ご安心あれ!パスの作り方に特に問題は無い。EPS保存の際に、プレビューをTIFFにするとレイアウトソフト上でプレビューがおかしくなる場合があるのだ。
こんな時はPhotoshopで画像を開き直し、プレビューを Machintosh 8bit か Machintosh JPEG
にして保存し直せばちゃんと見えるようになる。名づけてTIFFはヤメテ!作戦。いろいろなレイアウトソフトに配置して検証してみたので、是非参考にしてほしい。
この現象は、レイアウトソフトの種類、バージョンによってさまざまである。一番極端なのはQuarkXpress3.3に配置した場合だが、プレビュー画像がメチャクチャ歪んでトリミングや位置合わせが出来ないぐらいひどくなる。
またIllustrator5.5以前では、配置画像のプレビューが消えて見えなくなってしまい、手の打ちようが無くなる。さらにIllustrator7.0では、切り抜きの外側の画像ボックスが白く残ってしまい気味が悪い。Illustrator8.0は特に問題無いが、他は全滅である。ただし、全てプレビューの問題だけで出力はちゃんとなされる。
以下にそれぞれを検証した結果を載せたので、TIFFプレビューEPSの現象を理解し役立ててほしい。
これが今回配置する画像である。
パスは単純な楕円を描いただけだが、複雑なパスを作ってプレビューがおかしくなったら、せっかく作ったパスに問題があるのかと冷や汗ものである。
これをEPSにして、プレビューを通常のMacintosh 8BitとTIFFにしたものを用意してさまざまなレイアウトソフトに配置してみた。
切り抜き状態が判るように、レイアウトソフトのバックは黒く塗りつぶしておいた。 |
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Illustrator5.0J
上がMacintosh 8Bitプレビュー画像、下がTIFFプレビュー画像を配置した結果である。
TIFFプレビュー画像は、画像ボックスはあるがプレビューが完全に消えてしまって見えなくなってしまっている。
画像を回転させるとプレビューが消える現象が起こるが、これはまったく問題が別なので判断に迷うケースだ。
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Illustrator5.5J
上がMacintosh 8Bitプレビュー画像、下がTIFFプレビュー画像を配置した結果である。
これも上の5.0Jと全く同じで、完全にTIFFプレビューの画像が消えてしまった。
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Illustrator7.0J
上がMacintosh 8Bitプレビュー画像、下がTIFFプレビュー画像を配置した結果である。
これは今までと違い、配置画像は現れるが切り抜きの外側の画像ボックス(バウンディングボックス)が白く残ってしまう。
出力には問題無いのでそのままでも良いのだが、やはり何か気になる。
パスを書き出してマスクしてしまう手もあるが、そんな手間をかけるよりもプレビューを変えて保存し直そう。
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Illustrator8.0J
上がMacintosh 8Bitプレビュー画像、下がTIFFプレビュー画像を配置した結果である。
8.0でようやくTIFFプレビューがきちんと切り抜きされて問題無く出てきた。
これなら問題無いが、おそらくWin版Photoshop4.0でEPS保存の際、TIFFプレビューしか付けられないための対応だろうと思われる。
DTPソフトもプラットフォームレスの時代である。Winの画像データをMacで利用する場合、当然TIFFプレビューの問題が発生するケースが出てくるだろう。
是非この現象を記憶しておいて、役立てていただきたい。
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QuarkXpress3.3J
上がMacintosh 8Bitプレビュー画像、下がTIFFプレビュー画像を配置した結果である。
これがTIFFプレビューの問題を発見するきっかけとなった現象なのだが、見たとおりTIFFプレビューでは画像が完全に歪んでしまう。
まだ単純なパスだから歪みは少ないが、複雑なパスの場合には目も当てられないほど歪んでしまって、画像の位置合わせなど出来た物ではないのだ。
この現象が出たら、すかさずプレビューを変更してしまおう。
この現象は、DCSの場合も同じである。画像を貼り込む場合にDCS5ファイルのうちプレビューデータだけで貼り込む場合が多いが、5ファイル揃っていないと画像を開いてプレビューフォーマットを変更できないので注意が必要だ。
至急5ファイルを取り寄せるか、フォーマットを変更したプレビューデータをもらい直そう。
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今回テストに使用したTIFFプレビューEPS画像をダウンロード
出来るようにしました。お試し下さい。 |
(.sit.hqx
484KB) |
いかかでしょう、これで問題解決!ちゃんと配置画像が見えるようになったでしょうか。
この問題はAdbeのホームページのソリュージョンデータベースのWin版Illustratorの項目にちゃんと事例が掲載されています。
Win版のPhotoshop4.0では、EPS保存する際にTIFFプレビューしか選択出来ないらしく、これをIllustrator7.0に配置すると問題が起きるとの事。解決策としてPhotoshop5.0を使うか、パスを書き出して、Illustratorで画像をマスクすれば良い!なんて書いてありますが、天下のAdbeがずいぶん無茶苦茶な事言うなとあきれてしまいました。(TIFF以外のプレビュー付けられるアップデータでも出せば良いのに)
幸いMac版はTIFF以外のプレビューが選択できますので問題はありません。私が勝手にTIFFはヤメテ!作戦などと名前を付けてしまいましたが、配置画像の見え方がおかしいと思ったら是非思い出して下さい。
問題にぶつかって、原因がわかれば他でどうなるか検証してみる。他でもトラブルが起きれば現象を記憶しておいて、次回に備えておく。この経験がいつか問題解決につながれば、してやったりとまた嬉しくなるのだ。
こんな私の実験が、少しでも同じDTPに携わる皆様へのお役に立てれば幸いです。
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