ホ−リ−旅行記 (ミラノ、ヴェニス編)

某月某日、ミラノへ到着。落ち着いた雰囲気がロ−マと違い、正統派歴史の町であるぞ!という感じ。ウムウムとうなずきながらミラノヒルトンへチェックイン。**チ−ペストほり**の異名を誇る私ではあるが仕事で来ている関係上ちゃんとしたホテルに滞在となる。ラ−メンでも喰いたいなあという時でも、人様がステ−キをオゴッてくれるなら迷わずステ−キを喰いにいく、私はそんな人間である!

 ロ−マの便所騒動でコりているので部屋では真っ先に便器にチェックをいれる。ありゃ、ここの穴は
通常の位置だあ!安堵感とともにチョット失望感
**
せっかくピンポイント爆撃が出来るようになったのに・・・**
 晩メシにはかなり時間があるので、市内を散策。なにはともあれ”
最後の晩餐”を見なくては!
キリストと弟子達を描いた有名な絵だが修復作業が終わり、再公開となったそうだ。生意気にも思うのだが、旅に出る第一の目的は**
ホンモノを生で見る**ということではないだろうか。
                        情報の発達で、世界中のありとあらゆるものを認識出来るが、生で見てこそその存在を実感出来る。
                        **
認識と実感**には雲泥の差があり、最近の世の中はこの両者を同一視する傾向があるから                            イロイロな問題が生まれるのだ。写真を見たからといって実物を見た気になっちゃイカンッ!例えば
                        アダルトビデオ(こういう例えは誤解を受けそうだなあ)、あれは見るモンじゃない!ヤルもんだ!
                        
                        ワケのワカらん方向に話がそれたが、そういう訳で”最後の晩餐”を俺は見に行ったのだ。実際、見て
                        みると結構デカイのだ、これが!あと、修復済みとはいってもかなり色調が暗いのでチョット見にくい。
                        それなりの感動を胸に抱きつつミラノの中心街へ戻る。ヨ−ロッパの町の中心はほぼ例外なく広場、
                        もしくは教会であり、ミラノも例外ではない。まあ日本式には門前町といったトコロかな。
                        ドゥオモという教会(?)を中心に町が広がっている。これがまたバカデカイ教会で純大和民族の
                        ワタシとしては見るだけで**
スミマセン**と謝ってしまう。
                        翌日の話であるが、タクシ−に乗った同僚二人が**
いやあ、ドウモドウモ**などと会話をしてトコロ、
                        着いた先がドゥオモだったという。ジャンジャン、おあとがよろしいようで。


次の日はちょっと早起きをしてヴェニスへ。ホテルが駅のすぐそばなので歩いてむかうがまだ暗いのでアチコチでジャンキ−が注射を打っていて異様だ。
君子(もちろん俺のこと)危うきに近寄らず、でサクっと通り過ぎるが、こうおおっぴらにヤクをやられたんじゃ罪悪感もナニもないな。

史上最悪のイタリア国鉄の窓口でどうにかヴェニスまでのキップを買い、列車のホ−ムへ。朝の駅の雰囲気って最高だと思う。駅に限らず空港も港も最高。これから旅立つぞ!という感じがビシバシあってとてもヨロシイ。ヨ−ロッパの鉄道らしく15分ほど遅れて出発、30秒きざみでダイヤを運行しているJR東日本の爪のアカを飲ましてやりたいという欲望を抑えつつ無事ヴェニスに到着。

 


天気は快晴、ヴェニスの駅を一歩出るともうそこはキラキラと光る美しい水の都であった。いきなりアッパ−カットをくらった矢吹丈状態に陥ったワタシであったが、
**
いかん、ここで真っ白な灰になってはいかん**とふんばる。普通はホセ・メンド−サのコ−クスクリュ−パンチのように後からジワジワときいてくるのだが、こんなに第一印象が強烈な町も珍しい。よく、**ナポリをみてから死ね**というが、**ヴェニスをみてから死ね**の間違いじゃないのか?ナポリは最悪の町だったぞ!

ヴェニスの面白いのは水路もさることながら小路である。幅2M足らずの小路が縦横無尽にあり、いったい自分がどこにいるか分からなくなってしまう。あとは光の美しさ!入り組んだ町だけに
影となる部分が多いため、光が際立ってみえるのだ。暗い照明のキャバレ−のお姉さんがキレイに見えるのと同じ理屈かもしれない。何の変哲もないものが美しく見えるというのはいいなあ。


せっかく来たからにはあのへんな形の小舟(名前忘れた)に乗らねばなるまい。
だが、うううむ、うううむ、ヴェニスは水路の水がクサイのだ。まあ水路とはいえ、生活排水路も兼ねているのだからしょうがないが、ナントカならんか、イタリア観光局!

小水路のカドっこでは船頭さんがお互いに**ホ−イ、ホ−イ**と声をかけ、衝突を避けるのだが、声が建物に反響してナカナカ雰囲気がある。船頭さんと言ってしまうと矢切りの渡しになってしまいそうだが、他に言いようがないのだ。この船頭さん、同僚の女の子が名前を聞くと、右斜め45度に構えながら**マルコ**と答えた。さっき俺が聞いたときは、メンドくさそうに答えやがったクセに。ま、マルコという正しいイタリアの名前なので許してやる。これが**モハメド**などとはにかみながら答えようものなら、ヴェニスの青空のもとオレは星一徹になるぞっ!

舟は進み、やがて広いところへ出る。他の舟ではアコ−デオンを持ったオッサンがサンタルチアなんぞを熱唱しておる。
うむうむ、イタリアの熱海もなかなかヨイではないか、とヴェニスの酒場へ走るワタシであった。