Mac改造大作戦
8.私のMac近況報告!

 内蔵用 Fast SCSI へ外部機器を接続!

 現時のPower MacのほとんどがSCSIを2系統持っていて外部よりも内部の方が早い事はすでに述べたが、外部接続機器の転送速度をもっと早く出来ないかと常々考えていた。一番良いのはSCSIカードを増設する方法だが、コネクタの形状が従来と違うのでカード以外にケーブル類も交換しなければならない。さらに内部SCSIがWide SCSI、Ultra Wide SCSI になるので対応機種を使わないと意味がない為そこまで必要はないのだ。
 たまたまゴールデンウイークの最終日に久しぶりに秋葉原へ出かけてみたところ、ついに最適な部品を発見。PCI拡張スロットの蓋へ取り付け、内部SCSIケーブルを外部のフルピッチSCSIコネクタへ引き出す部品である。値段は1個\1,480-とずいぶん安い。

 マック改造大作戦を公開してからつい衝動買いをしてしまい、そろそろ金銭的に引き締めないとかなりヤバイ状態だ。今日はこれを2個購入したところで打ち止め。交換用内部SCSIケーブルが必要と思うが、じっくり考えた上で再度購入する事にした。

 現在私の内蔵SCSI接続機器は4つである。ここから外部へ内部SCSIを引き出すにはあと1つ端子があれば良い訳で、5/15(金)に会社の帰りに秋葉館(最近金曜日はPM12:00まで営業している)へ内部SCSIケーブルを買いに立ち寄った。予定通り5つの内蔵機器接続用のSCSIフラットケーブルである。いよいよFast SCSI を外付け機器に接続改造の開始だ。


 今回の改造にはいくつかの知識が必要なので、先に説明しておく事にする。

 まずは内部 SCSI のターミネータ処理だが、普通はID7番のマザーボードとID0番の標準ハードディスクをターミネータオンとし、その間に他の機器をチェーン接続している。つまりマザーボードを始点とし、CDドライブ等の接続機器を間に挟んで終点が標準HDとなっているのだ。
 今回の改造では終点からさらに外部へ内部 SCSI を引き出そうと言う事なので、標準HDのターミネータをオフ
*にする必要がある。そして外部に引き出した内部 SCSI の最終にターミネータ処理を施すのだ。

 次にPM9500のPCIバスだが、マザーボードには2つのPCIコントローラが付いており、それぞれ上の3基用と下の3基用で別々に作動するようになっている。しかし上のコントローラはPCIバスだけではなくFDやCD等の入出力関係も扱っているので、出来ればPCIバスのみを扱う下3基用のPCIバススロットを利用した方がコントローラに負担をかけずに済む。早い話が6基のPCIバススロットの内上3基は出来るだけ空けておけと言う事である。
 今回の改造ではPCI拡張スロットの蓋の部分のみを利用するので、空けてある上3基部分へ取り付ける事にした。
*PM9500/120に標準で付いているHDはIBM製のDPES-31080だ。このHDのジャンパピンセッティングは米国IBMのホームページで紹介されてるので、調べたい方はクリックすればリンクへ飛べるように設定してある。是非活用してほしい。


 いざ改造を始めようと本体のケースを開け、ケーブルの長さを合わせてみて困ってしまった。ケーブルをどう引き回してみても長さが足りないのだ。内蔵ベイをフルに活用している為、スロットの口数はピッタリなのだが外部端子まで届かない。急いでもっと長いケーブルを買いに再度秋葉原へ。くやしいので駅前の店で何とかしようと探し回ったが、6基・7基用のケーブルはどこにもない。結局歩き回った末昨日と同じ秋葉館で7基用\1,980-を購入。合計\3,460-の費用である。

 次に困ったのがケーブルコネクタの方向の問題である。コネクタには間違えて逆に接続しないように片側に突起がある。これが接続機器の上方に来なければならないのだが、そうするとケーブルを逆向きにセットしなければならない。そうなるとコネクタが1つじゃまである。いろいろ考えた末、対応策を見付けたので手順の中に紹介しておく。
 今回の方法は金額的に安く出来るが結構手間がかかる。これと同じ目的の改造キットが販売されているので、内蔵機器の接続数が間に合えばそちらを利用した方が手っ取り早いかも知れない。

SCSI 改造手順
 最初にPCI拡張バスの蓋を交換してしまおう。上から2番目の目隠し用の蓋を外し、今回のコネクタ付きの物と入れ替える。手前の爪を赤矢印の方向に開けば簡単に手前へ抜き取れる。下は交換後の状態だ。
 次に標準HDのターミネータをオフにする作業だ。ジャンパピンの詳しいセッティングはIBMのホームページで調べてもらうとして、下の写真の下から6番目のジャンパピンを外せばターミネータがオフになる。

 次にSCSIケーブルの処理だが、その前に本体のSCSIケーブルを外してしまおう。これが結構参考になるのだ。

 本体上部のスピーカーユニットを固定している矢印の方向へずらし、手前を上に引き上げれば簡単に外れる。スピーカーケーブルを切断しないように注意。

 で囲んだ部分が今回のケーブル処理の参考部分である。マザーボードに接続している矢印部分のコネクタを外し、参考部分の形状を保ったままケーブルを取り出してしまおう。
 ここでいよいよ交換用のSCSIケーブルの加工である。ケーブルはコネクタの間隔が広い方が本来マザーボードへ接続される部分だが、これをMacのマザーボードに接続してしまうとコネクタの突起が逆になってしまう。ここで先ほど取り外したケーブルをよく見て欲しいのだが、ケーブルを逆向きに使っている事が判る。マザーボードに繋ぐ部分はケーブルを折り返して使っているのだ。それならこのケーブルも同じように加工してしまえば問題ないはずである。
 上の写真ののコネクタは不要なので取ってしまう。ケーブルを切断しないように注意して壊してしまえば良いだけだ。次にのコネクタをマザーボードに取り付ける為に加工する。
 コネクタの裏にあるバーを取り外して、ケーブルを折り返してからバーを元に戻す。バーの取り外しはコツが必要なので、上手く行かなければ後から接着剤で接着してしまった方が簡単だ。
 上の写真のように仕上がればケーブルは完成だ。あとは取り外したケーブルと同じように折り返し、90度方向転換させた上で内蔵機器につないで行けば良い。そしてケーブルの最後をPCI拡張バスに取り付けたコネクタへ接続して完成。
 このまま外部機器へ接続しない場合は必ずターミネータ処理をしておこう。あとはここから外部機器へケーブルで繋げば内部 SCSI 機器として認識されるが、Fast SCSI に対応していない機器は転送速度は変わらないので意味はない。対応している物をここに接続するようにしよう。くれぐれも接続機器の最終にターミネータ処理を忘れない事と、内部 SCSI ID がダブらないように注意して欲しい。
 この状態で外部 SCSI ID は7番以外の0〜6番全てが使えるが、ソフトで立ち上げるスキャナ等は場合によって内部 SCSI と外部 SCSI を区別しない場合もあるので、テストの上じょうずに組み合わせて使ってほしい。
 標準のケーブルよりも交換したケーブルの方が長いので、内部の放熱効果がどうなっているか心配は残るが無事改造は完成した。ハードディスク2段重ねにも放熱の心配があるので、このまま今年の夏を無事乗り越えられるかしばらく様子を見たいと思う。


追伸
 上記放熱の問題であるが、無事1998年の夏を乗り切った事を報告する。さすがにCheetahクラスの超高速HDでの2段重ねは危険だが、5400rpmならおそらく大丈夫である。ただし熱を持ちやすいHDの方を上に重ねるようにセットしてほしい。


注  意
当ホームページに掲載されている内容により発生した故障、事故などの利害関係につきましては、当方は一切責任を負いません。Macの改造は個人の責任において行ってください。
また、Apple社の保証期間内でも個人の改造により保証が無効となる場合がありますので、十分ご注意ください。


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(1999/2/1より.or.jpドメインは上記.ne.jpドメインへ変更されます。)