ロッキーの言い分

文担当：ママ、絵担当：はーちゃん

はじめまして

ぼくロッキーです。志田家に仲間入りしました。
7月に産まれたらしいんだけど、確かな事は分かっていないんです。なぜかというと、僕のおうちに住んでいる人が誰もいなくて、近所の親戚の人が僕達を面倒みてくれていたから。
立派な平家の新しい家なんだけど、誰もいないんだ。立て直す前の古いおうちの時は、沢山いたらしいんだけど、一人、二人とお家を出て行ったり、死んだ人がいたり、とうとう誰もいなくなっちゃたの。
僕のかあさんはちびという名前です。ママ（のぶママ）は「大きいのにちびなんて変だね」と言っています。僕は5人兄妹だったらしいんだけど、もらってくれる人がいなくて、残りの兄妹は保健所に行っちゃたんだって........僕も行くはずだったんだけど、もらってくれる人が決まってたから、行かずに済んだんだ。でも小屋まで用意していたのに、いつまでたってももらいにきてくれなくて気を揉んだぜ。僕は少し大きくなって、退屈だからよく散歩に出かけた。ちょっと帰り道が分からなくなって、優しいおばさんの家に2,3日泊まってた事もあるよ。でも僕の模様、101ぴきわんちゃんみたいな模様だから、すぐお母さんが分かっちゃうんだ。それで、親切な人はお母さんの所に届けてくれるって訳。
その頃、近所の子がよく遊びに来てくれて、それが今の飼い主のはーちゃんなんだ。かあさんが言うには、「赤ちゃんが生まれると必ず遊びに来てた」んだって。犬が好きなんだね。ある日、そのはーちゃんが、妹二人とママとで来たんだ。そしてぼくを小屋ごと連れてきたんだ。それからぼくのうちはここ志田家になったのさ。
その頃、ぼくはとても小さかったんだけど、かあさんのおっぱいもごはんも、おまけにかあさんのごはんまでいただいていたから、おなかはぱんぱんだったんだ。おなかがすくことなんてなかった。それが、ここんちにきてからごはんは少しだけだし、日に3回しかもらえないんだ。おまけにかあさんはいないから夜は寂しい。ママが時々来て夜もだっこしてくれたり、たまには部屋にも入れてもらえた。体がでっかくなった今じゃ考えられない話さ。ほんの4ヶ月前のことなのに、ずーっと前の事に感じるぜ。そうそう、パパも帰ってくるとだっこしてくれたよ。犬は飼ったことがないみたいで、最初はぎこちなかったけど、最近はすごく楽しそうに遊んでくれる。ふあ～ねむくなっちゃった、お話したいことはまだまだあるのに～

かあさんの怪我

今日ひさしぶりにかあさんに会った。ぼくが志田家にもらわれてから、かあさんは家を出たらしいんだ。夜は自分の小屋に帰って寝て、ごはんも食べてたらしいんだけど、現在の飼い主のおじさんとおばさんを見ると逃げて、鎖に繋がれていなかったんだ。自由自在に走っていた。ぼくも散歩の途中に会ったりしてし、だんだんママや子供達にも慣れて、寄ってくるようになったんだ。かあさんはセッター。（バレーじゃないよ）猟犬だから、獲物を追うのはお得意なんだろうなあ。くびれたウエスト、長い足、揺れる長い耳、すっげーかっこいいんだ。それに比べると、ぼくはちょっと太りぎみだし、顔もまぬけ、おまけに足も短い。そんなかあさんに会うのが楽しみだったのに、しばらく会えなかった。どうしたのかと思っていた矢先、はーちゃんが、「ちび　今朝、鎖に繋がれておうちにいた」っていうんだ。それにしてもはーちゃんののんきぶりには、ままじゃなくてもあきれるぜ。だって今朝だって、学校に行ったの、時間ぎりぎりだったんだ。それなのに、かあさんのとこ見てから行ったんだもんな。ママも怒ってたけど、はーちゃんはかあさんがいるような予感がしたらしいんだ。それで今日パパとはーちゃんと散歩の途中でかあさんの所に行ったんだ。そしたらさ、かあさん足を怪我しているんだ。右の前足の皮がべろっとむけてた。ぼくはびっくりして、傷をなめてあげた。かわいそうに。かあさん何も言わなかったけど、怪我したからお家に戻されて繋がれたのかな？車にでもぶつかったのかな.......早く治るといいな。明日も行って傷口をぺろぺろしよう。

ダイエット

ぼくが志田家に来た時の体重は5キロだった。それが今じゃ15キロ。「ダイエットしなきゃね」ってみんなに言われた。この間中田のおばあちゃんが来てぼくを見てこう言った。「犬だけ太って。まぬけな顔、のらくろみたい」さすがのぼくも泣きたくなったぜ。でも鏡を見ると確かにぼくは太りすぎだ。背中の脂肪がもそもそしてる。ぼくが小さかった時、ママはぼくの体重を計ってくれて、えさの表としょっちゅう、にらめっこしていた。でもぼくはママがくれる量じゃ、おなかぺこぺこなんだ。ドッグフードばかりじゃなく、たまにお魚の骨とかもくれるんだけど、ある日、さんまの骨をまるごともらって、ぼくあんまりおなかすいていたから、すぐ丸飲みしちゃったんだ。何本かは大丈夫だったんだけど、最後の一本は咽につかえて、その形のまんままた出てきちゃた。恥ずかしかったよ。みんなは丈夫なお腹だね、って驚いていたけど。最近は食べ過ぎないように気をつけているよ。前は、庭で放してもらった時、生ゴミのコンポストのとこ掘り起こしたことあるんだ。くんくんしているぼくの様子を見て、家族は「さすが猟犬の血をひく」と感心していたけど、くいしんぼだっただけなんだ。最近はそんな事はしないように気をつけているよ。

人間に近い

ぼくいねむり大好き。特におひさまぽかぽかしているところで、ごろーんとなるのが好き。時々自分の寝言で起きちゃう時あるよ。この間もやってしまって、ママに見られちゃった。夜も熟睡しちゃうんだ。パパに起こされる時あるよ。「番犬にならない犬だなあ」だって。ぼく体はでっかいけど、まだ子供なんだ。だから睡眠時間が必要なんだい。分かっちゃいないなあ。子供といえば、ぼく散歩の途中で、マーキングというのをしないらしい。それに足をあげておしっこも出来ないんだ。座る時も女座りだし。散歩の途中はなるべくトイレは我慢している。どうしようもない時だけ、失礼してやらせてもらうんだ。だからじょじょじょー。マーキングっていうのは違うみたい。ぼくってスヌーピーみたいに人間に近い犬なのかな。

家族の事

ぼくの家族を紹介するよ。まずパパ。もとは犬が嫌いだったんだって。それで飼えなかったらしいんだけど、今じゃ信じられないな。犬嫌いのパパにぼくの事を話すと「茶色の犬じゃないなら、大きくなってもいい」って言ったらしいんだ。どういう根拠だろう。でもとにかくぼくはパパの一言で、この家の一員になれたんだから、感謝してる。始めの頃はぼくにどう接していいのか分からなかったみたい。名犬にしようとしつけに厳しかった時もある。夜帰りが遅いから、ぼくは眠い。でもなるべくおかえりは言うようにしてるよ。時々お酒臭くして帰ってくる。ある時お酒臭かったけど、沢山遊んでくれたから、ぼくもつい熱中しちゃたんだ。そしたら次の日ママに「ネクタイかじったでしょ」って怒られた。暗くてよく分からなかったけど、ぶらぶらしてたのはネクタイだったんだ。最近は休みの日は散歩もしてくれるし、良く遊んでくれる。時々ぼくのほうが遊んであげているんじゃないかと思う時もあるよ。パパったら汗まで流して走ってるんだもん。新しい小屋も作ってくれた。でも外で寝るほうが性にあってるのかな。男らしいだろ。

ママ、大好き、でも恐いよ。ママの言う事は聞かないといけない。優しいけど、恐いんだな。だっこもしてくれるし、毎日の散歩はママと一緒さ。時々二人でコンビニに行くんだ。ママが買い物している時は、ぼくは外に繋がれて待っているんだけど、おいていかれそうで不安になっちゃう。だからつい大声で吠えちゃう。それに車も嫌いだからママに引っ張られてるって感じ。ママはバレーボールを始めたらしいんだけど、やったこともないし、うまくいかないことが多いみたい。そんな時はぼくに話してくれる。ぼくは一生懸命聞いてあげるんだ。するとママはすうっとするみたい。ママのことは好きだけど、勝手な時もあると思うよ。自分のせいなのに、はっちゃん達のせいにして怒ってる時あるんだもん。時々きれる時あるんだけど、その時も恐いよ。ヒステリーってやつかな。

長女のはっちゃん。優しいし、おもしろいんだけど、すごく呑気。何をするのも呑気だからママにいつも叱られてる。生き物が大好きで、犬も前から欲しいかったみたい。ぼくが産まれてからも毎日来てたよ。はっちゃんは四つ足で走って犬の真似するのがとてもうまいんだ。今日もぼくと競争したよ。全く人間にしておくのはもったいないよ。ぼくのうんちをとってくれるはずなんだけど、ぼくが飛びかかったりするから、中々仕事が進まないんだ。ぼくもかじるつもりはないんだけど、歯が引っ掛かってはっちゃんの服は随分穴あけちゃたな。ぼくが小さい時はお散歩もはっちゃんの仕事だったんだ。

次女、もっちゃん。やせっぽっち、かわいいよ。優しいんだけど、ぼくのこと恐いみたい。遊んでくれるけど、あまり近くにはこないんだ。でもお友達とかいると、ぼくに手のひらからおやつをくれたりする。やせ我慢してるみたいだよ。ぼくも　もっちゃんと遊びたいんだけど、うれしくってつい飛びついちゃうんだ。その上、あっと言う間に大きくなっちゃたから、自分で想像するより、力があるみたい。うまくコントロールして遊べたらいいのにな。でも朝幼稚園に行く前も、帰ってきてすぐもぼくの側に来てくれるんだ。大好き。

三女、さっちゃん。ママの次に恐いんだ。体は小さいんだけど、妙に威厳があるんだ。だから背中に乗られても何も出来ない。ごはんもらう時も、「おすわり、まて」と言われると、ちゃんとしなきゃって気がする。ママには甘えんぼだし、まだちゅっちゅっしているのに、気を許せない、恐るべしさっちゃん。