●どびわり峠〜六甲山 ●金剛山 ●氷ノ山 ●有馬三山 ●大台ヶ原山 ●竜ガ岳

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どびわり峠〜六甲山931m
●集合     阪急お多福山登山口バス停 10:00
●コース   東お多福山登山口⇒土樋割峠(どびわりとうげ)⇒七曲り⇒六甲山⇒石宝殿⇒
         蛇谷北山銃走路⇒土樋割峠⇒東お多福山登山口
●コースタイム  のんびり3時間弱
●アクセス   阪急芦屋川駅から芦屋ハイランドまたは山口営業所行きのバスを利用
         (所要時間11分)


●参考    「山と高原地図 六甲・摩耶・有馬

東お多福山〜六甲山周辺 1/21000地図


● 今回は、土樋割峠から七曲りのコースで六甲の最高峰に立つというプランで出発しました。
東お多福山登山口バス停はチェーンの着脱場となっているため、6〜7台の駐車スペースがありました。マイカーなら
ここに車を置いて登ることもできます。
バス停から土樋割峠までは、砂防ダムの工事用の車が出入りする関係でアスファルトが敷かれた歩きやすい舗装道
路となっています。川のシャワシャワと流れる音と野鳥のさえずりが、この舗装道路とは妙に対照的。
峠に着くと、左・東お多福山へ、右・北山縦走路という道標が建っています。ここでは真っ直ぐアスファルト道を下って
分岐で左へとり、次の道標で七曲り(川を渡る)と書かれたコースを進みます。
川を渡り、腐葉土のよく踏み固められた道、階段状の道を少しずつ登って一軒茶屋へ。自動販売機が4台くらい並ん
でいるのと、東六甲ドライヴウェイを渡ると仮設トイレがあるので、ここで小休止。このトイレからコンクリートの道路を
10分程登れば、ドーンとかまえた六甲最高峰の立派な道標が“いらっしゃい”と迎えてくれます。
展望台では5人組のパーティーがコッヘル等を持参して、賑やかに豚しゃぶの真っ最中。うーん、狂牛病の影響かな?
ここから少し車道を歩き、鳥居茶屋の前の分岐(道標)で「石宝殿」と書かれたほうへ朱塗りの鳥居をくぐって行くと
「白山姫像」(記憶が正しければ確か白山姫)の右奥に「北山へ」と書かれた看板が。
ミドルミセスのパーティーがお弁当を広げて楽しそうにおしゃべりをしていました。
蛇谷北山縦走路は、七曲りのよく整備されたコースとは違って本当の意味で山道の雰囲気を味わうことができます。
時々クマザサや木につかまりながらの急な下りは人一人が通れる程度の道幅。
樹林からのぞく空は、午後から天候が崩れるという予報どおりに灰色の雲が頭上を覆い尽くし、淡雪がチラチラと舞い
始めました。
やっとの思いで峠に合流。体調がよければ東お多福山へのルートで下山を予定していましたが、風邪で貧血気味の
身体は朝登ってきた楽なアスファルト道を下っていました。峠からバス停までは25分。小さな子供連れなら七曲り往復
で六甲山のコースがおすすめ。
「東お多福なら、またいつでも来れるよ」と言ってくれた相棒に感謝して、なんとかバス停に辿り着きました。
一軒茶屋で飲んだあったかいミルクティーおいしかったなぁ。。。節分の豆をお土産に買って帰宅したのでした。

2002/2/2
記:Fuji (兵庫)




金剛山
●スタート  千早登山口バス停 12:00
●コース   千早登山口⇒千早本道⇒一本木茶屋⇒国見城跡⇒金剛山1094m⇒
         葛木神社⇒葛木岳1125m⇒千早赤阪城跡⇒千早登山口
●コースタイム  のんびり2時間40分
●アクセス  JR環状線「大阪駅」より「天王寺駅」下車、近鉄「阿倍野橋駅」より長野線「富田林駅」下車
         約35分、「富田林駅」より金剛バス「千早ロープウェイ行」金剛山登山口まで約35分


●参考     「山と高原地図 金剛山・岩湧山」 「ハイキング12カ月」 「大阪府の山」

ポイント   元弘2年(1332)、金剛山中腹に楠木正成が築城した千早赤阪城跡

●駐車場   ¥600  バス停前に2002年1月オープンしたばかりの水洗トイレあり 

金剛山・千早赤阪村周辺 1/21000地図


● 「2月の3連休は気温も低く、山間部は雪、または雨になるでしょう」
ひまわり天気の週間予報をあてにして、金剛山の樹氷でも見に行こうかと立ち上がったのが連休初日の朝9時。
目玉焼きを食べながら食卓に金剛・岩湧の登山地図を広げました。
「富田林の千早登山口から山頂往復ならコースタイム3時間だ。いまからでも十分間に合うよ」
「樹氷の撮影が目的だから最短コースがいいわね。じゃ、さっそくアイゼンを用意しないと」
カメラ、サーモスタットに熱い紅茶、アイゼンと帽子、パーカー、レインスーツを15分足らずでザックへ押し込み、車で
出発。私の住んでいる街から、この金剛山のある千早赤阪村までは一部高速道路を利用し、渋滞なしで2時間強

電車やバスを乗り継いで行くとなると恐ろしく遠い場所で、大阪府下に現存する唯一の村、千早赤阪村の集落は棚田
の広がる、谷に囲まれた山深い秘境とも呼べる所にありました。
金剛・生駒国定公園に指定されている金剛山は日本の象徴・富士山についでハイカーの多い人気の山なんですって。
その人気の秘密を見つけられればいいなぁ〜と、コンクリートで塗り固められた薄暗い杉林道を登り始めました。
千早本道は数多くある金剛登山道の中でもっともポピュラーなコース。
よく整備され、丸太を敷いた階段と石段がどこまでも続きます。登山道というよりもファミリーのための自然歩道。
標高が高くなるにつれて道はテカテカに凍りつき、さらに登ると雪景色に一変しました。
下山で擦れ違う中高年のパーティーや親子連れから「あともう少しだから頑張ってー」と励まされ、1時間20分で山頂
に立ちました。登山地図のコースタイムを10分縮めて、ほぼ予定どおりの登頂。
高速道路を走っているときの激しい雨が嘘のように晴れ渡っています。青空だけど風速13メートル以上という強風で
ロープウェイは運休。山頂は耐寒登山の学生さんが元気いっぱいに走り回り、家族連れの作った雪だるまが2つ。
葛木神社の境内には“金剛錬成会の番付表”、50回連続登頂から番付表に個人の名前が載るそうです。
一番多く登っている人では9000回という記録がありました !!
毎日登っても1年で365回ですから…。9000回登るには単純計算で24年と240日を要します。すごいですよね。(^^;;
きっとこれが、富士山についで訪れるハイカーが多い山の理由のひとつなのでしょう。
金剛山は実際には標高1094mで、1125mは葛木岳。記念撮影をする広場の右奥に、こんもりと木の生い茂った山が
あります。
 下山は境内のロープウェイ横の道から下り、登ってきた丸太段の道に合流し途中、千早赤阪城跡への枝道に入り
ました。杉や枯れ葉のフカフカの歩道を踏みしめ展望台から城跡へ。長い参道から大きな鳥居をくぐると石段。
駐車場のおじさんが「500段あるよ」と言って笑っていたけれど、数えながら降りてみたら正確には586段ありましたよ。
幼名を多聞丸とよばれた楠木正成公の生誕地です。
お目当ての樹氷は見れなくて少し残念でしたが、天候に恵まれたのが何より。
事情があってしばらくお休みしていた登山。2年間のブランクは大きい…体力の低下を痛感した一日でした。

2002/2/9
記:Fuji (兵庫)




氷ノ山
●コース    瀞川氷ノ山林道⇒非難小屋⇒神大ヒュッテ⇒古千本⇒山頂非難小屋⇒氷ノ山1510m

●コースタイム 往復3時間20分 
●アクセス   大阪駅からJR福知山線or播但線経由 特急2時間 山陰本線八鹿駅下車。 バス利用。
         全但バス八鹿営業所0796-97-3373



●参考     「山と高原地図 氷ノ山 鉢伏 神鍋」 「中高年の山ベストコース」 「いで湯の山旅」 

●ポイント   兵庫県の最高峰(中国地方では第二の高峰) 氷ノ山・後山・那岐山国定公園

●駐車場   無料・20台可

氷ノ山周辺 1/75000地図


●「県下の最高峰を登らずして兵庫の山は語れまい」

 氷ノ山は兵庫県では「須賀ノ山」ともよばれています。
地元に残る伝説にこんなお話があるそうです。弘法大師が因幡から但馬へ入るとき、お布施のヒエが多くて持ち帰ら
れなくなり、ここに捨てたので「ヒエの山」となり、それが「氷ノ山」の由来となったというのです。

 兵庫県に引っ越した翌年、周囲に手ごろな低山が豊富にあること、それらを歩いて地元の自然に触れるにはやはり
兵庫県の最高峰に登らなくては、という思いがありました。
鉢伏、ハチ北はスキーで何度か行ったことがあるけれど・・・・。
登山地図とにらめっこした結果、八鹿町から関宮町に入り、瀞川氷ノ山林道を走って無料駐車場(空き地)に車をおき
そこから片道1時間40分、山頂往復の最短コースを登れば日帰りが可能になる、ということに着目。
関宮町というのは、兵庫県養父郡(やぶぐん)の最北端に位置し、西北は美方郡村岡町(みかたぐんむらおかちょう)
東は八鹿町(ようかちょう)、南は大屋町(おおやちょう)西は氷ノ山(ひょうのせん)を挟んで鳥取県に隣接しています。
兵庫でありながら氷ノ山へのアプローチは、けっして近い距離ではありません。カビ臭い非難小屋に泊まるのは気が
すすまない、なんとか日帰りで山頂に立つことはできないだろうか。
山岳会の方々が聞いたら顰蹙を買いそうな手抜きの山行ではありましたが、往復3時間20分のコースはハイキング
として考えれば十分なコース。
などとこじつけて安易な考えで歩き始める私たちに、天のお叱りともとれる無情の雨が。
レインスーツをはおり、真っ白いガスに包まれ、展望のきかないブナ原生林をもくもくと進んで行きました。
山頂の町営非難小屋には大学ノートが数冊置いてあって、登山客の熱いメッセージが記されていましたよ。
愛媛県から来ていた大学生がポロシャツにジーパンという軽装で、アルミのミルクパンに雨水を溜めていたのが強烈
な印象として残っています。
彼のずぶぬれのジーパンを見て、雨天の山歩きには不向きだなぁーと、つくづく登山スタイルの重要さを実感。
 私の関西ハイキングはこの山からスタートしたと言っても過言ではありません。

■こぼれ話
関宮町に入るとき、検問があり、御多分に漏れずうちの車もチェック。偶然にも天皇両陛下が但馬を視察される日で
数時間後には黒塗りの菊の御紋入りの車が通過し、中から手を振られる美智子皇后の生写真をすかさずゲット。
急遽おまけのついた氷ノ山山行は相棒に「ミーハーだなぁ。」と笑われながらシャッターをきった思い出深い山です。


記:Fuji (兵庫)




有馬三山
●スタート  有馬ロープウェイ駅 11:15
●コース   有馬ロープウェイ駐車場⇒紅葉谷分岐⇒湯槽谷峠⇒湯槽谷山801m⇒灰形山619m⇒
         落葉山522.5m⇒有馬妙見宮⇒有馬温泉観光案内所⇒有馬ロープウェイ駐車場
●コースタイム  のんびり2時間50分
●アクセス 阪急・JR宝塚駅から有馬温泉行きのバス(所要40分)を利用。
        阪急バス宝塚営業所 TEL 0797-87-6601

●参考     「山と高原地図 六甲・摩耶・有馬」 「私鉄沿線ハイキング・関西周辺」 

●ポイント   湯槽(ゆぶね)谷山801m、灰形山(はいがたやま)619m、落葉山(おちばやま)522.5m

●駐車場   ¥600 紅葉シーズンは¥1000

有馬三山周辺 1/21000地図


●有馬三山を歩く
 絶好のハイキング日和となった2月最終の土曜日。日中の最高気温は3月下旬から4月上旬を記録したという。
出遅れたのを理由に今日の山行ターゲットは・・・やはり有馬に決定!

 裏六甲の静かな縦走路で湯槽(ゆぶね)谷山801m、灰形山619m、落葉山522.5mの3つを有馬三山とよびます。
マイカーで出かけるなら有馬ロープウェイ駅下の駐車場が便利。シーズンオフなら1日¥600で利用できます。
ここから紅葉谷(もみじだに)と湯槽谷(ゆぶねだに)の分岐まで歩き、道標で湯槽谷峠のコースへ。道標すぐ右に
杉林の中へ入る登山口がありますが、伐採でルートが不完全なので車道をダムまで進み、ダムの横の道を上ると
朽ちた丸太がかかっているのでそこを渡って河原をまたぎ、湯槽谷を登っていくのがよいでしょう。
湯槽谷峠の分岐は立派な案内図と道標が建っていて、ここから山頂までは樹林帯の尾根道がつづきました。
山頂付近で出会ったご夫婦に
「湯槽谷山往復ですか?」と尋ねられ、
「いえ、いまから縦走します」と答えると
「かなりキツイ下り道ですよ。覚悟して行ってくださいよ」と励まされたのが灰形山から落葉山へと向かうアップダウン
で身に沁みてくるとは、この時はまだわからずに・・・・。
落葉を踏む音と野鳥の甲高いさえずりが青い空にこだまして、湯槽谷山への登りも下りのルートも“天王山”のよう
な歩きやすい気持ちのいい山道でした。
灰形山から落葉山への下りは、階段上に丸太で土留めをしているけれど、かなりの急坂。一部ロープを辿りながら
また、落葉山への痩せ尾根は震災の影響も手伝ってルートはかなり不安定と、変化にとんでいました。
落葉山の三角点の先は有馬妙見宮の境内になっています。
石段の参道を下りると有馬城山と刻まれた馬の狛犬が。コマイヌが馬なんて珍しいですよね。
「西国33所めぐり」の石仏をたよりにゆるやかなコンクリートの道を下って石畳をおりると賑やかな有馬温泉の繁華
街へ。有馬温泉観光総合案内所の横に出ました。ここから旅館やお店が建ち並ぶ坂道を登って駐車場まで。
真冬でも、ぐるっと2時間50分ののんびりハイキングが楽しめますよ。

2002/2/23
記:Fuji (兵庫)




大台ヶ原
●スタート  大台ヶ原駐車場 AM 4:00
●コース  大台ヶ原駐車場⇒日出ガ岳1694.9m⇒正木ガ原⇒牛岩⇒大蛇ー⇒東ノ滝⇒大台山の家

●コースタイム  3時間40分  
●アクセス    近鉄吉野線大和上市駅から奈良交通バス大台ヶ原行き2時間20分
          奈良交通吉野営業所 07475-2-4101

●参考     「山と高原地図 大台ヶ原 大杉谷 高見山」 「ハイキング12カ月」 

●ポイント    苔のベルベット シャクナゲとニホンカモシカ 紅葉は10月上旬から下旬
          日出ガ岳展望台からは天候条件が整い運がよければ富士山も見れる

●駐車場   あり

大台ヶ原周辺 1/75000地図


●日出ガ岳から雲海を撮影しよう

 一般にいう大台ヶ原は、日出ガ岳1694.9mの最高峰をさしますが、実は少しズレた位置に大台ヶ原山というのが
ちゃんと存在するんですね。
今回のプランは写真撮影が目的でしたので、金曜日の夜に仕事を終えた写楽のメンバーさん5人と大阪駅で合流
して四駆で大台へと向かいました。三重県と奈良県の県境ですから、正直言って関西という感覚はありません。(^^;;
大台ヶ原駐車場到着は23時半、大阪から約4時間の距離です。
車からおもむろにテントを取り出し、素早く組み立てテントを2つ並べて「おまたせ〜♪」
人数分の寝袋をみんなに手渡し、「ささっ、どーぞ。中へどーぞ」
「わたしは車で寝るから・・・・」とジタバタする人を問答無用!とばかりに無理矢理テントへ押し込み仲良く川の字に。
だってこの日のためにテントを1つ増やしたんですもの。こんなことはきっと一生に一度、いい思い出になりますよ?
「ねぇ、いつもアルプス縦走するときはこれで寝るの?」
「枕ないかなぁ、これじゃ背中が痛いよー」
「一杯ひっかけないと寒くて寝れないかも・・・」初めてのテント泊にみんな言いたい放題。
 翌朝3時45分起床。真っ暗な中、ペンライトを持って日出ガ岳山頂へ。おかげさまでみごとな日の出をキャッチ。
そこから写真を撮りながら正木ガ原、牛石ガ原、大蛇ーへと移動。大蛇ーの先端はロープで囲ってあるけど、かなり
迫力があって高所恐怖症の私の膝は別な意味でガクガクでした。大蛇ーは紅葉の名所でもあるそうです。
そして激しいアップダウンを繰り返しながら「大台山の家」に着く頃には雨量も拍車をかけ、駐車場へとダッシュ。
あっという間に午後からは台風並みの豪雨。さすがは年間5000ミリの降水量といわれる大台ヶ原ですね。

                                                          記:Fuji (兵庫)

「伯母峰の一本足」(おばみねのいっぽんだたら)
  
 牛石には昔、山に棲むたくさんの妖怪を封じ込めたという伝説が残っています。

そしてドライヴウェイの休憩所のあたり、伯母峰峠にはこんな伝説がありました。
「果ての二十日は伯母峰を通るなよ。一本足に生き血を吸われるぞ」果ての二十日に『伯母峰峠』を通ると、10人
ば10人とも帰らん、天井をつくような大きさで一本足、2キロ先で3匹の蚊がうなっているのが見えたという一つ
の怪物が出て、人の生き血を吸う、怪物は、夏は『牛石ケ原』、冬は『伯母峰峠』、に棲んでいたそうです。
この地方の人々は林業で生活していましたが、それだけでは食べていけないので出稼ぎに出なければなりません。
でも出稼ぎに出るには伯母峰峠を通らないわけにはいかない、困った村人は京都の天ケ瀬村の猟の名人、射場
兵庫(いばひょうご)に怪物退治を頼んだのです。
その年の十二月二十日、射場兵庫はクマのように大きな愛犬を連れて伯母峰峠に向かいました。
吹雪の中で怪物を待つ兵庫と愛犬は待ちくたびれて眠くて眠くてたまりません。そこに現れた怪物めがけて600の弾
を撃ったけれども一発も命中しない、腹巻きの中にしのばせてあった『ひとつぶ弾』を取り出し、火筒を向けると怪物
は悲鳴をあげて逃げて行きました。
翌朝、様子を見に来た村人達にこう言ったのです。「あれは大イノシシやった」
兵庫の撃った弾はなぜだか大きなブナの木に一列に並んで当たっていたんですって。
 この怪物一本足は山伏姿に化けて紀州の『湯の峰』という温泉に逃げていたそうですが、宿屋の主人に正体が
ばれてしまい、
「我こそは伯母峰峠の主、一本足である。正体は八畳間いっぱいある笹の生えた大イノシシ。
イノシシの王『猪笹王』(いざさおう)だ。天ケ瀬村の射場兵庫の火縄筒にかかり、わしはもう往生するが、兵庫も犬も
生きとるのに、わしだけが死ぬのがくやしうてたまらん。兵庫を連れてくればお前の命は助けてやろう」と言いました。
宿屋の主人は半信半疑で天ケ瀬村へと旅立ちましたが、村人に怪物の話はしませんでした。後をつけてきた怪物に
殺されてしまった宿屋の主人。村人は祠(ほこら)をつくって鉄砲をまつり猪笹王の霊を供養することにしたのです。
鉄砲と弾は天ケ瀬村の氏神の横にまつられているそうです。
怪物の一本足は交通安全のお守りとして、お土産店にならんでいるのだとか。

このお話は、永峰秀司さんという青年が大学の民俗学の課題レポートで大台の語り部を取材したときに聞いた民話を
もとに紹介しています。のちに彼はご自分のHPで、大台ケ原山山頂の大台教会を守り続け、奈良県の依頼で雨量
観測等をした故 田垣内 政一 翁を偲んでという回顧録や 翁のメッセージ、大台ヶ原に伝わる物語を伝えています。

大台ケ原に伝わるお話 URL http://hyla.jp/oodai.htm




竜ガ岳 817m
●コース   雲門寺P 10:40⇒林道終点 11:14⇒清水峠 11:34 (休憩6分) 11:40⇒竜が岳 12:13
         竜が岳15:10⇒清水峠 15:37 (休憩3分)15:40⇒林道終点 15:53 ⇒ 雲門寺P 16:25
●コースタイム  5時間19分
●アクセス  中国自動車道滝野社インターから国道175号線 経由 国道427号線で西脇市から中町
        を抜け、加美町へ。
        播但連絡道神崎南インターから県道加美山崎線で神崎町から加美町へ。

杉原紙(すぎはらがみ)という和紙の産地 兵庫県指定重要無形文化財・兵庫県指定伝統的工芸品
 杉原紙研究所では紙すき体験もできます。

●的場ホタルの里   6/22 ホタル狩りナイトハイク 8km

竜ガ岳(多可郡加美町鳥羽)周辺 1/75000地図


●竜ガ岳レポート

R427を北上、雲門寺の標識に沿って右折し、杉原川を渡るとすぐに雲門寺Pに到着。20台以上の大Pです。
軽く柔軟体操をして急坂の林道歩きにかかります。杉林の中をアスファルト、コンクリート、石ころ道が交互に現れ
ちょっとウンザリのジグザグ林道です。終点には5、6台は止められそうですが、今日は乗用車が1台だけでした。
車の主は大井戸山から戻ってきたところとの由。杉林の中の快適な登山道1kmで清水峠です。石仏と石室跡がある
静な峠です。ここから南に稜線をたどると大井戸山ですが、今日は北に稜線をたどります。稜線といってもモミや
ヒノキの高木に遮られて展望には乏しい登りです。しかし、最近笹を刈り取ったらしく、手入れの行き届いた快適な
道になっていました。やがて南面を伐採した竜が岳(817m)です。眼下の杉原川を隔てて1000m峰の千が峰と先日
歩いた笠が岳が美しい山容を見せています。頂上を1人占めにして乾杯し、弁当にしました。
予定の北への縦走の前に、西に明瞭な踏み跡があるのでちょっとだけの積もりで下ってみました。すぐに不明瞭に
なり、30分も下るとどうしようもなくなり、冬の薮がおとなしい時に取っておくことにして敗退しました。
2度目の頂上で上半身裸になって、背中に入った枯葉を除いてから予定の北への縦走にかかりました。
しかし、こちらは伐採の小枝が山道を覆っていて、やがて踏み跡も分からなくなり稜線を外さないようにするのが精一
で、それも稜線が広くなったところで、コンパスで確認すると方角違いの方向に進んでいたという有り様で、今度は
なんと45分も行ってからの引き返しでした。結局、3度も竜が岳の頂上を踏んで雨乞いをしましたので、きっと、近い内
に雨が降ってくれるでしょう。
竜が岳は林道終点まで車を引き上げて、素直に往復するのが良いでしょう。


2002/6/8
記:リッキーKANESADA (兵庫)











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