Mac OS 9 テストレポート

3.「OS 9」で DTP は問題無く出来るのだろうか?

 「OS 9」と DTP の問題については、私の良く訪問する DTP 関連の BBS 上でもさまざまな意見が交わされている。
 私の自宅のマシンの他に、最近仕事場のマシンも必要に迫られてG4/500(OS 9)にしたので両方からの検証結果をまとめてレポートしてみる。

 結論から先に申し上げると、多少手を加える必要はあるが、現在私の環境では両方とも問題無く OS 9 で DTP 作業が行えているし、トラブルも起きていない。


●テストマシンスペック

自宅マシン:
PM9500 + Sonnet製 G3/500MHz/1M CPU/メインメモリ=400MB/ビデオカード=ixMicro Ultimate Rez/VRam8MB/システムディスク=外付 I/O Data 20GB Ultra SCSI HD + Ultra SCSIボード(PowerDomain2930)/OS 9

業務マシン:
PM G4/500MHz/AGPモデル/メインメモリ=512MB/ビデオカード=ATI RAGE128 Pro/Vram16MB/システムディスク=内蔵 Seagate Barracuda 18G Ultra 2 Wide SCSI HD + Ultra 2 Wide SCSIボード(PowerDomain2940U2W)/OS 9

使用アプリケーション:
Quark Xpress 3.3J PPC/Illustrator 5.5J/7.0.1J/8.0.1J/Photoshop 4.0.1J/5.0.2J/5.5J


●OS 9 とDTPの問題点 その1
 
フォントの問題点

 Mac DTP業務用に使用するフォントはATM Type1フォントである。欧文フォントは問題無いが、和文フォントはプロテクトの問題やOCFフォントとCIDフォントの違い等でけっこう問題が大きい。

 現在DTP出力環境ではまだまだOCFフォントが主流であるが、ついに先日、2月末にモリサワのOCFフォントの発売と無料アップデートが終了してしまった。そして2000年7月末には有料アップデートの締め切り、2001年7月末にはOCFフォントのサポート終了と、モリサワフォントユーザーは対応に右往左往しているのが現状ではないだろうか。

 現状のこの過渡期に、はたしてどう対応すれば良いのか?これは私なりに調べ、検証した結果をまとめた結論であるが、OCFフォントが主流である場合の対応策である事をお断りしておく。


・G4 マシンへモリサワ OCF ATMフォントはインストール出来るのか

 まず最初に OCF ATM フォントを用意する必要があるが、すでに他のマシンへインストール済みだとプロテクトがかかっていて別のマシンへはインストール出来ない。(インストールした HD を認識してプロテクトがかかっている。同じ HD なら何度でも再インストール可能だが、HD をフォーマットしたり他の HD へはインストール不可。)
 モリサワのフォント流通課へ送ってプロテクトを解除してもらう必要がある。(サポートは2001年7月末まで。ぎりぎりだと混雑するかもしれないので、マシン交換を考えている方は早めに手を打っておく方が良いかも?)
 また、新たに OCF ATM フォントを購入する場合はすでに発売が中止(2000年2月末)となっているので在庫を探し回るしか手がないだろう。

 フォントの用意が出来たら、何らかの方法で G4 マシンで使用するシステムHD(G4 純正 ATA66 HDである必要は無い)をFD付きの旧マシンに接続してマウント出来れば可能である。ただしここで使用するHDの性能がそのまま OS が稼動するパフォーマンスとなるので、あまり遅いHDでは性能を生かせないので注意が必要。また、G4 の内蔵は SCSIではなくATA66 である事をしっかり頭に入れておいてほしい。さらに OS9 とフォーマッタソフトの相性もあるので、OS9 対応のフォーマッタソフト(B's Crew 2.1.7 など)でフォーマットする方が安全だろう。

 旧マシンにマウントしたHDに新たにMac OS(OS 9 の必要は無し)を構築し、AdobeのATM(OS のバージョンとの相性に注意)をインストール後に、いよいよ用意した OCF ATM フォントをインストール。ATMフォントがきちんと働いている事を確認出来たらそのままHDを旧マシンから G4 へお引っ越ししよう。

(私の場合、SCSIカードのPowerDomain2940U2Wを旧マシンのPM9500に取り付け、Barracuda 18G Ultra 2 Wide SCSI HD を接続したうえでここにOS9のシステムとATM4.5.2をインストール。これを起動ディスクとしたうえでモリサワ OCF ATMフォントのインストールを行い、そのSCSIカードとHDをそのまま G4 へ移す方法を取った。)

 次に G4 をシステムインストールディスクから起動して、先ほどお引っ越しした HD へ新たにシステムの作り直しを行い(G4 は OS9 +エナブラーが必要)、古いシステムからインストールした OCF フォントを移動し、ATM4.5.2をインストールし直せば準備完了である。
 ついでに CD から起動中に DTP で使用しない TTフォントも削除しておこう。ただしTTフォントの丸漢はもう存在せず、「丸漢エナブラー」なるファイルが1個だけあるので驚かないように。「丸漢エナブラー」とOsakaスーツケース、必要ならChicagoのみを残して捨ててしまう事をお勧めする。
 これは後で捨てようと思っても、別システムから起動中でないと不可能である。今まではシステムから「Finder」を移動すればフォントフォルダを自由に操作出来たが、OS9 ではこの手が通用しなくなったようだ。「Finder」をデスクトップに移動しようがどこへ移動しようが、フォントフォルダを操作しようとするとアラートが出て自由に操作させてくれない。システムCDから起動中に行っておく方が良いだろう。

 いよいよ準備完了、完成したシステムHDからの起動である。他にシステムがある場合は、コントロールパネルの「起動ディスク」で今回作成したディスクを選択しておこう。
 無事に起動したらアプリケーションは新たにインストールし直す事をお勧めする。まだ少ないだろうが、G4 の売り物の「ベロシティ・エンジン」に適応したアプリケーションの場合、新しくインストールし直さないと対応する書類がインストールされない事も考えられる。どうせやるなら全て新しく作り直して古いゴミを持ち込まない方がシステムは安定するはずだ。 皆さんのご検討を祈る。<(_ _)>



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