超高画質なMD-5000の性能をフルに活用するには、写真データの最適解像度を知る必要がある。当然解像度を高くすれば画質は良いが、プリントに無駄な時間がかかってしまう。かといって低すぎれば性能を生かし切れない。最適分岐点を見つける事が上手な活用法だ。
マニュアルに適正値の記述があるかと探したが2400dpiでプリントとあるだけで最適値の記述は無い。それならば自分でテストしてやろうと思うがむやみに行ってもサンプルの点数が増えるばかりで効果的ではない。
たまたまカタログを見ていると「専用フィルムに2400dpi(190lpi)」「MFインク使用で普通紙に2400dpi(145lpi)」との記述を発見。lpi(ライン・パー・インチ)は印刷製版の線数に相当する値である。
製版DTPでは、写真データの解像度(dpi)を線数の2倍以上にするのが常識である。これが最適解像度を求める参考値になるはずだ。つまり専用フィルム用には190lpiの2倍、380dpi以上が最適値となり、MFインク使用の普通紙には145lpiの2倍、290dpi以上が最適値になるはずである。
この値を参考にしながらテストサンプルを作成、プリントを行う事にした。サンプルは現在作成中の年賀状データである。35mmリバーサルフィルムをNikon
COOLSCANIIで原寸2700dpiにてスキャン後、Photoshopで画質をそのままに画像サイズのみを目的サイズに拡大。この状態で666dpi(20.1MB)となった。
次に画像サイズをそのままに解像度を下げたサンプルを作成。先ほどの参考値、380dpi(6.8MB)、290dpi(4.1MB)、さらに200dpi(2MB)、144dpi(1.1MB)のサンプルを作成しプリントを行ってみた。
結果は666dpi、380dpiには全く差が見られない。290dpiでは文字に多少のジャギが見られたが写真には差が見られない。200dpiでようやく写真に多少の差が判別出来る程度。144dpiではかなり差が出て来た。
結果としてlpiから計算した値通り、380dpi以上に設定すれば問題なく最高画質で印刷出来る事が判った。しかし、この値は大変な値である。商業印刷で通常使用する線数は175lpi、画像解像度350dpi以上であるから、実際に商業印刷で使用するデータをMD-5000でプリントしても全く遜色無く印刷出来るという事である。やはりスゴいプリンタだ。
私の設定値としては、今後400dpiを目安としてデータ作成を行う事にした。この値だと35mmフィルムをCOOLSCANIIでフルスキャンした状態でほぼ印画紙の4ツ切りサイズになる。
この状態で昇華プリントを行っても4ツ切りプリントよりもはるかに安いコストで済んでしまうし、色調を自分のイメージ通りに調整できる楽しみもあるのだ。
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