― SF小説 5・惑星カレスの魔女 −
ソフトなSFである。
「惑星カレスの魔女」、作者:James H(Henry) Schmitz(アメリカ)、1949発表、(日本・創元SF文庫 1996)
ストーリーは、お人好しの若者=小型輸送宇宙船の船長と、妙なめぐり合わせで行動を共にすることになった少女の、銀河をまたにかけた少々ユーモラスなドタバタアクション。

文庫の表紙
少女は実は超能力者(ウィッチと呼ばれている、「魔女」と和訳されているが)で、物体を移動させる能力を持っている。
物を動かすといっても、机の上の小物をポケットに入れるくらいから自分の乗っている宇宙船を何光年もワープさせる事まで出来るのだ。
そして船長も少女と一緒に旅をしているうちに、自分の意志とは関係なく(あんまり喜んでいない)段々と超能力が発現してくるのである。
私は魔法物は大嫌いであってハリー・ポッターなんて全く無視している。
しかしこの本は面白い!
和訳では「魔女」となっているが「超能力」なので、私の個人的な許容範囲内に入るのだ。(ワガママですいません!)
表紙を見ればお馴染のイラストで、雰囲気もそのまま、ほのぼのアクションの連続である。
最後は銀河征服を目指す異次元からやって来た宇宙船との戦いになるのだが、なんだか昔話を読んでいるような気になってしまうSFなので、この作者の他の作品も読んでみたけれど、この作品は他とは雰囲気が違う、しかし、最高傑作だと思う。
古い作品なのに違和感は全くなく、結局超能力だのSF的設定というのはこの時代から変わっていないのかも知れない。
2015.09.25. ................トップページへ