短歌

別れを詠んだ歌7首

行く人を 止めぬのも愛 忘れるも… 共にない理由(わけ) 愛で誤魔化し

約束を 破りし我の この想い 届くものと 驕りつつ去る

約束を 破りし証 残す君 君は消えても 消えぬ証を…。

明けぬ夜は ないと知りつつ 願い乞ふ 君が旅立つ 朝などないと

わが側に 居ぬ君になお 動かされ 愛の証と 言い聞かせ泣く

かの人は 十年(とおとせ)待てと のたまひき 永久の別離(わかれ) 知るも頷く

幼子に 育ちゆく君 見い出すも 現在(いま)の君を 我は知らず…

愛を詠んだ歌3首

叶うなら 永久(とわ)に明けぬ 夜を望む 後朝の文も 交わせぬこの身に

叶うなら 闇と共に 閉じ込めて 明くることなき 朝を待ちたし

求めたる 君は腕(かいな)に 寝給ひて 心はここに ないと知りつつ

別離の歌4首

ここにいていいの?と君は問うけれど 君の瞳は空の彼方へ

あてもなく彷徨う我と我が心 叫びだけでも届けと祈る

囚われし想いの鎖解き放て! 口にはすれど心は願わず

微かなる残り香に酔い 別れを忘れ 夢見心地で君を想う

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