99/07/14
DASH! on Web

ドキュメンタリー特集

〜黙殺されるワールドシリーズ〜


 開催が絶望視されているワールドシリーズ。すでにT・鈴木選手が挑戦状を観衆の目に
 さらしてから5ヶ月が経とうとしている。にもかかわらず、DASH!は何のアクションも起こしてはいない。
 それどころか、全てのメンバーが「何事もなかった」かのような態度を貫いているという。  なぜDASH!は、こうも頑なにワールドシリーズの開催を拒んでいるのだろうか?

 我々取材陣はDASH!の「話し合い」に深く関わっていたという人物に話しを聞いてみた。

 「そりゃ当然ですよ。あの頃の“マ界”は空中分解直前の状態でしたからね」
※プライバシー保護のため音声及び文体を変えてあります。
 D氏(仮名)が語ってくれたのは、驚くべき内容だった。ゲームマスターを束ねるエリート集団“マ界”が危険な状態にあったというのだ。

 「ワールドシリーズでの敗北はGM権力の失墜を意味するんですよ。もしそれに“せ・リーグの選手”が負けるようなことがあれば……マ界は存在意義そのものまで問われる事になりかねない」
 ――それはつまり、ノーリアクションは敗北を恐れたDASH!側の延命工作である、ということですか?
 「そこまでハッキリは言いませんよ。ただ……上層部は保身を考えた年寄りばかりで、GM権力を失えば(マ界は)分裂しかねない状態だった、というのは確かですけどね(笑)」
 ――それでは今現在、マ界は存在しているのでしょうか?
 「そうですねえ……象徴的な存在になっている、というのが正しいと思いますよ。現状では(三巨頭は)1人だけになってますから」
 ――やはり現状(有力GM選手の休会や脱GMなど)でのワールドシリーズ開催はあり得ない、ということですね?
 「いえ、今はまだわかりません。こんな時に何かをやり出すのがDASH!だと思っていますので。もしかしたら(ワールドシリーズ自体も)利用されているだけかも知れません」

 終始にこやかに話す彼の姿は、過酷と言われている「話し合い」の裏舞台で何年も戦っていたとは、とても思えないものであった。がしかし、その彼の眼差しが一瞬だけ険しくなった。
 「ところで、脱GM宣言した2人、両方とも対抗勢力のリーダーなんですよね?」
 PW郎選手は反選手会同盟の、白石選手はラーメン党の、どちらも現役のトップであることは周知の事実である。そして先日、合同記者会見の場で行われたのが両名からの「脱GM宣言」である。
 両団体の間に何らかの繋がりがあることは、もはや疑う余地もない。
 だとすれば、これらが示すのはいったい……。
 「今のDASH!から反選手会の行動力と、ラーメン党のコネクションが無くなったら……いったいどうなるんでしょうね?」
 何気ない口調で話題を変えた彼の表情から、その真意を読みとることは出来なかった。
 しかしその眼差しは、彼方を見つめ続けているようでもあり、全てを受け入れているようでもあった。
 我々は、いつか来るであろう日を、ただ待ち続けるだけなのだろうか。

(ナレーション希望:玄田哲章)

Text by Y.Ozaki