天覧山・ホークウォッチングガイド・

天覧山で「タカの渡り」を見てみようかという方のために、どこを見ればよいか「目のつけどころ」をガイドします。初めて来たという方に、参考になればと万年初心者ではありますが書かせていただきす。

探し方や識別、数え方などについては書いてありません。わたしにはちょっと荷が重いので。図鑑やガイドがいろいろ出版されてます。

時期については、過去の記録をみてください。9月下旬から10月はじめ、雨上がりの翌日の晴れた日に飛ぶということになっています。しかし、これもあてはまらない日があります。2016年は、曇りの日にもかかわらず400羽を超えるサシバが渡りました。
 時間についても、わかりません。11時ごろがピークのようですが、これも天候などによって変わります。8時ごろから14時ごろまでが、飛ぶ可能性のある時間帯でしょうか。しかし、2014年は7時過ぎから飛び出し、11時前には終わってしまいました。サシバの気持はわかりませんね。

これじゃあガイドになってない、といわれそう。

天覧山は、伊良湖岬や白樺峠などとちがって数がでないので、ただただ待つことのほかにすることがありません。長丁場なので、敷物は必携。折りたたみの椅子があると便利です。展望台は、コンクリートの照り返しがきついので、水分も忘れないでください。

秋の一日を無駄にするつもりで、のんびりながめてください。

秋の渡りの時期、展望台では誰かが見ているはずです。まずは、双眼鏡を持っている方に聞いてみるのがてっとりばやいと思います。記録をつけている方がいたら、天覧山の主かもしれません。タカが飛んでいる時でなければ、遠慮なく声をかけてください。


展望台北側のながめ

以下は、どこをながめるかです。展望台に立って飯能市街を背にすると、北を向きます。左が西で、右が東(あたりまえ、でもこの展望台は方角がわかりやすい)。木が茂って展望が悪いですが、その上の空をながめる、これが基本姿勢です。

さて、どこをどう飛んでくるかですが、わかりません。北東から南西へ飛ぶのが渡りの基本コースですから、右手ななめ前方から来るはずです。しかし、なかなか期待どおりには飛んでくれません。

地図のページにコースの概略をのせています。


北西側をみると

それでも、多く飛ぶとところというのはあるようです。北西方向にヒノキが2本立っています。そのあいだの空で、タカが見られたりします。左の写真のところです。

ここを中心に、北から西をじっくりみてください。低く飛んでくれたときは、肉眼で見つかることもあります。しかし、双眼鏡でしかわからないことも多いので、こまめに目にあててください。
 運がよければ、数十羽のタカ柱をながめることができるかもしれません。タカ柱といかないまでも、タカに出会える可能性が高いところです。しかし、これはあくまでも運がよければの話。


  展望台西側

西側かなり遠くを飛んでいることもあります。奥多摩の山々を背景に、南西方向へ飛ばれると遠すぎて、なにが飛んでいるかわかりません。

ここはトビ、オオタカ、ノスリがよく帆翔する場所でもあります。帆翔後、南に滑翔することもあるのでまぎらわしい。角度が低ければ望遠鏡が使えます。

2011年に西側の茶店が取り壊され整備されました。木が伐採され展望が開け、多峯主山も見られるようになりました。タカが捕捉しやすくなるでしょうか?
 西側の森からは、ねぐらだちのサシバが飛び立つことがあります。これもほかのタカとまぎらわしいので、要注意です。

 

展望台を東から西に横断し、西側でタカ柱をつくることもありました。1994年に349羽飛んだ日の多くは、このコースでした。残念ながら、最近はあまり飛んでいないようです。ここを飛んでくれると最高なのですがね。


展望台南は

逆光で見にくいですが、5キロほど南の加治丘陵上空を探してみると、タカの姿を見ることがあります。ただ、遠すぎて「タカがいるよ」といわれ、望遠鏡で探してみるとオオタカやトビだったり。こちらの方向はかなり飛んでいるはずですが、見つけるのが難しいところです。

1998年には飯能・川寺で上空を400羽のサシバが飛んだという観察があり、南東方向も要チェックです。南側と同じくたいへん見つけにくいですが、ぜひこちらの方向も探してみてください。

東から飛来して、展望台の南でタカ柱を作ってくれることもあります。ここで帆翔してくれると、すぐ目の前という感じで鳥肌がたちます。ただ追跡に夢中になり、太陽を双眼鏡で見てしまう可能性もあるので、十分注意してください!


東側は

東側からも、ねぐらだちのサシバがあらわれることがあります。写真のヒノキの後ろから飛び立ち、すぐそばで見ることができたりします。羽音が聞こえるぐらいのところを飛んでくれたら、最高!!!ねぐらだちのサシバは、早めの時間にあらわれることが多いようです。

東側には南北に米軍横田基地の航空路があります。その航路と平行に南にむかって飛ぶタカもいます。
 1999年には東側で帆翔するサシバをかなりの数見ることができました。西から北の空が曇っていて、上昇気流が出そうもない時、飯能市街地上空で帆翔することがあるようです。こちらの方角も探してみてください。ただ木が伸びてしまい、ちょっと見つけにくいかもしれません。南東方向と同様に非常に見つけにくいところですが、ここで発見できると、見た数がぐんと増えるはずです。

 

最後に。はじめに書いたように北東方向から展望台の真上を南西に飛ぶこともあります。展望台の真上を飛んでくれれば、これぞ渡りというコースで、なにが飛んでいるかわかりやすい。どなたかが「サシバが渡りをしてますという看板を下げて飛んでるよ」といってました。まさにそのとおり。ここを飛んでくれれば、「首が痛い痛い」といいつつも最高の一日になるでしょう。

いろいろ書きましたが、まるでガイドになってないといわれそう。

私自身は、展望台の東のすみに陣取って(上の写真の右すみです)、ヒノキから西のほうをながめていることが多いようです。ただ、じっとここだけを見ているわけではなく、南をながめたりしています。

見ている人が何人かいれば、気がついた人が教えてくれるでしょうから、人と違う方向を見ているのもいいかもしれません。ただ、タカらしいものが見つかったら「なにか飛んでるよ」と声かけてください。聞いてみれば、詳しい人が教えてくれるでしょう。渡りのタカでなくても、とにかくタカが見られれば、うれしい人たちばかりですから。

では、よい一日を。


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