Mac OS 9 テストレポート

1.「OS 9」の七不思議?
 OS 9 をインストールしてみて、今までのOSと比べてアレ?と思う事がいくつか出てきた。題して「OS 9」の七不思議?として思いつくまま書いてみました。

●不思議その1
 
WorldScriptIIが消えた!

 OS 9 になって、KT 7 時代から言語表示を司っていたWorldScriptIIがついに消えてしまった。

 初期のKT 7 ではコイツがすぐに壊れて白紙アイコンになり、表示がおかしくなるので常にバックアップを用意しておく必要があったので重要書類の印象が強いが、OSのアップデートにしたがい壊れなくなり最近ではコンフリクトテストの時にこれを外さない事ぐらいしか意識が無くなってしまっていた。

 しかしこのWorldScriptIIがOS 9 では消えてしまった、と言うよりOpen Font Architecture(通称OFA)にビルトインされてしまい、書類としてのWorldScriptIIを必要としなくなったのだ。
 どうしても昔の文字化けの嵐を再現したければOsakaフォントを全て使用停止にすれば再現出来るが、こんなバカな事試すのは私ぐらいかも。・・・


●不思議その2
 
Osakaの丸漢フォントが消えた!

 今まで和文フォントと言えばスーツケースと丸漢が対になっていたが、OS 9 では和文システムフォントのOsakaに丸漢フォントが無くなってしまった。他の和文TTフォントも同じだ。そして「丸漢コンパチビリティ」なる見たこともない丸漢書類がたった1つだけインストールされるのだ。

 これは OS 8.5 からだが、丸漢の扱いが変わっていろいろとトラブルが起きていたのが OS 9 でようやく安定した感じである。特にDTP業務で文字表示が消えたり化けたり、フォントが壊れたりするのでは不安で業務に使用出来ないとの意見が多く、OS8.1まででアップデートを停止しているDTPユーザーが多いのではないかと思う。
 OS 9 でこれらの問題は解消された(一部、フォントベンダーのアップデート処理が必要)と考える。私の環境では今のところ特に問題は起きていない。


●不思議その3
 
FileExcangeがPCドライブを自動マウント!

 今までFD以外のPCドライブをマウントさせるためには専用のマウンタソフトを用意したり万能のB'sCrewを使う方法が一般的だったが、OS 9 のFileExcangeでマウント出来るようになった。

 ただしこれも相性があるようで、B'sCrewを使用する際にはFileExcangeのマウント機能をオフにするよう記述がある。
 もしFileExcangeと相性が悪くてうまくPCドライブをマウント出来ない場合には、FileExcangeのマウント機能をオフにしてみる方法もあるので試してみてほしい。


●不思議その4
 
便利で不便なソフトウエア・アップデート!

 OS 9 では、コントロールパネルのソフトウエア・アップデートで最新のOS情報をWEBを使ってアップデート出来る機能が新しく付いた。
 Windowsですでに行われている「ウインドウズ・アップデート」機能と同じだが、最近アップデートした内容が従来のようにFTPや雑誌のCDで配布されるアップデータの中に見あたらなくなってしまった。

 確かに最近のMacは「簡単にインターネットに接続」を謳い文句にしているのでWEB接続でのOSアップデートは便利なのだが、全てのマシンがインターネットに接続しているとは限らない。また回線の混み具合ではダウンロードに非常に時間がかかり電話代がかさんだり、ダウンロード途中で通信が止まってしまいアップデートがおかしくなる事も考えられる。さらに自分の環境がどこまでアップデートしたのか、きちんと把握する事が難しくなってしまった。

 従来のアップデータ配布も平行して行い、どちらでアップデートするかはユーザーの選択にまかせてくれると助かると思うのだが。


●不思議その5
 
中途半端な「アラートノフィキケーション」!

 OS 9 では、今までバックグラウンドで発生したエラーの点滅やアラートボックスの表示が変わった。
 ファインダ上に独自のダイアログ「アラートノフィキケーション」が現れ、ファインダ上で動いているアプリケーションとは別にアラートを告知してくれる。バックグラウンドで起きたエラーでもいちいちアプリケーションを切り替えなくて済むので便利になった。

 しかしこれは1つしかアラートの表示が出来ないので、2つ以上のアラートが発生した場合にはいちいちクローズボックスで閉じてやらないと次のアラートが表示されない。またエラーが解消されるとアラートが消えるのだが、従来のアラートボックスのように「OK」ボタンなどが無いため反対に不便を感じる事もある。

 特にメールソフトでメール着信のアラートボックスが出ると「OK」ボタンが無いので出たままになってしまい、他のアラートが全く表示出来なくなってしまう。
 「OK」ボタンでリターンキーを押せばアラートが消えた従来とは違い、いちいちクローズボックスで閉じなければならないのとアラートを1つしか表示出来ないのは中途半端だし、場合によってはジャマである。


●不思議その6
 
マルチリンガルは良いのだが、メニューバーが文字化け!

 OS 9 のインストールCDには、今まで別売りだったランゲージキットが全てバンドルされている。今までわざわざお金を出してランゲージキットを買った人達からは反感を受けそうだが、OS自体が「多言語対応」となり、Unicodeベースの文字処理が完成した結果である。

 ただしこれによって問題が発生する事もある。アプリケーションのリソース中の「言語仕様」が使用OSで指定した言語環境と合わないと、メニューバーやヘルプメニューが文字化けを起こすのだ。

 私の場合、Drag Thing でこの問題が発生した。解決策としては2つの方法があるが、この症状でお困りの方は以下の方法を試してみていただきたい。

対策1:
 ランゲージキットをどれかインストールし、ユーティリティの「Language Register」を残してインストーラでランゲージキットを削除。
 「Language Register」を起動して、問題のアプリケーションを選択して「Language」を「Japanese」に変更してやる。
対策2:
 「Res Edit」を使って問題のアプリケーションを開き、リソースの中の「vers」情報を探して開く。
 ここに「Country Code」のポップアップメニューがあるので、「00-USA」か「14-Japan」に変更してリソースを保存し直してやる。

 原因はマルチリンガルな OS 9 でシステムフォントが「言語仕様」に応じて「Charcoal」に変更されるため、「アピアランス」で指定したフォント(Osaka)と異なるために発生する現象である。「00-USA」の場合もOsakaに指定されるので問題無い。
 これは、完全に「多言語対応」になる前のOS8.6まででは発生しない現象なので、ここから OS 9 にアップデートする際には気を付けてほしい。他に「Anarchie」「NetFinder」などの英語版で発生する。


●不思議その7
 
Mac OSの弱点、ファインダ、フォントの扱い数が増大!

 DTPでMacを使用していて、フォントの積みすぎすぎでシステムが不安定になる経験をされた方は多いと思うが、これはフォントのインストール数128の制限の他にファインダの取り扱い数347の制限が重なって起きる現象である。
 特に和文フォントの場合、1書体にスーツケース1個と丸漢フォント2個の3ファイルが全てファインダの取り扱い数として数えられてしまうので、ファインダの347制限による問題も見逃せないのだ。

 OS 9 ではこの制限が拡張され、フォントは4倍の512まで、ファインダは何と8,169にまで拡張されたのだ。
 ファインダの拡張率に比べてフォントはたったの4倍かと思うかもしれないが、通常使用する上で頑張っても200フォントも開けば十分なのでまだまだ余裕の数字である。
 それよりも、ファインダの制限が20倍以上に拡張された事はシステムの安定面での恩恵が大きいと考えるし、おそらく今後の OS やアプリケーションでシステムファイルやプラグイン等の数が増加した場合の対応策ではないかと考える。

 フォントの扱い数のテストについては、他のページで詳しいレポートを載せたので是非参考にしていただきたい。


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