<8月21日・土>
◇ 寝て起きたら夕方だった。


<8月22日・日>
◇ 東芝にクレームをつけた人物が、名うてのクレマーだったという文春の記事を読んで。
個人的には、彼がクレーマーかどうかはどうでもいい。問題は、どういう場合に消費者が企業からクレーマーと判断されるか、ということである。私の知り得た範囲で考えるに、「労苦をいとわない賢い消費者」で在ろうとすれば、やはり東芝からはクレーマーと呼ばれるのではないか、という疑念を捨てられない。それとも、多重債務者のように、クレーマーのブラックリストがあるのだろうか?(ありそうな気もするが)。それにしても、何をしたら載せられるという基準があるのかどうかが問題になってくる。
 そういう意味で、東芝側が彼をクレーマーと判定した基準が、不明確なままのは非常に残念である。電話がしつこい、社長にデッキを送りつけるというのが、やはりクレーマーの条件だったのだろうか。

 まあ、それにしてもクレーマーは恫喝すれば収まるという発想はやはりヘンだ。反発を招いて、こじれるだけではないか。あれは毅然とした態度で断るというものではないものなあ。民暴とかでも、できるだけ丁重に扱うのがセオリーでは?

◇ 終日寝ていたような記憶がある。


<8月23日・月>
◇ 会社の宴会。いろいろ飲んでいろいろしゃべったような気がするが、もう歳なので翌朝にはすっかり忘れている。


<8月24日・火>
◇ 今日も会社関係者で宴会。さすがに眠いし明日の仕事もあるので、中座しようと思ったけれど、結局最後まで飲んでいた。

◇ 緊急の闇の仕事を引き受ける。


<8月25日・水>
◇ 緊急の闇の仕事をせっせとすすめる。あと、大手町で仕事が終わった後に、タニグチさんを呼び出してお茶をする。


<8月26日・木>
◇ 今日も緊急の闇の仕事をちょくちょくと進行させる。ほかは普通。母が乳ガンの手術。経過は良好。


<8月27日・金>
◇ 本業で結局朝まで引っ張ってしまう。さすがに結構今週は疲れた感じがする。「神様ゆるして」(比古地朔弥、美術出版社 1200円)を読了。暗さよりもそれを超えて、ちゃんと救いを用意したということに感動した。絶望があるのはわかる。だけど、僕が知りたいのは、ではなぜそれでも人は生きていけるのかということについての答えなのである。ちなみに、「もののけ姫」とか「山田くん」を僕が否定しきれないのは、そこに触れているからである。


<8月28日・土>
◇ 鎌倉大仏を見に鎌倉へ。大仏はなかなか良かったけれど、パーティングラインが消してないのはなぜ、とか思いました。おみやげ用の大仏のミニモデルの出来がことごとく悪いのもいかがなものかと思った。そこでふと思った企画「モデラーと見る仏像の造形」。どんなもんだろう。いくつかのお寺は午後4時でしまっていて拝観できなかったので、また今度尋ねようと思った次第。鶴岡八幡宮でムカエマを探したところ「いんせきがおちてきませんように」というのがあった。


<8月29日・日>
◇ 千葉市美術館へ「」と、高畑勲監督の講演を聞きにでかける。まあ、いろいろ思うことはありました。そういう意味では刺激的とはいえたかも。DASACON終了後で猛烈に眠いために、眠りながらもちゃんと講演のメモをとるというブン屋魂健在なタニグチ氏ら、顔見知りの方もちらほら。しかし、エレベーターのドアが開いたら、いきなりタニグチさんがこっち向きで立っていて、その向こうに高畑御大がいるという光景はちょっと心臓に悪かったです。

○ それから秋葉原、巣鴨と車で移動。途中降り始めたひどい雨に吃驚である。もちろん車窓から雷を見たら「ジオンの新兵器かしら」というのはお約束。


<8月30日・月>
◇ 映画を見に行こうと思いつつ、結局、書店巡りした後、新橋方面に足を運んで1日が過ぎる。今日買って読了した本は3冊。
「トンデモ創世記2000」(唐沢俊一・志水一夫、イーハトーブ出版 1500円)。トリビアルなこだわりもなく、リストも作らず、クズをなかなか愛せない僕は、オタクではないらしい。まあ、オタクの定義だけで3時間しゃべることもできないしね。でも、世間はオタクっぽいっていうんですけど、これは世間が間違ってるんでしょうか、それとも僕が間違っているんでしょうか? 唐沢先生(笑)。
「恋愛漫画ができるまで フレデリック・ボワレ短編集」(美術出版社 2200円)。同ポジをうまく使ってると思う。それはさておき、オビが高畑勲氏と谷口ジロー氏。谷口氏は理解できるけど、どうして高畑氏なんだろう。わからないでもないけどね。
「EXPO70伝説」(メディアワークス、2600円)。僕にとっての万博体験は、子供向け百科事典に見開きで描かれた、万博の会場図である。あの極彩色の世界は、今でも強烈な印象となっている。
「今日の芸術」(岡本太郎、光文社)。すごい。まず、名文家である。日本語に力がある。眠る前にと読み始めたが、その迫力に7割ほど間で一気に読んでしまった。岡本太郎というと、いわゆるマスメディアに流通していたイメージしか持っていなかったが、その向こうに、信念や確信がこれほどまでに明確あったことを初めて知って驚いた。改めて、美術館に足を運ぼうと思った。

○ 夜はちょっとしたズルを使って、アニメ作家、テックス・エイブリーの短編集を見る。内容はAプロである。スピードとそのバイオレンスぶりは徹底的でスゴい。


<8月31日・火>
◇ 「センチメントの季節 4」(榎本ナリコ、小学館 876円)。作者が書き慣れてしまって、スリリングさがすごく減っている。そろそろ潮時だと思うがいかがなものか。こういうタイプの物語は、世界に読者がなれてしまうことで、量が質に転換しないとも思うし。

○ なんだかちょっとフヌケのような1日です。眠いのでさっさと寝る。