フィルタ回路において、高周波はLC型フィルタが、数100KHz以下の低周波ではCR型フィルタが一般的に用いられている。しかしLC型の場合、周波数特性は良いのですがコイルを使うわけで、コイルはコアに線を巻いて作るために、形が大きくなったり、コスト高になることがある。またCR型の場合は一段あたりの最大傾斜は6dB/オクターブで、よいフィルタ特性を示さない。これはー3dB減衰する遮断周波数に対してQが小さいからである。 このようなことから、昔からコイルのない特性のよいフィルタはできないものかと研究されてきました。そこで行き着いた結果が、RCと増幅素子(オペアンプ)を組み合わせてLCと同じ特性をもたせるアクティブフィルタです。この特徴はQを上げ、遮断特性を理想フィルタに近づけることができる。インピーダンスマッチの必要がなく、直接接続できる。フィルタの伝送特性によって分類すると、バタワース特性、チェビシェフ特性、ベッセル特性などに分けられる。 今回紹介しているのは、HPF回路(ハイパスフィルタ)つまり周波数の高い信号を通過させそれ以下の低い周波数成分を通さないフィルタ回路です。直流成分などを取り除きたい場合などに使用します。VCVSとはvoltage Controlled Voltage Sourceの略で、電圧ソース型フィルタとも呼ばれている。 さあそれでは本当に高周波だけを通すのか、シミュレーションで確認してみましょう。下図の回路図とシミュレーション結果をみてください。確かにハイパスフィルタですね。遮断周波数は1KHzというのがわかります。
明るい緑がゲイン特性、暗い緑が位相特性を表しています。 |