------   永遠の嘘  ------


 「永遠の嘘をついてくれ」という歌がある。
 作詞作曲共に「中島みゆき」である。

 調べると色んな情報が出てくる。
 吉田拓郎(敬称略)が中島みゆきに依頼して作られた曲だそうだ。
 この二人の関係も微妙で、中島みゆきは拓郎をずっと好きだった、という話もある。
 じゃ拓郎はどうだったんだとか、この頃は拓郎は曲が作れなくなっていたのか、とか、色々問題はある。

 それにしてもこの歌詞が素晴らしい!
 「永遠の嘘をついてくれ」と言われるだけでドキリとするではないか! (私がウソつきだった訳ではないよ!)



(画像で載せます)

 「嘘」と言ってしまっているからには「嘘」だと分かっている。
 それでもそう言って欲しい、言い続けて欲しいと願う心情が切ない!
 
 「この国を見限ってやるのは…」の一節では、男である拓郎が歌うことを考えると、例えば学生時代に端を発した政治的な活動を自分は生活に埋もれてやめてしまったけれどあいつはまだ続けている。
 活動を続けていることが「嘘」なのか活動の思想自体が「嘘」だったのか?
 君の後をついていっていた私は「一度は夢を見せてくれたきみじゃないか」と訴えるのだ。
 でもそんなことでこんな詩はかけまい。
 やはり、女が男に、或いは男が女に願っている事だと思いたい。
 「今はまだ僕たちは旅の途中だと」と終わっていない事を願い
 一方「いつまでもたねあかしをしないでくれ」と願うのだ。

 私自身は死ぬまでつき通す「嘘」は嘘ではないと思いたい。
 しかし、「嘘」をつかれたた相手はどう思っているだろう。
 「嘘」と分かっていてもそれを信じて頼って行けるだろうか。

 最後の一節「出会わなければよかった人などないと笑ってくれ」に救いを求められるのだが、これもまた「嘘」なのであろうか。
 奥深い味わい深い大人の詩だと思う。



2018. 08. 24.    ................トップページへ