八蔵園だより 第36号 2022年4月10日

新茶のお便り
 今年は平年並みの様子で、
5月から始まりそうです。


毎年、私のみで書いてきたこのお便りですが、今回はパートナーの礼恵からもご挨拶いたします。
礼恵には、袋詰めと発送を一手に取り仕切ってもらっています。

礼恵より
 春野に嫁いで二十年余りが経ちました。この二十数年間、家事や子育てに追われ正直、農作業に費やす時間などほとんどありませんでした。(単に要領が悪かっただけかもしれませんが・・・)

 しかし、末っ子の高校進学を機に昨年から長時間の作業が可能になりました。今は専ら草取りに追われています。我が家も近年、乗用での摘採が主流になったため茶の樹の畝(うね)が長く、3時間草取りをしても二畝分くらいしかできません。

 いつもは諦めて茶の樹の上まで伸びてしまった草だけを取っていたのですが、草がまだ小さいうちなら楽だからと、今年は気合を入れて取り掛かっています。地味で根気のいる作業ですが、取り終えてきれいになった畝間を見ると、清々しい気分になります。
私も一生産者として、皆様に美味しいお茶をお届け出来るよう、これからも取り組んでいきたいと思います。
ほうじ茶
 ほうじ茶は、私たちの地元ではあまりなじみがなかったのですが、近頃は作るようになりました。
あの加賀棒茶の原料も、静岡県産一番茶の棒と聞きます。当園でも色々と試してみましたが、香りと味が格段に引き立つのは一番茶の棒というのが分かり、これを原料にしています。

 まず棒を選別してから、乾燥機の強火にかけ乾燥させます。次に熱した鉄または砂で一気に熱を加えると、中の糖分がポップコーンのように爆ぜて膨らみ、ここに香ばしさと甘みの秘密があります。またこの高温でカフェインが昇華されて減少するため、苦渋みが抑えられます。

 有機栽培は「糖」の基になる「炭素」も大事に考えています。まだ研究途中ですが、結果を出していきたいと思っています。
今年も八蔵園のお茶をよろしくお願いします。