なのだ。定価\25,800-、米国Teletype社が開発し、日本の亘香通商が日本語化した代物だが、PostScriptのアートワークを普及型インクジェットプリンタ等で綺麗に印刷出来るという。ただしRIP処理のためにメモりを大量に載せないとうまく処理出来ないらしい。

 早速インターネットで情報を収集し、調べた結果導入する事に決定。メールでT-Script5を注文をした。ただし現在のメモリ144MBではどうも不安なので、金曜日の仕事帰りにいつもの秋葉館で64MB DIMMを2枚購入。合計272MBのメモリでT-Scriptをテストする事にした。
 ところで、メモリの値段はどこまで下がるのだろう。今回購入した64MB DIMMが、何と1枚\8,800-まで値下がりしていたのだ。昨年暮れにあわてて購入した32MB DIMMよりも安いではないか!
 まだ下がるかもしれないが、メモリを増設するならボーナス片手に今がチャンスかもしれない。


T-Script5レポート

 搭載メモリを272MBに増やしたので、T-Scriptへの割り当てメモリを102.66MBに設定。これはA-3サイズカラー出力に必要なメモリ割り当てが100MB程度以上とのマニュアルの記載による設定である。
 テストしたポストスクリプトデータは、カラーイラスト(Illustrator5.5J/プロセス4C/フォントアウトライン済み)、モノクロロゴ(Illustrator5.5J/スミ1C)、名刺(Illustrator5.5J/B-5サイズに4面付け/顔イラスト入り/フォントアウトライン済み)、写真(Photoshop4.0/350dpi/25MB/CMYK/EPS単一ファイル)、さらに先ほどの写真をIllustratorに配置したファイルの5種類。
 私の使用しているインクジェットプリンタHP DJ 850Cは、T-Scriptにスペシャルドライバが付属しているのでそのままソフト上からプリントが出来る。ただしプリンタドライバはLaserWriter8を使用し、PostScriptプリンタでT-Scriptを選択、さらにプリンタ記述ファイルでもT-Scriptを選択の上、T-Scriptの出力デバイスでDJ 8xxCを選択と結構面倒くさい。当然LaserWriter8を使用するのでAppleTalk使用、ポートはモデムポートに限定される。

 プリンタの設定に多少手間取ったが、無事接続していよいよテストプリント開始。最初に簡単なカラーイラストとモノクロロゴをIllustratorから直接プリント。アッという間にプリントされてしまった。そしてその出来具合はきちんと再現されている事に感心。T-Scriptを使わないとジャギジャギでしかも色が滅茶苦茶な出力となり、出力確認など出来る代物ではなかっただけに感動は大きい。
 次に名刺を出力してみた。これは手書きイラストをスキャンしてPhotoshopでパスを書き出したデータに色を付けているので、ポインタの数が多い。それを4面付けしているのでRIP処理に結構時間がかかった。プリント命令から出力開始まで約10分を要したが、一度処理が済んでしまえば2枚目以降はアッという間に出力が終わってしまう。
 次にEPS写真データをPhotoshopから直接プリントしてみた。さすがに25MBの実画像では処理に時間がかかる。30分後にようやく出力が開始されたが、画質はあまり良くない。しかしEPSファイルをそのままプリントすれば使い物にならないのだから出力確認用には十分使える。
 最後に先程の写真データをIllustratorに配置した物をプリント。こちらは15分で出力が開始されたが、画質は先程と同じである。しかしきちんと内容を確認出来る画質でプリントされたので一安心。
 プリントを良く見ると、線数は荒いがプロセス製版と同じCMYKの網点でプリントされている事に気がついた。写真だけプリントするならわざわざポストスクリプトにしないでビットマップのまま出力した方が綺麗だ。

 テストを終えてみて、T-Scriptは高価なポストスクリプト対応カラープリンタを購入しなくても、個人レベルなら手持ちのインクジェットカラープリンタと組み合わせて十分代用出来ると判断した。特にIllustratorを買ったがプリントが出来ずに困っている個人には朗報である。
 さらに余分にMacがあればプリントサーバ専用機としてそちらにT-Scriptを搭載しておき、ネットワーク経由でプリント命令をサーバに送れば、処理待ち時間からも解放される優れた使い方も出来る。


注  意
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