- The tower of "Past" 5F -
A :
一行が部屋に入ると中央に水晶玉が置いてあった。
近づくと、突然、玉の中央に顔らしきものが浮かびあがった。
「さあ、お前達の持っている鍵を差し出すのだ。
この時代を見せてやろう。この時代の象徴はチタムの鍵だ。
心配せんでよい。5Fより下は、この鍵でも開けることができる。
さあ、存分に楽しめ。」
一行がボースの鍵を差し出すと、その鍵は、みるみるうちに変化していった。
一行はその部屋を後にした。
B : 壁に文字が書いてある。
「一人の予言者が、人類の滅亡を書きたてた。
おもしろおかしく世界は騒いだ。
平和な時代だったのである。
何事もレジャーとして楽しめる時代がやってきたのだ。
しかし、滅亡の時が近づき深刻になるにつれて、予言の話を口にするものは減っていった。
本当に望むべきものを忘れてしまった我々はもう自己顕示欲の固まりになっていた。
哀れだ・・・」
C : 一行が部屋に入ると、壁一面に映像が写し出され、メッセージが聞こえてきた。
1999年、恐怖の大王は本当にやってきた。
まさか、それが魔物達の襲来だったとは誰が予測したであろうか。
誰もが、核戦争や病原菌によるものと推測していたのに・・・
ガーゴイル「馬鹿な!!我々が人類を滅ぼしたというのか。我々は地中で生きていたのだぞ。」
ゴブリン「この塔は何かおかしいぞ。我々が来ることをすでに予測して作られたかのようだ。」
ガーゴイル「うむ、この塔の上に、一体何があるのか興味がでてきたな。」
ガーゴイル「ふふん、おもしろくなってきたじゃないか。」
しかし、人間は絶滅したわけではない。
神は我々をどこまで苦しめればよいというのだろう。
この時こそ、人類は真に滅亡を望んだといえるだろう。
この時代に人類が学んだのは「愚かさ」である。
ああ、もうすぐ歴史が終わる。
なのに、この心の底からわいてくる喜びは何なのだろう。
「さあ、この時代はこれで終りだ。次なる時代の扉を開くがよい。
時は黙っていても過ぎていくのだから・・・」