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 夏休み、家族で北アルプス・唐松岳に登った。
 8/6 〜 8/8、二泊三日の山行である。

 昨年は、白馬の大雪渓で私がバテちゃったので、今回は、より標高差の少ないコースを選択したのだ。
 初日は移動日ながら八方池山荘泊、二日目に唐松山荘、三日目は下山・帰宅。
 メインの二日目は、前後の天候を考えるととても幸運な事だったのだが好天に恵まれて、少々暑かったけれど青空の下、のんびりと登る事ができたのだ。

 ただ一つ、想定外の珍事(?)が起きた。
 なんと、息子が高山病になったのだ!

 一人で先行していた息子は、唐松山荘に着いてから一旦荷物を置いて私たちを迎えに戻ってきたりと、元気いっぱいだったのだが、さすがに少々疲れたようで、小屋で食事前に仮眠をとった。
 そして夕食の時間になり、食堂に行ったのだが食が進まない …。
 頭が痛い、吐きそう等と言って固形物にはほとんど手をつけず、味噌汁だけお代わりをする状態だった。

 すると、食堂に立っていたお兄さんがスルスルとやってきて「だいじょうぶ?」と、息子に話しかけたのだ。
 そして症状を確かめると「疲労の上に風邪でも引いたか?」と思っていた私と妻に「すぐに処置しますから!」と言ってどこかへ行ってしまった。
 「処置?」と思っている私たちの前に現れたのは、大きなかばんやら毛布やらを抱えた受付のおじさん、実は小屋のオーナーらしい、で、息子を食堂の隅の席に移し、フリースを着せ、下半身を毛布でくるみ、足元に熱い湯たんぽを置き、「高山病です!」と宣言されたのだ。




… 息も絶え絶え … 。


 「エ〜〜!」と言ったかどうかは覚えていないが、一番元気な息子が高山病?!とあっけにとられてしまった。
 息子からその日の行動を聞き出したオーナーによると、一番悪かったのは仮眠をとったこと、次が、汗びっしょりになった後に着替えをせずにそのままでいて体を冷やした事、だそうだ。
 体の活発な活動で高度順化も進むのに、眠ってしまってはそういう反応が止まってしまうらしい。

 オーナーはきっと忙しかったのだろうに、一時間前後もつきっきりで息子の面倒を見てくれ、一旦いなくなってからまた戻ってきて症状を確認すると「食欲が戻ったらもう一度食事をお出ししますから!」と言い置いて仕事に戻って行かれた。

 たくさんの人か来ると必ず何人かはこうなる、との事だったが、食堂に立っていたお兄さんも、食事に来た人たちのスムーズな回転だけでなく、実は皆の健康状態にまで気を配っておられたようで、ただただ感謝!! である。


     唐松山荘の皆さんには本当にお世話になりました!

 
 人並み以上に体力のない私が経験したことがなかったので、ムダに元気な息子が高山病になるなんて想像もしていなかったのだ。
 幸い軽症で済んだから良かったけれど、悪化するとおんぶしてでも下山させなければ、となる。
 八方池山荘泊だったので、二日目の行動の標高差は900m弱といったところだろう。
 昨年の白馬大雪渓の約1600mに比べればずいぶんと楽だったはずなのだが、この差は高度順化には関係ないのだろうか?
 あの時は、小屋に着いてからも、途中で使った雨具の整理をし、そのうちに天気が良くなってきたのでカメラを持って周りを見に出かけたりと、ずっとゴソゴソしていたのが良かったのかも知れないな 〜 。


 皆さんも山小屋に早く着いたからといって、ゴロゴロ昼寝なんかしちゃダメですよ!





2013.08.18.    ................トップページへ