― 縦走・9/25  水晶小屋〜三俣山荘  曇





 水晶小屋から、いつもの通りみんなを見送ってから(?)最後に出発。

 この日、出発時に、小屋番のお兄さんが 「私はもう一年この小屋で頑張るつもりです。来年もまた来てくださいね!」と言ってくれた。
 一泊のみ、初めてお会いしたのに、こう言ってもらえたのは、 … なんだかとてもうれしかった。
 残念ながらサラリーマンの身、翌年はうまく休みが取れず、お会いすることはできなかったけれど… 。

 
 今日は岩苔乗っ越で右折、祖父岳へ。


  以前、ここでお茶を飲んでいる時、横を二人連れが鷲羽岳の話をしながら通り過ぎた。
  しかし彼らが分岐から歩いて行く先は、祖父岳方面だった。
  おせっかいながら、「鷲羽はあっち!」と教えてあげたら
  「ほんとですか!?」と戻って行った。
  北アルプスは、奥多摩あたりよりよほど道標が完備していると思うのだが、
  注意を怠ればやっぱり迷ってしまう。



 祖父岳頂上(とはいってもちょっとした丘みたいな感じ)に着くとまず荷物を下ろし、やたら早く着かないように何をするか考えた。
 まず、お茶を沸かす!
 お茶を飲みながら何をするか考える。
 天気がイマイチだが、とりあえず水晶岳のスケッチをすることにする。


 そんなことをして、二時間以上のんびりと過ごしてから再びザックを拾い上げて歩き始めた。





  祖父岳を下って、黒部源流をまたいで、斜面を登れば三俣山荘である。
  この谷の紅葉の美しさは写真ではわからないし、言葉でもうまく言えない! 




 祖父岳の頂上から、一旦雲の平側へ下り、祖父岳の斜面を少しまいて黒部源流の沢へ下っていく。

 沢は紅葉が見事だった。
 ハイマツの周囲を取り囲むようにナナカマドが真っ赤な帯を作り、下るにつれてカンバの黄色が加わってさらに明るく鮮やかになっていく。

 沢に下る急な斜面の途中で、下から一人登ってきた。 彼が登ってくるのを待って尋ねてみると双六小屋のバイト君で、今日は休みをもらって周囲を歩いているのだと言う。

 二人、急斜面の途中で立ち止まって「きれいだね〜!」「きれいですね〜!」と言い合っていた。

 お互いに、誰かこの美しさを認め合う相手が欲しかったのである!




  沢を横切るとはいっても、この時期は水は少ない。
  以前、このあたりでクマの姿を見かけたよ、と山荘で脅かされた(?)



 この辺りは、夏のシーズン中でも人が少なめなのだが、この時期には小屋以外の場所ではほとんど人に合わない。

 彼と別れてからも、さっさと通り過ぎるのがもったいなくて、斜面の途中で幾度も立ち止まってしまった。





  黒部源流を超え、三俣山荘への斜面にて。
  岩苔乗っ越方面。


 午後一時頃、三俣山荘着。 … 今日は余計なことは言わないぞ!

 夕食、一昨日もお世話になった私に、小屋の方が気を使ってくれて、私だけメニューを変えてくれた。(特別印象に残っていたから … じゃないよね?)

 食後、明日水晶に行くというご夫婦にコースや岩場の説明をしてあげることができた。ちょっとだが、役に立ったかも!


 06:30  水晶小屋 出発
 07:10  岩苔乗越、右折して祖父岳へ
 08:05  祖父岳頂上、お茶、スケッチ
 10:30  頂上出発
 13:00  三俣山荘 着

 − 三俣山荘宿泊者:8名 −

   
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