7.QXP縦組み文字送りトラブル!
(フォントチェック作戦)

 QuarkXpressで縦組みして、フイルム出力したら文字送りが変わってしまった。
 自分の所でのカンプ出力やモニタではちゃんとなっているのに、何でフィルム出力するとおかしくなるのだろう。
 これじゃ安心して制作進められないし、どうやって直したら良いのかわからないじゃないか、助けて!

 これは、制作側と出力側でフォント環境が揃っていない事が原因。QuarkXpress3.3Jは縦組みの文字送り情報を特殊な方法で得ているため、代用フォント等を使うと文字送りが変わってしまうのだ。
 さらにたちの悪い事にアラート無しにフォントを置き換えてしまうので、フイルム出力の際にチェックする手段が無いのだ。制作側で正しいフォントを使うしか防ぐ方法がない。
 私の作ったフォントチェックシートをダウンロード出来るようにしたので、この
フォントチェック作戦でフォントに問題がないか調べてみてほしい。
 トラブルの無いデータ作成のために、是非出力側と同じフォント環境を用意してほしい。

縦組みフォントチェック・ダウンロード

(hqx.45KB)


なぜQuarkXpress3.3縦組みドキュメントは文字のリフローや文字送りが変わるのか。

 OCFフォントをQuarkXpress3.3上で縦組み使用すると、フォントによって文字の送りが異なるものがある。
 これはQuarkXpress3.3が縦組みの文字送り情報を得るのに、フォントスーツケースの中にあるリソース情報であるWidMax値を参照しているためである。(ResEditでフォントスーツケースを開くと、この値を確認出来る。)
 このWidMax値は本来Quick Drawがモニタにフォントを描画する際の作業エリアを確保するために参照する値なので、これを文字送り情報として参照するQuarkXpress3.3に問題があるのだが、4.0ではこの値を参照しないように変更されている。ただし3.3で作られたドキュメントを4.0で開く場合にのみ、文字送りの変更を防ぐためにWidMax値を参照するように設計されているのだ。

 CIDフォントのWidMax値はM中ゴシックBBB以外は全て「4096」に統一されたが、OCFフォントでは、LリュウミンL-KL=「3866」、M中ゴシックBBB=「4157」、B太ミンA101=「3883」、見出ゴMB31=「3993」となっている。(CID M中ゴシックBBBのみ「4157」のまま。)
ResEditでフォントスーツケースのリソースをオープン
LリュウミンL-KL=「3866」 M中ゴシックBBB=「4157」
B太ミンA101=「3883」 見出ゴMB31=「3993」

 TTフォントは全てWidMax値が「4096」になっているので、OS標準の「細明朝体」、「中ゴシック体」で編集したドキュメントをPSフォントのみの環境で開くと自動的に「細明朝体」は「LリュウミンL-KL」に、「中ゴシック体」は「M中ゴシックBBB」に置き換えされてしまう。その結果、細明朝体は文字間がつまってしまい、中ゴシック体は文字間が広がって文字のリフローが発生するのだ。
細明朝体=「4096」 中ゴシック体=「4096」

フォントチェックの使い方
 このドキュメントは、WidMax値の異なるLリュウミンL-KLM中ゴシックBBBB太ミンA101見出ゴMB31の4書体それぞれを11ポイントで流し込んだうえで文字のかかる部分に色枠を配置してある。リュウミンR-KLと新ゴLは参考として入れておいた。

 また、細明朝体中ゴシック体使用禁止フォントなので赤枠にしてある。それぞれ枠の中に収まる場合には問題がある。「細明朝体」は「LリュウミンL-KL」に置き換えられて枠より短く、「中ゴシック体」は「M中ゴシックBBB」に置き換えられて枠より長くなればきちんとしたOCF PSフォントが搭載されている状態だ。もしも枠に収まってしまう場合にはTTフォント、またはCID PSフォントが搭載されている事が考えられるので、OCF PSフォントのみの環境に揃えておいてほしい。また、「M中ゴシックBBB」「中ゴシックBBB」「中ゴシック体」と紛らわしいフォントが3種類存在するが、出力側で使用しているフォントは「M中ゴシックBBB」だ。他のフォントを使用した場合、「M中ゴシックBBB」に置き換わった際に文字溢れのトラブルが発生しやすいですので必ず「M中ゴシックBBB」を使用してほしい。

 現在CIDフォントは製版で出力体制が整っていないので、システムフォントはOCF PSフォントのみでの制作をお願いする。(1999/8/30現在、私の仕事場での出力環境)


 いかかでしょう、正しいフォントが搭載されていたでしょうか! 

 フォントはほんとに難しい!なんてバカ言っている場合ではない。正しいフォントで作業しないと、フィルム出力の際にトラブルが起きるのは目に見えているのだ。
 しかし、はたして自分のフォント環境が正しいのか間違っているのかをチェックする手段はほとんど無いのが現状である。トラブルが起きて、初めて気が付いたのではもう遅いのだ。フィルムの再出力費用は当然制作側が払わなければならない。

 こんな時のために、是非このフォントチェック作戦を実行しておいてほしい。もし疑問があればResEditでフォントスーツケースのリソースを見る事でWidMax値を確認できるので、そんな時は確認してみてほしい。

 モリサワからようやくNew CIDフォントの流通が開始された。それに伴い、OCFフォントのリニューアルの情報や、OCFフォントのサポート打ち切りの情報も流れている。
 確かに1バイトフォントにバッチを当てたOCFフォントでは今後の展開に対応が難しいし、PDFファイルへの文字の埋め込みも出来ないのだから、いずれはCIDフォントへと切り替える必要がある事はわかるが、過渡期に対応を間違えるととんだトラブルを引き起こす。
 今後、出力環境のCID対応状況をしっかり把握し、上手く過渡期を渡りきって行かなければならない。ただし、現状ではOCFフォントが出力環境の標準である。New CIDフォントで混在が可能とうたってはいるが、ソフトによってはCIDフォントが優先されてしまうものもあり注意が必要である。まずは正確な情報を手に入れて、トラブルの起きないようにしてほしい。

 こんな私の実験が、少しでも同じDTPに携わる皆様へのお役に立てれば幸いです。


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