「なんと素敵な音色だろう。このトランペットをもっと聴いてみたい」 と、思われた方にお薦めする2曲。なぬ? たったの2曲? ハイ、2曲だけです。それくらい「踊ってナンボのスカ」をベースにするスカパラ楽曲群において、トランペットのバラードなソロがある曲は珍しい。「the Fourth Avenue Cafe」の貴重さが、はかり知れよう。 |
|
その1 The Look Of Love / 作曲:バート=バカラック | |
映画「007 /カジノロワイヤル(1967)」のサウンドトラックの中の1曲。美メロの帝王バカラックが作曲し、ハーブ=アルバート&ティファナ=ブラスが演奏したものをスカ調にアレンジ。真摯に奏でひそやかに歌うトランペットは、夜に聴くと涙を誘われる。真なる美曲。 |
|
【ご参考】バート=バカラックの作品 ◇ 雨にぬれても/映画“明日に向かって撃て”テーマソング ◇ CLOSE TO YOU(遥かなる影)/歌:カーペンターズ ◇ 愛のハーモニー/歌:ディオンヌ=ワーウィック&スティービー=ワンダー&エルトン=ジョン他 【ご参考】ハーブ=アルバート&ティファナ=ブラスの作品 ◇ ビター=スィート=サンバ/“オールナイトニッポン”テーマソング ◇ カジノ=ロワイヤル/映画“007/カジノロワイヤル”テーマソング |
|
その2 gentry 〜時間をおいかけて〜 / 作曲:沖 祐一 | |
東京スカパラダイスオーケストラ=オリジナル曲。スカパラの中でもゴツい、しかもヒゲ男の風体に似合わず、優しいやわらかな曲を作る鬼才キーボーディスト沖の作。トロンボーンとトランペットの声なき、深き対話を聴くべし。ライブで演奏すると、途中、トランペットがひとりパラパラパラパラパ〜と澄んで遠くへ駆け上がるのを知っていながらも、その場になると観客は思わず息を飲んでしまう。そして一瞬の間ののちに感嘆の歓声が上がる、これまた美曲。 | |
ジャケット | 種類・発売日 | 盤名・曲名・盤について |
![]() |
(1993) |
PIONEERS/8,The Look Of Love |
明るく軽い、南国ダンス音楽のスカに重量感と硬質と暗黒感を与えた点がまさにパイオニア。ゆえに耳障りがいい・聴きやすい率は低め。だからこそ「The Look Of Love」が反動で光るといえば、光っているが。今は亡きボーカリスト・ドラマーと今は無きギタリスト・パーカッショニストの音が入った、人に歴史あり・バンドに歴史ありの1枚 | ||
![]() |
(1993) |
GIFTED/1,The Look Of Love |
スカパラ最初で最後のクリスマス=アルバム。6曲入。2曲目「You Are A Miracle“ナイスなオマエ”」は、友人宅でひと聴き惚れし、ファンになるきっかけとなった。こんなシャレた旋律を日本人が作れるとは驚き。6曲目「Tears On Snow」はこの盤にしか入っていない貴重曲。愛らしい詞・中性的な歌声。兄貴の乙女心を聴くべし | ||
![]() |
(1996) |
トーキョーストラット/10,gentry 〜時間をおいかけて〜 |
ポップスカ・ロックスカ・ジャズスカ・酔っぱらいスカ・ディスコスカ・テクノスカなど、あらゆるスカが詰め込まれた名盤。13曲目「さて、どうする?」は当時ライブでも終演に用いられた。シャ〜ラッパパラパ〜ヤッ、シュビラ〜ルラ〜などと脳天気なスキャット曲なのに余韻の深い、終演にふさわしい名カバー曲 | ||
![]() |
(1997) |
MOODS FOR TOKYO SKA WE DON'T KNOW WHAT SKA IS! /10,The Look Of Love |
ジャケットはポップな印象だが、1990〜97年までに発表したスカ色の濃い楽曲を集めた、コテコテなベスト盤。新旧メンバー14人によるライナーノーツ付き。こんなブックレットはもう作れまい。歌なしバンドのブックレットは読み応えあり。または見応えあり | ||
【Epic/Sony Records】 ‥‥と、4枚ご紹介しましたが Epic/Sony 時代のものはなんと廃盤だそうで 店頭にない場合はレンタル・中古・オークションなどで 入手することになります。ご了承ください 2003.05.04 |