- The tower of "Past"  7F -

 

 

 

   A : 一行が部屋に入ると中央に水晶玉が置いてあった。 
      近づくと、突然、玉の中央に顔らしきものが浮かびあがった。

      「さあ、お前達の持っている鍵を差し出すのだ。
       この時代を見せてやろう。この時代の象徴はメシャの鍵だ。
       心配せんでよい。7Fより下は、この鍵でも開けることができる。
       さあ、存分に楽しめ。」

     一行がハルフの鍵を差し出すと、その鍵は、みるみるうちに変化していった。
     一行はその部屋を後にした。

 

   B : 壁に文字が書いてある。

      「人類が滅んだ根源がこの階にある。見ていっても損はないと思う。
       この巨大博物館も、これで終わりなのだから・・・」

 

   C : 一行が部屋に入ると、壁一面に映像が写し出され、メッセージが聞こえてきた。

      「最後のショーだ。全員でみるがよい。ベストコンディションでな。」

      全員の体力が回復した。

   
   オーク「うおっ、何だこの光りは・・・。」

      光の向こうから声が聞こえてきた。

      「よく来た。諸君。生きとし生けるものは、全て最後は滅びる運命にある。
       賢きものは、なおさらのこと。人類も、例外ではない。
       滅亡の根源、それは「進化」だ。
       進化こそ、滅亡の定義である。
       賢くなりすぎ、頂点を極めれば、後は消滅するしかない。
       いや、そうならねばならないことを知る時が来るといった方がよいかもしれない。
       君達は、気付いているかね?
       自分達も、いまこの過程を急速に歩んでいることを・・・
       滅亡の一歩手前まで、君達が来ていることを。
       蛇足だが、人類を滅ぼしたのは、君達魔族ではないよ。
       人類の心の中の悪魔だ。
       戦争も、それに付随して起こった惨劇も、全ては、このせいだ。
       その悪魔が実体化されて、人類を滅ぼしたのである。
       それほど人類の心はすさみきっていたのだよ。
       君達は恐怖を覚えたはずだ。
       人類がとうの昔に、忘れてしまった感情をね。
       今こそ、真の世界へ出向くがよい。
       本当の地表をその目で確認し、新たなる旅立ちをするのだ。
       もしかしたら、人類の犯した失敗を繰り返さないですむかもしれない・・・
       それは君達自身にかかっているのだからね。」


      光が一瞬消えたかと思うと、そこには、はるかなる大地が広がっていた。

      オーク「これは・・・ここはどこだ。」

      
スケルトン「地表だ。これが本当の地表だ・・・」

      
ハーピィ「それでは我々が今まで地表だと思っていたのは地下だったというのか・・・」

      
スケルトン「そうとしか思えん。あの戻らずの塔は、地下と地上をつなぐエレベーターだったのだ!」

      
ミノタウロス「我々は・・・今まで我々は何のために闘ってきたというのか・・・」

      一行の目の前には、一枚の石碑がそびえ立っていた。
      その石碑にはこう記されている。

      「この星は、我がチリウス星系軍の軍門に降る。」

      オーク「すでに・・・地表は異星体に占領されていたのか!」

      
スケルトン「奴らは、我々の存在を知り、地下にまで攻勢をしかけてきたのだ。馬鹿にしやがって!」

      
ハーピィ「地下を地表と思い込み、我々は息巻いていた。何というあさはかなことよ・・・」

      
ミノタウロス「我々に・・・奴らを倒せるのか・・・そして、我々に滅亡を防ぐ手段はあるのか・・・」

      
オーク「我々は・・・どこから来た・・・何者なのだ・・・」

      彼らは、今初めて恐れていた。これが恐怖心というものである。
      自分達の想像をはるかに超えた現実を目の前にして、彼らはただ震えるばかりであった。

      今、本当の地表を舞台に新たなるドラマが始まる。



第一部 完

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