3.絞りと被写界深度



 被写界深度とはピントの許容範囲の事で、厳密にはピントの合う距離は一カ所だけですがピントの合っているように見える範囲は前後に幅があります。

この幅は、絞り・距離・レンズの画角によって変化します。


下の表は、UWニッコール20mm f2.8レンズの被写界深度表です。
撮影距離(m) 被写界深度(m)
f2.8 f4 f5.6 f8 f11 f16 f22
無限 無限〜4.34 無限〜3.06 無限〜2.20 無限〜1.55 無限〜1.11 無限〜0.80 無限〜0.60
3 30.3〜1.60 無限〜1.34 無限〜1.10 無限〜0.88 無限〜0.70 無限〜0.53 無限〜0.42
1.5 2.62〜1.06 3.89〜0.94 11.4〜0.83 無限〜0.70 無限〜0.59 無限〜0.47 無限〜0.35
1 1.37〜0.79 1.63〜0.73 2.21〜0.66 4.85〜0.58 無限〜0.50 無限〜0.42 無限〜0.32
0.7 0.85〜0.60 0.94〜0.56 1.09〜0.52 1.45〜0.48 2.51〜0.43 無限〜0.37 無限〜0.32
0.5 0.56〜0.45 0.60〜0.43 0.65〜0.41 0.75〜0.38 0.93〜0.35 1.64〜0.31 3.00〜0.28
0.4 0.44〜0.37 0.45〜0.36 0.48〜0.35 0.53〜0.33 0.61〜0.31 0.81〜0.28 1.40〜0.25

上の表でわかる通り、1mで、f4の時には0.9mの被写界深度しかなかったものが、f8では4.27mもの被写界深度となります。

 レンジファインダーカメラでのピント合わせは目測のため、出来るだけ絞って被写界深度を深くし、距離の誤差をカバーする事が重要となります。
 また、レンズに広角がよく使われるのは、水中での光の屈折率が違う事もありますが、被写界深度を稼ぐ事を目的とする部分が大きな要因です。

ニコノスのレンズ(20mm f2.8を除く)にはこの被写界深度を表示するための特別な機構が付いており、一目で被写界深度を知る事が出来ます。



レンズ上部の距離を示す窓の中に、絞りと連動して動くマーカーがあります。
このマーカーの中が被写界深度の距離を示しています。



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