2000年5月上旬


5月1日(月)

■ 思い立って人を誘って新宿で飲んだり食べたり。いろいろ刺激を受けて考える。フランシス・フクヤマを読まなきゃならないかなぁ。で、朝まで。いつもすみませんです。

5月2日(火)

■ 明け方帰宅して、3時間ほど寝たら目が覚めたので、さっそくDVDとアンプ、スピーカーセットを設置し始める。小一時間で配線など完了。いろいろソフトを試すが、やはりテレビのヘロヘロのスピーカーとは段違いである。WOWOWの放送もぐっと楽しさが増した。

■ 寝不足だなぁと思いつつ、代々木で打ち合わせ。いろいろ話してこれまた刺激になる。

5月3日(水)

■ というわけで、思い立って「スパリゾート ハワイアンズ」(旧名称 常磐ハワイアンセンター)に出かける。特急「スーパーひたち」で上野駅から湯本駅まで。車内はえらい混んでいたが、ボクは1本遅らせたためになんとか座れたのだった。お金をおろしそこねていたので、駅に到着早々銀行を探すがどれもボクの取引銀行と相乗りしていない模様。休日だから? ともかく1年以上使っていない郵便局の口座にまとまったヘソクリがあるのを思いだし、事なきを得る。軍資金の確保の後は、宿の確保。電話をかけまくって2駅先のいわき駅の駅前のホテルを確保する。それからやっと目的地に向かう。バスに間に合わなかったので、タクシーで移動。所要時間は15分程度か。

■ 「スパリソート ハワイアンズ」の客層は、家族連れと地元の高校生、福島県内のカップルというところ。カップルは、血中ヤンキー濃度がやや高め。基本的には、大型屋内温水プール、大型屋外温泉プール、日本一大きな露天風呂で構成されているわけですが、とりあえず子どもという名のイモが洗われている室内プールはパス。屋外のカルキ臭い温泉プールにつかったり(でかい滝があってそれで打たせ湯をするとそれは相当気持ちよかった。俺が小学生なら「修行じゃー」と騒ぐこと間違いナシだ)。パノラマサウナなるものにも入ったが、これは簡単に言うとUFOみたいに丸い建物の周囲がガラス張りでそれがサウナになっているという趣向。ただ、中に入った人物は建物のの中心を向いて座る作りになっているので、もちろん外の風景は背中側になる。どこがパノラマじゃ! 日本一大きな露天風呂は、さすがに立派な作り。おまけに菖蒲湯だったし。併設の蒸気風呂はヨモギの香りが充満していてこれもナイス。ただ、こっちも多少カルキ入れてる?

■ 同施設の一番の欠点は、動線(導線?)が一切考えられていないこと。入場すると、買い物コーナー、タオルなどのレンタルコーナー、更衣室、屋内プールへと、すべてに移動できるようになっているため、お客は何をすればいいのかがわからない。着替えて水着になった後に、どの範囲まで行動できるのか? その時買い物や食事はできるのか? 貴重品はどうすればいいのか? 動線が決まっていれば、その疑問に一つづつ回答を与えていけばいいわけだが、それがないため、始めて訪れた人はものすごいストレスがたまることになる。
 実際に行ってみると、実はお客にはかなり自由な行動が保証されている。施設内では、水着で食事をするのがデファクトだが、着衣でも可能だし、2カ所ある脱衣所どこで着替えても、水着のままどこへでも移動することができる。つまりこの自由度を確保しようという、管理者の意図そのものが、混乱のもとなのだろう。ゲームと同じですな。
 ともかく、施設そのものの構築がダメなんだから、マップぐらいもっと丁寧につくれよなぁ。

■ 夕食はいわき市の寿司店。ガイドブックに書いてあったオススメの店だけに混雑して、小一時間待つことに。その間にグラスビールが振る舞われ、オーダーした料理が出てくるまでの間にタコ刺しのサービスがあったりと、それだけで好感度抜群である。そして、特々上もまた美味でありました。ホテルに戻り、さらに飲んでいる内に沈没。

5月4日(木)

■ 寝て起きて、小名浜へ。足を運んだ『いわき ら・ら・ミュウ』は、いってしまえば焼津魚センターで、あまり物珍しくもない。とはいうものの、総合的な再開発の中核施設として建設されたらしく、海に面したデッキ?部分はきれいに整備され、シートの上でお弁当をひろげて食べる家族もいるなど、広々とした雰囲気は単なる商業施設だけの魚センターとはちがうところ。近くにガラス張りのドームがあって何かと思ったら、夏にオープンする水族館だとか。なかなかリキの入った再開発計画である。

■ 昼食は、近くの市場の二階にある市場食堂へ。各種ガイドブックに載っている「穴場」なので、なんと1時間待ちの行列。列の長さに、あきらめて脱落する家族連れもちらほら。でもこちらはあてどもない旅人なので、だらだらと待ち続けて、「ウニ・イクラ丼」にありつく。ウニ丼ってのははじめて食べたが、予想以上にコッテリしてるもんですな。美味でしたが。食べ終わったら、並び始めたときから2時間が経過していましたとさ。それから、特急で帰宅・自宅では、DVDでアニメ版『ジャイアントロボ』。1話と6話でダビングの質が全然違う。これも長期シリーズのため?

■ 命の大切さを教えるにはどうすればいいのか? 本当に、個人のさまざまな経験を積むだけで、命が大切であるという「常識」を刷り込むことができるのか? 戦争経験者はみんな命が大切だと思うようになったのか? 疑問は深まるばかり。 

5月5日(金)

■ 小旅行でお金がなくなったので、近所のキャッシュコーナーに赴くが軒並み休止中。最寄りの東京三菱に足を運ぶも、そこのATMも使えない。これはもしかして決定的に追い込まれたかも、と思いつつ池袋まで自転車で遠征。ここでやっと開いている銀行を見つけて、一安心する。そんなわけで夕食もなんとか食べられることができました、とさ。今日は、それ以外は『デジタルマクルーハン』や『大いなる遺産』を読んだり、WOWOWで録画した『多重人格探偵サイコ』を見たり。

■ 先日、新古書の問題を新聞で読んだ。マンガ家などが、新古書店の普及を問題にしているという記事だった。これがなかなか難しい問題で、どうも理解しづらい。以下、直感で書く。
 新古書店が普及しているというのは、おそらく新刊書の流通がどこか顧客ニーズに対応できなくなっており、それを補完しているからではないか。もちろん著作者の利益が守られなければ、著作を楽しむことができなくなるのは確かではあるのだが、それと新古書の普及を問題にすることは違うのではないか。
 新古書店が普及しているのは、結局、ベストセラーとか一定部数以上売れている本が高いと思われていることがまずある。新古書店を利用する人物は、本そのものに愛着を感じると言うより、手軽なヒマつぶしを探しているだけなんではないだろうか。
 となると、ああいう補完的な商売をやっている業界をツブす方法は2種類あることになる。一つは、商売そのものを法的に禁止すること。しかし、書籍を扱っている場合、法的な根拠をどこに求めることができるのか? そこが問題だろう。二つ目は、新古書市場のニーズを本家が、その強みを生かして奪うことだ。おそらく再犯制度を廃止するだけで、新古書店は一定のダメージを受けるのではないだろうか。もっともこの方法を出版社がとるとも思えないけれど。

■  さらにそこから派生した個人的な感想ではあるのだが、10万部以上(控えめな数字だと思うのだが、どうか?)も印刷されているマンガは、この数字から見ても明らかなように、「作者」や「作品」がそれほど好きでもない人も、なんとなく「流行っているから」「面白そうだから」という理由で買っているということである。おそらくそれが主流であろう。こうした動機で購買する層に支えられている以上、「作者へのある種の敬意があれば、古書店では買わないほうがのぞましい」というモラルなど期待し得ないと思うのだ。或る意味、残念なことではあるが、「人がそんなに便利になれるわけがない」のである。
 その新聞の記事中でマンガ家が、新古書店のせいで売り上げが下がったという趣旨の発言をしていたが、マンガのポジションというのはよくも悪くも、前記のようなものであるのだから、残念ながらそれはしょうがないことだと思う。それは新古書店を責めてもせんないのではないか。もしそれがいやなら、もっと部数が少なく、高い値段で売られる豪華本しかでない作家になるしかあるまい。

■ なにやらマンガ家より新古書店の味方をしているようだが、やはり大衆の欲望そのものは否定できないと思うので、それに沿わないアピールはあまりうまくいかないのでは、と思っているだけなのですが。ちなみにわたしは97%ぐらいが新刊書店で購入してます。

5月6日(土)

■ 午後3時から、Nadiffで開かれていたタカノ綾さんの個展のトークショーに。ちょっと遅れて到着すれば、もちろん出没系のヒゲの記者は当然いた。1997年のSHOP33の展示会以来、折に触れて作品を見てきたけれど、着実な進歩というか、世界の深まりというか、ずんずんと変奏が効いてきている感じ。とはいうものの、トークショーを見ると、本人は噂通り酒乱で天然らしいのは、自明という感じではある。作品はSFからインスピレーションを受けた作品も多いながら、決してそのように見えないのは、なんというか「誤配」の最たるモノか? 意地汚くレセプションまで残り、人狼の話題とか、さらには静岡在住の方とか、西巣鴨方面に通学していた方と雑談して北区……ではなく帰宅する。
 ちなみにNadiffで、タカノさんの画集を頼んだらレジの人がまるで、マクドナルドのように「今日ならアディショナルプリントが……」と薦めるので、それまでつい買ってしまった。うむう。ひぎぃ。

5月7日(日)

■ 昨日、日記を書いた後、突然喉がはれぼったく感じ、節々が痛くなる。こりゃヤバイということで、カコナールなぞ一気に飲んで、寝る。目が覚めても、熱こそないがイマイチっぽい調子。とはいうものの、今日は実は仕事始め。ということで会社に出かけてしこしこと仕事をするのでした。GW中に読了できるかと思っていた、『大いなる遺産』はやっと上巻の半分で、4分の1。まだ、遺産を相続することが決まっただけだよ! それはともかくとして、復活に備え、帰宅してさっさと寝ることにする。『21世紀企画書 日本型インターネットの可能性』(橘川幸夫、晶文社 1500円)感想は後日機会が在れば丁寧に。『人生テスト 人を動かす4つの力』(岡田斗司夫、ダイヤモンド社 1500円)こういう本に登場する凡例の人物たちってどうしてウソくさいんでしょうね? まあ、この本には明らかにモデルがわかるアニメの監督Aとか出てくるけどさぁ(苦笑)。

5月8日(月)

■ 帰宅後一眠りしたと思ったらすぐ目が覚める。仕事がらみで、いろいろたまっているビデオを見たりして、その間に仮眠をとったりする。それから新宿に出かけて、雑談しながらお酒など。


■ 意外なところで意外なWEBページを発見。そしてそれはもちろん、当人の意外な一面の発見でもあるわけですが。

5月9日(火)

■ ひたすら眠くて当初予定よりもだいぶ遅れて会社へ行く。5月末に向けて、さまざまな段取りがはっきりしてくる。でも眠いのでさっさと寝る。

■『最遊記』をつい見てしまう。マンガのコマ割を、そのまま絵コンテに移したような独特の画面。色使いも独特で、なんだかとても不思議な作品である。まあ、お話が過去の因縁話らしくテンションが維持されていたことも、つい見てしまった理由ではあるが、。とはいうものの、個人的に応援したいのは同じ西遊記モノなら『マシュランボー』(しかし、乱暴なましら、とはストレートな……)のほうではある。ただ、こっちはこっちで、物語のフォーマットをきっちりち決めているように見えなかったので、そのへんが惜しいかな。

5月10日(水)

■ いろいろと仕事の日。帰宅して某ページを拝見すると、「偽名日記毎日更新」の文字が。うーむ、これはプレッシャー?