- The tower of "Past" 6F -
A : 一行が部屋に入ると中央に水晶玉が置いてあった。
近づくと、突然、玉の中央に顔らしきものが浮かびあがった。
「さあ、お前達の持っている鍵を差し出すのだ。
この時代を見せてやろう。この時代の象徴はハルフの鍵だ。
心配せんでよい。6Fより下は、この鍵でも開けることができる。
さあ、存分に楽しめ。」
一行がチタムの鍵を差し出すと、その鍵は、みるみるうちに変化していった。
一行はその部屋を後にした。
B : 壁に文字が書いてある。
「どんな時代においても、我々は希望という文字だけは忘れはしなかった。
その希望を想像力という。
この時代で見せられるものは・・・もうそれしか残っていない。」
C :
一行が部屋に入ると、壁一面に映像が写し出され、メッセージが聞こえてきた。
1999年に、人類はわずかに生き残ったが、もう滅亡はまぬがれないだろう。
死に絶えた星に、まだすがりつくものも、いなかったといえば嘘になるだろう。
人類に対するあきらめはついていた。
しかし、次なる世代への希望は忘れてはいなかった。
我々が滅亡しても、次なる支配者が同じ失敗を繰り返さないことを祈る・・・。
我々には、どんな時代でも昔から、想像するという楽しみが与えられていた。
その想像の中で、一番優れていたものは神と悪魔であろう。
善である神が、悪である魔物を打ち砕くドラマは、我々に力と勇気を与えてくれた。
この想像力は、滅亡を目前にして一層拍車がかけられた。
そして、12種族の魔物達を確立化させたのである。
神々は彼らを打ち砕いてくれるだろう。そして、新しい時代が築かれるはずだ。
我々の歴史は、魔物達が滅亡することによって幕を閉じるだろう。
その時のことを楽しく想像しながら眠るとしよう。
神に祝福あれ!そして魔物に災いあれ!!
人類が学ぶべきものは、もう何もない・・・
「さあ、これで人類の歴史は全て終りだ。この上の階には、人類を滅亡させた真の敵がいる。
その敵を乗り越えたものは、地表の王としての資格が得られるのだ。
さあ、扉を開くがよい。」
オーク「何だというのだ・・・一体、これは何だというのだ!!
我々は人間が想像によって作り出したものだというのか!
神に滅ぼされるために生まれた捨石だというのか!
馬鹿をいうな。我々はこうして生きている。何故だ。
はるか昔、人類との闘いに破れて地中へと追いやられた我々魔族の歴史はどうなるんだ。
我々は・・・我々こそが真実だ!!」
しかし、答えるものは何もなかった。
殺風景な部屋に、ただオークの絶叫がこだまするだけであった。
ただ、彼ら魔族の中に今までなかった感情が生まれたのは事実である。
この感情に、彼らはこれから驚きとまどうことになるだろう。
この感情を「恐怖」という・・・