魂の国、ミソロギア。
四海に囲まれ、三つの月の浮かぶ、緑と光の溢れる世界。
YASHIROシステムの力を借りて、イルザークが電異の海に浮かべた世界も、本人の意識の中にあるミソロギアのイメージが色濃く出た世界となっていた。
(ミソロギア、今ごろ皆はどうしているものか……)
イルザークがこの世界へ萌えフォースを集めに来ている間、八王家のうち残りの七王家の軍隊が、暗黒龍の軍団を相手に必死の防戦を展開している筈である。
八つの力が揃ってなお、暗黒龍とは互角。うち一つを欠いたままでは、苦戦は免れ得まい。
(もってくれよ……)
イルザークに出来るのは、祈ることだけだった。
そんな中、ロワイヤルの第一ターンが終了した。結果、まぐ菜がイルザークの萌え結界から弾き出される。
(まぐ菜か。序盤から良く動いてくれたものだったが……)
本当にこれで良いのだろうか。一抹の不安が脳裏をよぎる。
だが、もうミソロギアには時間がない。時間がないのだ。
戦え。萌やせ。萌やし尽くせ。
世界を救うそのために――。