ある高級官僚の独白

幼きころより、IQのみ高く
庇護者への追従にたけ
その行く末、やや臭けれど
双葉のころより芳しかりし。

独創性、芸術性に難なきとはいわねども
試験と名のつくもの、ことごとく飛越し
志低きままに
キヤリアというエスカレータに乗りぬ。

ああ、なれど、若きころは
いだきし理想、なきにしもあらず。
くまなくさがしてみれば
低きとはいえ、国家を思う志も
いずこにかありしものを。
そうだ!
公僕であることも心の片隅にはあった…。

いつしか、税金に養われおる身をわすれ
予算を配布することに快感を覚え
ご追従とご接待を愛するようになりぬ。

いまはただ、神ならぬ身の
内にいだく欲望の、庶民と違わざるを厭う。
われはキヤリアなるぞ!
金、女、それより上のものはないのか。

ない!ない?
さればよし。

あとは、その大きさと美しさを愛でるまで......。


あと二つ、有名詩人(室生犀星、宮沢賢治)の詩をベースに戯作してみました。

つづく